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自動車の大事な心臓部!各メーカーがこだわるエンジン技術とその種類を一挙紹介

2017.03.27
自動車 エンジン

クルマの心臓部ともいわれる、エンジン。メーカーごとはもちろんのこと、クルマごとに特性が異なるエンジンが用意されています。それでは、このエンジンはどのようにして生まれたのでしょうか。ここではおもにガソリンエンジンやディーゼルエンジン、そしてロータリーエンジンを中心に、その歴史を振り返ってみましょう。各エンジンを代表するパワーユニットについても紹介していきます。

 蒸気に代わる、新しい動力源として誕生したガソリンエンジン

photo by GAZOO.com

1769年、フランスのニコラ=ジョゼフ・キュニョーの手により人類初の蒸気自動車が誕生しました。しかし、当時の蒸気自動車は重くて一次元的な動きしかできず、代わりになるような新しいモビリティが様々な技術者から考案されていきました。その中でも革新的だったのが、ドイツの発明家、ニコラウス・オットーが開発した4ストロークエンジンです。これは1860年にジャン=ジョゼフ・エティエンヌ・ルノアールが特許を取得したガスエンジンを進化させたもので、軽量・コンパクト・高効率な点が大きな特徴でした。オットーの功績を称え、4ストロークガソリンエンジンは「オットーサイクルエンジン」とも呼ばれています。

 目指したのは、世界最高のパフォーマンス。日産・VR38DETT

photo by 日産自動車株式会社

「マルチパフォーマンス・スーパーカー」を標榜する日産・GT-Rに搭載されるエンジンが、VR38DETTです。最高出力はデビュー時の2008年モデルで480PS、最新の2017年モデルでは570PSを誇ります。金型成型のアルミニウム鋳造によるクローズドデッキとし、低炭素鋼をプラズマ溶射コーティングしたシリンダーブロックが特徴となります。ターボチャージャーのタービンも専用品が採用されるなど、ほぼすべての部品がスペシャル品。組み立てはクリーンルームで熟練工が手組みで行っています。

 今も第一線で活躍する名エンジン、スバル・EJ20

photo by 富士重工業株式会社

軽量・低重心・コンパクトというメリットを享受できることから、いち早く水平対向エンジンの量産に乗り出した富士重工業。この水平対向エンジンの名機と呼ばれているのが、スバル・EJ20です。最初に搭載されたクルマは初代レガシィで、発売前に行われた10万キロ世界速度記録挑戦によって圧倒的なパワーと耐久性を広く世にアピールしました。その後はWRCや全日本GT選手権、スーパーGTなどでも大活躍。現在もWRX STIに搭載され、第一級のパフォーマンスを誇っています。

 さらに高効率を追求したミラーサイクルエンジン、マツダ・KJ-ZEM

一般的にガソリンエンジンは、圧縮比を上げるほど熱効率も向上します。しかし、圧縮比を上げ過ぎるとノッキングを起こしてしまい、最悪エンジンが破壊されてしまうというジレンマが。問題を解決するためには、膨張比はそのままに吸気の充填効率を低くし、圧縮比を下げる必要があります。この技術を実現したエンジンが、マツダ・KJ-ZEMです。世界初のミラーサイクルエンジン(ミラーは考案者のR.H.ミラーに由来)として、ユーノス・800に搭載されました。現代の低燃費エンジンの草分けとなった、画期的なエンジンです。

 V+V=W、フォルクスワーゲングループのW型エンジン

ガソリンエンジンの最高峰ともいえるエンジンが、フォルクスワーゲングループのW型エンジンです。狭角V型エンジンをさらにV型に搭載することで、コンパクトに仕上がるのが特徴とされています。代表的な搭載車種としてはフォルクスワーゲン・フェートンやアウディ・A8、ブガッティ・ヴェイロンなどがよく知られており、いずれもプレミアム性の非常に高いクルマです。なおヴェイロンの後継車といわれるシロンは、8リッターのW16気筒に4つのターボを組み合わせ、最高出力1,500PSを実現しています。

 ガソリンエンジンとほぼ同時期に産声を上げたディーゼルエンジン

ディーゼルエンジンは、ベンツによるガソリン自動車発明とほぼ同時期に誕生したといわれています。1893年、ルドルフ・ディーゼルが「既知の蒸気機関と内燃機関を置換する合理的熱機関の理論と構築」という論文を発表しました。この論文によりディーゼルエンジンの基礎が確立され、ディーゼルは特許を取得することになります。1897年にはミュンヘン工科大学で公式性能試験を行い、初めて動力を取り出すことに成功。自動車の開発にも意欲的に取り組みますが、夢半ばで不可解な死を遂げます。しかしその後も実験は続けられ、1922年にプジョーがパリ~ボルドーのテスト走行に成功。これが現代のディーゼル車のルーツとされています。

