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日産「NISMO」ブランドを強化、NISMOの歩んだ道を振り返る

2017.05.17

日産のモータースポーツ部門である「NISMO」。現在ではその名を冠したロードカーが販売されるなど、実に今後が楽しみなブランドです。ここでは、そんなNISMOの歴史や現在販売されているロードカーについて詳しく見てみましょう。日本最大規模のレーシングコンストラクターは、いったいどんな道を歩んできたのでしょうか。

NISMO立ち上げまでの経緯

NISMO設立以前の1960~70年代、日産ワークスは「追浜ワークス」と「大森ワークス」に分かれていました。前者は神奈川県横須賀市の日産自動車追浜工場内、後者は東京都品川区南大井に本拠地を構えます。追浜ではおもにラリーやプロトタイプマシンの開発を担当し、数多くの名車が生み出されました。特に有名なのが、R380~R382といったマシンたちです。高橋国光氏や北野元氏、黒沢元治氏といった当時のスタードライバーたちに託され、サーキットで猛威を振るいました。

一方の大森ワークスは、主に市販車を改造したツーリングカーの製作を担当。華やかな追浜と比べマイナーなイメージが付きまとい、日産社内でも二軍扱いだったといわれています。しかし追浜のドライバーたちはチームが用意したマシンにただ乗るだけだったのに対し、大森のドライバーたちはマシンを自ら製作してドライブすることから、開発やセットアップの能力に優れていたという見方があります。実際に大森に在籍していた鈴木誠一氏は、後に独立して東名自動車(現、東名パワード)を立ち上げました。

そして1970年代後半のオイルショックを経て、1980年代に入りモータースポーツが復調の兆しを見せたことから、日産はワークス活動再開の道を模索し始めます。こうした経緯で誕生したのが、NISMOだったのです。

1984年、NISMO設立

1984年9月、大森ワークスと追浜ワークスを母体としてNISMOことニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社が設立されました。初代社長には1958年にオーストラリア・モービルガス・トライアルにて日産ワークスとして出場し、その後追浜ワークスを指揮した経歴のある難波靖治氏が就任。同年10月には、大森にて営業が開始されます。

モータースポーツシーンに不可欠な存在

早くも設立翌年の1985年にはWEC JAPAN(スポーツカー世界選手権 日本ラウンド)にて、星野一義氏が駆るシルビアターボCが総合優勝。1986年にもJTC(全日本ツーリングカー選手権)にてマニュファクチャラーズタイトルを獲得するなど、最高のかたちでスタートを切っていきました。その後もル・マン24時間やスパ・フランコルシャン24時間、デイトナ24時間などに積極的に参戦し、好成績を収めます。

国内のレースを見てみても、1993年から始まった全日本GT選手権(現、SUPER GT)は毎年欠かさず参戦しており、多くのファンとともにこのシリーズを盛り上げています。今シーズンはマシンのセッティングが煮詰まらず苦戦を強いられていますが、中盤戦からの巻き返しに期待したいところです。

このようにNISMOは日本の、そして世界のモータースポーツシーンに欠かせない存在となっています。

ロードカーも展開、認知度向上に大きく貢献

モータースポーツ活動とともに、近年では新たなビジネスとしてNISMOブランドのロードカーも展開しています。かつてはR33型スカイラインGT-Rをベースとした「400R」やS14型シルビアをベースとした「270R」など過激なチューニングメニューを施したクルマも存在しましたが、現在のロードカーは基本的にはマイルドな特性となっているのが特徴です。しかし走りに関しての妥協は一切なく、ワークスの名にふさわしい仕上がりを誇っています。それでは、現行のラインナップを見てみましょう。

 小粒ながらピリリと辛いマーチNISMO

日産を代表するコンパクトカーであるマーチをベースにしたクルマが、マーチNISMOです。正規のラインナップには存在しない1.5リッターのHR15DEエンジン搭載車もあり、カムプロフィールや圧縮比、エグゾーストや電子制御に至るまで細かくチューニング。強化された足周りやボディと相まって、刺激的な走りを実現しています。

話題のe-PowerもラインナップされるノートNISMO

昨年のビッグマイナーチェンジ以来、好調なセールスを記録するノート。これをベースに仕立てたクルマが、ノートNISMOです。このモデルで特に重視されたのは空力で、SUPER GTなどで培われた技術がふんだんに投入されています。話題のe-Powerもラインナップに加わり、イージードライブと走りの愉しさを見事に両立しました。

SUVにもっと刺激を、ジュークNISMO

「SUVでは走りは愉しめない」そんな常識を打ち破るのが、ジュークNISMOです。専用設計された足周りはノーマルをはるかに上回るほどスポーティで、SUVであることを忘れさせます。さらにNISMO RSでは、大径タイヤに対応すべくボディを専用チューニング。クイックなステアリングレスポンスと、しっとりとした乗り心地を実現しています。

 モータースポーツでの経験が活きるフェアレディZ バージョンNISMO

高い人気を誇るフェアレディZにも、NISMO仕様は用意されています。エンジンは専用チューニングが施され、355PSを発生。もちろんボディにも補強がなされ、防音材の改良などにより静粛性も向上しています。エアロダイナミクスでは、かつてSUPER GTを戦ったマシンのノウハウを投入。安定感と高い操縦性を獲得しました。

日本生まれニュル育ち、GT-R NISMO

NISMOのナンバー付車両の最高峰に君臨するのが、GT-R NISMOです。優れた空力性能はもちろん、サスペンションやボディに至るまでSUPER GTで培われた技術が余すことなく注ぎ込まれています。またドイツ・ニュルブルクリンクでの過酷なテストの経験も至るところに活かされており、ノーマルのGT-Rをはるかにしのぐ走りを手に入れたのです。

 ある意味最強の市販車、GT-R NISMO GT3

ナンバーを取得することはできませんが、NISMOが販売する最強の市販車といえる存在がGT-R NISMO GT3です。近年盛り上がりを見せているFIA GT3規格に対応するために製作されたレーシングマシンで、欧州で開催されているブランパン耐久シリーズなどでその実力は折り紙付き。誰もが買えるレーシングカーとして、脚光を浴びています。

 そして2017年。NISMOはさらに加速する

2017年4月25日、日産はNISMOロードカー事業を拡大すると発表しました。モータースポーツに由来するDNAをユーザーに提供して日産車の魅力を高め、同時に日産のブランドイメージを高めることが狙いとされています。これに対応するため、日産の関連会社であるオーテックジャパン内に「ニスモ・カーズ事業部」を新設、2020年代の前半には年間の販売規模を現在の15,000台から100,000台にしたいと明らかにしました。

果たしてNISMOはBMWの「M」やメルセデス・ベンツの「AMG」のような存在になれるのか、どのような車種をベースにロードカーを仕立てるのか、これからが注目ですね。

【関連項目】

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