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Alpine is back! アルピーヌの歴史を彩るクルマたち

2017.03.22
アルピーヌ 歴史
photo by ALPINE

連日ニューモデルの発表が続き、大いに賑わった2017年のジュネーヴ・モーターショー。中でもクルマ好きの心をぐっと掴んだのは、何といってもアルピーヌブランドの復活ではないでしょうか。ここでは、そんなアルピーヌの歴史と名車たちに焦点を当てつつ、ついにアンヴェールされた新型「A110」についても迫ります。

モータースポーツとともに歩んできたアルピーヌ

photo by ALPINE

まずはアルピーヌの歴史について、軽く触れておきましょう。アルピーヌは1956年、レーシングドライバーでありルノーの販売店を経営するジャン・レデレ氏(1922~2007年)の手によりフランスで創設されました。創設当初よりルノー車のチューンやレーシングマシンを数多く手掛け、ラリーやレースなどで数々の栄光を手中に収めます。ちなみにアルピーヌの名前には「山道をドライビングする楽しさ」という意味が込められています。

1973年にはレデレ氏の手から離れ、ルノー傘下の会社「ソシエテ・デ・オートモビル・アルピーヌ・ルノー」として新たなスタートを切ります。さまざまな名車を生み出しましたが、1995年にアルピーヌブランドは一旦途絶えることに。ただノルマンディのディエップにある工場は存続し、その後もルノースポールブランドのクルマの一部の生産を請け負うようになります。

2012年、イギリスのケータハムとスポーツカーを共同開発する名目で提携。「オートモビル・アルピーヌ・ケータハム」として再出発します。アルピーヌ復活の起爆剤になると関係者やメディアは大いに期待しました。しかしその歴史は長くは続かず、2014年には提携が解消されてしまいます。そしてアルピーヌは再びルノーの手に渡り、現在に至るというわけです。

アルピーヌブランドの第一弾、A106

アルピーヌの記念すべき最初のクルマとなったのが、A106です。レデレ氏がルノー・4CV(キャトル)をベースにFRPボディを架装したマシンを基にしており、ボディのデザインはジョヴァンニ・ミケロッティが担当。当時としては空力性能に優れていて、ミッレ・ミリアなどのロードレースで大活躍します。部品の供給や販売体制もルノーからの全面バックアップを受けることに成功し、多くのユーザーを獲得することになりました。軽快な走りというこのクルマのコンセプトは、後のモデルに多大なる影響を及ぼします。

さらなる市場拡大を狙ったA108

A106が一定の成功を収めたことにより、レデレ氏は次なるロードカーを市場に送り出します。これが、1959年のパリサロンで発表されたA108です。市販のルノー車のエンジンやトランスミッション、サスペンションを流用するという手法はA106と同じですが、最大の特徴は新たに開発した鋼管をメインビームとするバックボーンチューブ構造を採用した点になります。エンジンはドーフィン用の845cc直列4気筒OHVのものをベースに排気量を拡大して搭載、圧縮比も9.0まで上げられチューンされていました。

今も名車として語り継がれるA110

アルピーヌのロードカーとしてはもっとも有名で、もっとも歴史に名を遺した存在がA110です。ベースはドーフィンの後継車であるR8(ユイット)。A108に比べ、より精悍なスタイリングとなったのがデザイン上のポイントです。後部ラジエターや4輪ディスクブレーキなどR8で採用された新機構を多く流用するほか、リアにセミトレーリングアームを加えて操縦性を向上させています。この性能を最大限に活かしたのがラリーで、1969年のアルペンラリー優勝、1971年のモンテカルロラリー1-3フィニッシュ、1973年のWRC制覇という結果がマシンのポテンシャルの高さを証明しました。

GTスタイルの新世代アルピーヌ、A310

ラリーで名声を欲しいままにしたA110の後継として世に放ったのが、A310です。鋼管バックボーンフレームやRR方式、FRPボディといった伝統の技法はこのクルマにも引き継がれ、ポルシェ・911をライバルと想定し開発されました。ただスタイリングは丸みを帯びた従来のものとは決別し、モダンなデザインへと変貌を遂げます。軽量だったA110と比べ、重量がかさんだA310は登場当初からアンダーパワーという指摘を受けがちでしたが、PRV・V6を搭載することでこれを解消。GTモデルへと路線変更しました。また、人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」では葛城ミサトの愛車として登場し、多くの人に名が知れ渡る存在となります。