 史上最高のパフォーマンスを発揮したアウディ・R10 TDIのエンジン

耐久レースの世界に革命をもたらしたディーゼルエンジンが、アウディ・R10 TDIに搭載された5.5リッターV12エンジンです。それまでにもル・マン24時間レースにはディーゼルエンジンで参戦したチームはありましたが、日の目を見ることはありませんでした。ディーゼルエンジンの持つ低回転・高トルクという特性から、低い回転域で高い出力を得ることに成功。デビューイヤーとなった2006年のル・マンでは見事総合優勝を果たし、アウディブランドのマーケティング面でも大成功を収めたのです。

 ディーゼルを再び日本に広めた功労者、マツダ・スカイアクティブ-D

photo by マツダ株式会社

「ディーゼルは燃費がいいが、排気ガスが環境に悪影響を及ぼす」こういった既成概念を見事に打ち破ったのが、マツダ・スカイアクティブ-Dと呼ばれるディーゼルエンジン群です。従来では考えられなかった低圧縮比とすることにより均質な燃焼が実現し、NOxやススの発生を低減。これにより、コストのかかる後処理デバイスなしでも厳しい排出ガス規制をクリアしています。またディーゼルエンジンと相性のいいターボチャージャーにより、トルクの向上と燃費のさらなる改善も達成しているところがポイントです。

 「夢のエンジン」と呼ばれたロータリーエンジン

回転運動により力を取り出すという技術の研究がなされていたのは往復運動の機関よりも古く、16世紀までさかのぼります。1588年、ラメリーがロータリーピストン式の揚水ポンプを発明。その後ワットがロータリー式蒸気機関を考案しますが、完成させることはできませんでした。その後内燃機関の台頭により、これをエンジンに置き換える案が様々な形で考え出されます。しかし、実用化に至ることはありませんでした。実用化に一歩近づいたのが、ヴァンケルが提案したものです。1958年のことでした。彼が開発したKKM型こそが、現代のロータリーエンジンの基礎となったのです。このことから、ロータリーエンジンは「ヴァンケルエンジン」とも呼ばれています。

 世界初の量産ロータリーエンジン、マツダ・10A

photo by マツダ株式会社

敗戦後の東洋工業(現・マツダ)は3輪トラックメーカーとして一定の地位を築いていましたが、さらなるブランド力アップのため旧西ドイツのNSUが開発したロータリーエンジンの量産化に着手します。振動や耐久性など多くの課題がありましたが、それを次々に克服。そして生み出されたのが、10Aと呼ばれる量産車世界初の2ローターエンジンでした。発売後はニュルブルクリンクで行われた「マラソン・デ・ラ・ルート」に参戦し、総合4位を獲得。高い性能と信頼性を世界一過酷といわれるレースで証明したのです。

 もうひとつの実用ロータリー、シトロエン・GSビロトールのエンジン

マツダの量産ロータリーエンジン開発成功を見て、一時多くのメーカーがそれに追随する流れを見せます。フランスのシトロエンもそのひとつでした。GSは2CVとDシリーズの中間的車種として企画され、1970年に発売されました。そして1973年には、それまでアミ8をベースとしたシングルローター車での実験結果を踏まえたGSベースの2ローター車「ビロトール」を市販しました。GSの泣き所であったアンダーパワーは克服されましたが、エンジンの耐久性の面で不安が残り、847台を生産するにとどまりました。

 これから主役になるエンジンは?

最後に、これからもしかしたらエンジン界の主役に躍り出るかもしれないエンジンをご紹介しましょう。その名も「ピナクルエンジン」です。1気筒に対してシリンダーを2個対向して備え、燃焼室を共有する方式となっています。2007年にアメリカで設立されたピナクルエンジンズが開発しているもので、航空機用に開発されたユモエンジンを4ストローク化したものと表現できます。膨張率の高いエンジンが作れることから期待されていますが、吸排気機構のレイアウトなどの問題が残っており、実用化はもうしばらく先になりそうです。

BEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)などの研究・実用化も進んでいますが、時代の主役はまだまだエンジンで動くクルマたち。低燃費・高効率が叫ばれる現代のクルマ社会において、次はどんなエンジンが出てくるのか大変興味深いところですね。

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