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相次ぐ高齢ドライバー問題、自治体などの取り組みは? 免許返納手続きについても紹介!

2017.01.25

連日のようにマスコミで報道される、高齢ドライバーによる事故。もはや看過できないレベルの社会問題になっています。果たして、高齢ドライバーの事故を防ぐ方法はあるのでしょうか。ここでは日本における免許制度の現状や今後の動きに触れ、政府や自治体が進める事故対策、また免許返納の手続き方法についても見ていきたいと思います。

「高齢ドライバー」って、何歳からを指す?

さてそもそも高齢者とは、年齢がいくつになった時からのことを指すのでしょうか。現行の高齢者医療制度などから考察すると、行政的には65歳以上を指すといわれています。ちなみに75歳以上は、後期高齢者と呼ばれることが多いです。こういった背景から警察などの機関では、高齢ドライバーとは65歳以上のドライバーと定義しています。

東京都を例に取ると、都内における交通事故の総件数は年々減少しており、平成27年は34,274件と10年前の半数以下となっています(警視庁『交通統計・交通事故発生状況』より)。ところが高齢ドライバーが関与する事故の割合は増加していて、平成27年は総件数の21.5%を占め、10年前の約1.9倍も増加しているのです。

免許制度はどうなっている?

それでは現行の免許制度はどうなっているのか、詳しく見ていくことにしましょう。

現在75歳以上の免許所持者は、3年に一度の免許更新の際に認知機能を調べる検査が義務付けられています。いくつかのイラストを見て記憶し、少し時間が経過してから思い出す記憶力の検査や、時計の絵を描くことによって位置関係を把握する検査などがここでは行われます。この検査結果に応じて2時間半ほどの講習を受け、実際にクルマを運転する講習を受けた上でようやく免許の更新は完了となります。

検査の結果は、認知機能が「低下している」「少し低下している」「心配ない」の3段階に分けられます。現行の制度では「低下している」と判断されたドライバーにも、過去に道路の逆走などの重大な違反がない限り、原則免許は更新されます。こういった現状が、高齢ドライバーの事故を根本から防げない原因になっているようです。

免許制度が大きく変わる!その内容は?

その免許制度ですが、今年の3月から大きく変わります。高齢ドライバー対策として、

  • (1)臨時認知機能検査、臨時高齢者講習の新設
  • (2)認知症のおそれがあると判断された場合、医師の診断書の提出が必要
  • (3)免許更新時の高齢者講習が、認知機能検査結果から区分される

これら3つの新たな取り組みが盛り込まれます。

(1)については、75歳以上の運転者において認知機能が低下した際に起こしやすいとされる一定の違反行為があった場合、臨時の認知機能検査を行うことになります。その検査結果が前回検査より悪化した場合には、臨時高齢者講習の受講を義務付けています。(2)では、臨時認知機能検査や免許更新時の認知機能検査で認知症のおそれがあると判断された場合、医師の診断書の提出が必要であると明記されています。(3)では、更新時の高齢化講習を75歳未満のドライバーについては合理化(3時間→2時間)し、75歳以上のドライバーは認知機能検査に基づいた高度化講習(3時間)と合理化講習(2時間)に区分するとしています。

地方自治体の取り組み例

このような事故が相次いでいるとはいえ「自分に限っては大丈夫」と考えがちで、簡単に免許を返納するといっても難しいのが現状ではないでしょうか。特に地方の高齢者にとって、クルマはまさに「自分の足」。交通の不便な場所では必要不可欠なものです。政府は昨年、今後5年間の交通安全に関する基本計画案の中に、いわゆる「自動ブレーキ」の普及を促進させるなどの対策を進めることを発表しています。地方自治体でも高齢ドライバーの事故対策として、現在様々な施策が行われているところです。例えば、富山県富山市では「高齢者運転免許自主返納支援事業」を2006年4月より導入。運転免許を自主返納した65歳以上の人を対象に、クルマに代わる公共交通機関1年分の乗車券(約2万円相当)を支給するようにしたところ、免許返納者が約13倍も増加したそうです。また福井県越前市では2007年10月より高齢ドライバーの免許自主返納者に対し、運転免許有効期限まで市民バスを無料で利用できる乗車券を交付するなどしています。このほかにもタクシーの割引チケットや商品券の支給、デパートやレストランの割引などを取り入れている自治体もあります。

免許を返納するには、どうすればいい?

それでは、免許を返納するには具体的にどうすればいいのでしょうか。まず自主返納は、有効期間が過ぎている免許証では受け付けてもらえません。そして代理人による手続きも不可ですので、注意が必要です。また免許の取り消しや停止処分になっている人、初心運転者講習の対象になっている人も該当しません。

返納手続きは、警察署や免許センターなどで行うことができます。その際は、運転免許証と印鑑(シャチハタ以外)を必ず持参しましょう。このほかに身分証明の代わりとなる「運転経歴証明書」が必要な場合は、別途手数料(1,000円程度)がかかります。この経歴書は、自主返納の手続きをした日から5年以内でないと申請できないので、返納と同時に行うのが望ましいでしょう。

免許を返納したら愛車も! 「クルマの終活」のススメ

人生の終わりを見据え、あらかじめ身の回りの整理や葬儀、お墓の準備をするいわゆる「終活」。これは何も人間だけに限った話ではありません。免許を返納すると、普通なら今まで乗っていたクルマが不要となるはずです。近年、中古車売買業界では自主返納する高齢者からの中古車の売買や処分などの相談が相次いでおり、「クルマの終活」と呼ばれているようです。

例えば、購入時の車検証から引っ越しなどの理由で変更手続きをしていなかった場合、所有者の死亡後の名義人の変更だけでなく、未納分の自動車税を相続人が支払わなければならないケースもあります。

こういった無用なトラブルを避ける意味でも、人間と同じくクルマにも整理が不可欠なのです。先に述べたように、相談件数の増加に伴い、中古車販売業者各社も高齢者を対象とした無料相談会などを開催しています。長年親しんできた愛車と別れるのは辛いかもしれません。しかし、免許を返納したら無料相談会などに積極的に参加して、クルマとも最期の別れを済ませてしまいましょう。

なお、自動車の処分方法や買い取りなどの手続きに関しては、以前こちらの記事で特集しましたので参考にしてください。

家族の気づきも必要。積極的なコミュニケーションを

認めたくはありませんが誰もが必ず年齢を重ねていきますし、認知や判断能力もそれに伴い低下します。クルマの技術的な進歩に期待したいところですが、法整備の関係などとセットで考えなければならないことですので、すぐには完全自動運転の時代は来ないでしょう。そのためには日ごろから運転に対する意識を高め、高齢ドライバーの事故を他人事とは思わないように考えを改める必要があります。ご家族がいらっしゃる場合は、一度免許について話してみるのもいいかもしれません。クルマが好きな方や、本当にクルマを必要としている方ほど返納をためらうかもしれませんが、事故があってからでは遅いですので、是非家族会議の議題として取り上げてみてはいかがでしょうか。

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文:イキクル編集部



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