GT性能を飛躍的に高めたV6

A310に代わるアルピーヌのスポーツカーとして1985年にデビューしたのが、V6です。基本的な構造はA310のものをキャリーオーバーし、ボディはフランスを代表するコーチビルダーであるユーリエが手掛けました。このボディはフラッシュサーフェス化が徹底され、Cd値は0.28をマーク。サイズも大型化され、本格GTカーの出で立ちを手に入れます。インテリアデザインはシュペール5(サンク)などをデザインした、マルチェロ・ガンディー二の手によるもの。エンジンはその名のとおりV6のみとなり、とうとうポルシェ・911と対等に渡り合える性能となりました。専用のフロントマスクやフェンダーを与えられた「ル・マン」というモデルが末期に登場し、日本にも50台ほどが当時の販売元であるJAX(ジャクス)により輸入されています。

 信頼性の向上が図られたA610

V6で確立した「アルピーヌ=GTカー」という図式をさらに具体的に示したのがA610です。一見するとV6のマイナーチェンジ版のようにも感じられますが、スペースフレームの採用や3リッターのV6ターボの搭載、サスペンョンセッティングやタイヤサイズなど変更は多岐に渡ります。これらのセッティングによりハンドリングはニュートラルに、冷却性能は向上して高い信頼性が確保されました。スタイリングの大きな特徴であるリトラクタブルヘッドライトは、V6で考えられていた北米輸出向けの造形を取り入れたものです。1991年より生産が開始されましたが、1995年には終了。アルピーヌの名は一旦途絶えることになります。

 21世紀によみがえったアルピーヌ、A110

ケータハムとの提携解消後、アルピーヌブランドはルノーの手により復活することが宣言されました。2015年にはコンセプトカー「セレブレーション」がル・マン24時間レースの前座イベントに登場、会場を大いに沸かせました。その翌年には「ヴィジョン」を発表し、アルピーヌの復活がいよいよ現実味を帯びてきます。そして2017年、スイス・ジュネーヴ。待望の市販モデルがステージに立ちました。その名は「A110」。かつてラリーで一世を風靡した名車の名前を継承したのです。スタイリングも先代A110の特徴的なデザインが受け継がれ、美点であった軽量ボディは新型ではアルミを採用することにより守られています。エンジンは、クリオ(日本名ルーテシア)R.S.に搭載されている1.6リッターターボを1.8リッターに拡大して搭載。0-100km/h加速は4.5秒と、ライバルであるポルシェ・ケイマンGT4と互角のタイムを記録するパフォーマンスがポイントです。この新型A110はアルピーヌブランドのクルマとしては初めて日本に正規輸入され、2018年の登場が予定されています。日本での価格はまだ発表されていませんが、欧州での価格は約5万7000ユーロ(約690万円)あたりになるだろうということです。注目は、スマートフォンで初期ロットの限定車「プルミエールエディション(1955台)」の予約ができる点。サイトから専用アプリにリンクされ、日本語でオーダーが可能になっています。ただ、現時点ではアプリが不安定な面があったり、限定車は2000ユーロのデポジットが必要であったりと色々と面倒な点がありますが、ぜひとも欲しいという方は公式サイトからアプリのダウンロードをしてみてはいかがでしょうか。

華麗なる復活を遂げた名ブランド

最高の舞台で最高の復活のかたちを遂げたアルピーヌ。フランスの小さなチューニング屋は大メーカーの目に留まり、やがて国を代表するスポーツカーブランドへとのし上がりました。軽量・高バランスを武器に大躍進を見せた、20世紀のアルピーヌ。果たして21世紀によみがえった、新型A110ではどんなパフォーマンスで我々を驚かせてくれるのか、非常に興味深いところです。

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