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ドラフト指名、契約、入団会見・・・4位指名の僕しか知らないドラマ【高森勇旗】

2015.12.18

シリーズ月刊高森は、元横浜ベイスターズの高森勇旗氏がここでしか読めないエピソードについて語る企画です。第6回の今回は、自身も経験した戦力外通告について、当時の心境やトライアウトに至るまでを語っていただきます。

第1回
「プロ野球選手っぽくある」ことも意外と大変。元ベイスターズ高森 勇旗が語る野球×車 秘話
第2回
「買う・乗る・語る」だけが車じゃない。高森勇旗だけが知っている助手席のエピソード
第3回
「一般人は決してプロ野球選手と焼肉に行ってはいけない」元首位打者 鈴木尚典と一晩で7500kcal食べた話
第4回
【投手野手別】こんな選手はプロでも通用する。数字や見た目にだまされない甲子園球児の伸びしろの見つけ方
第5回
野球選手ケガ多すぎw元プロ選手高森「原因は◯◯だ!」
第6回
ドラフト指名、契約、入団会見・・・4位指名の僕しか知らないドラマ【高森勇旗】

12月です。野球ファンの方々にとってはいろんな意味で寒い季節でしょう。そういう時は、この野球ネタでも見ながら少し温まることをオススメします。

さて、気がついた方もいらっしゃると思いますが、この記事の書き出しは完全に野球ですね。野球とクルマというコンセプトはどこへ行ったのか。でも、仕方がありませんね。なぜなら、僕があまりクルマのこと詳しくないからです。(好きですけど)

さて、話が長くならないうちに、
前回の続きといきましょう。今回は、ドラフト指名を受けてからキャンプインまでの動向を詳しくお伝えしていきましょう。

ドラフト指名を受けてからすること

最初のイベント「指名挨拶」

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球団のスカウト部長と担当スカウトが学校にやってきます。ドラフト1位の選手などは、ドラフト会議翌日に挨拶に来るのがお決まりですが、僕は4位ですのでちょっと時間が空きます。

スカウトと言っても、ほとんどが元プロ野球選手ですので、尋常じゃなく体が大きいのです。目の前に立ったスカウトの方を見て、「あっ、俺もっとトレーニングしなきゃ」と本気で思います。

そして、実際にドラフトで指名した時に記入した紙を記念にもらいます。ここで説明されるのは、「指名をさせていただきましたが、入団する意思はありますか?」ということと、なぜあなたを指名したか、どんなことを期待しているか、仮契約から入団会見までの日付と詳細、などを伝えられます。

スカウト側からすると何度もやっている作業ですが、こちらは一生に一回の、しかもありえないような非現実です。緊張するというか、意味がよくわかりませんでした(笑)。

仮契約は「高級ホテルのスイートルーム」で

hand holding a pen to sign approval about to sign a letter

続いては仮契約。これは名古屋の高級ホテルのスイートルームで行われます。まず、高級ホテルに入ったこともなければ、スイートルームなんて、今後使う日は来るのか?という空間です。ここは両親同席なのですが、1つ不安だったことがあります。

「さて、うちの親はフォーマルな服装など持っているのだろうか?」

特に母親には、何度も何度も、「あのさ、ちゃんとした、スーツのスカート的なやつ、持ってる?ていうか、伝わってる?」と、電話したのを今でも覚えています。(ちなみに、母親からは「バカにしないでくれる?」的なことを言われた覚えあり)

ホテルの部屋なのに、ベッド以外のものがたくさん置いてある。というのが率直な感想。リビングがあって、テレビが何台もあって、キッチンがあって、という異空間でサインをしました。

Modern living room interior

確か、ここで契約金を記載した書類にサインしたと思うのですが、ここでサインしたかどうかは覚えていないんですよね。ただ、契約金を記した書類には無数の0が並んでいて、高校時代月1万円で生活していた僕にとっては現実のものと思えなかったことは、よく覚えています。

過酷な身体能力検査

仮契約が終わると、身体能力検査です。

横浜市内にあるスポーツ科学センター的な場所にて、様々な検査が行われます。握力、跳躍力、脚力、敏捷性、持久力、反応速度などを測定するのですが、中でも持久力の測定は罰ゲームとしか思えないような過酷な検査。

ランニングマシンの上を何種類かのペースで走るのですが、一回走るごとに耳たぶから血を抜きます。血中に含まれる乳酸の値をチェックし、ある一定の数値を超えたら検査終了。

group of women and men running on treadmill in gym or fitness club

どのスピードまで体が耐えられるかというのを図るのですが、これがもうムチャクチャしんどい!「早く数値を超えてくれ」という願望と、「いや、この程度で超えたら評価低くなるんじゃないか」という矛盾した気持ちが見事に絡み合いながら、ランニングマシンの上をひたすら走る。あれは今思い出しても口の中が鉄の味になります。

ちなみに、僕はこの体力測定のほとんどでD判定。同期入団の同級生で、現在は横浜DeNAベイスターズの中心選手になった梶谷選手は、ほぼすべての値がAA。やはり、身体能力は大事です。

ついに緊張の「入団会見」

そして、日を改めてやってくるのが入団会見です。

Press and Media Conference

前日に横浜のホテルに入って、ユニフォームの採寸や大量のサイン色紙などにサインし、そして挨拶回り。そして、翌日の入団会見のスケジュールと、衝撃の宿題を言い渡されます。

「明日、入場の時に演台の真ん中で一回止まって、スポット当てるから、その時に、”なんか”やってね。あと、”ハマの〇〇”も、考えておいて。よろしく」

僕の人生で3本の指に入るムチャ振りです。
3本中2本です。

苦し紛れに考えたのは、名前が同じ(ユウキ)でその年の甲子園でスーパースターになったハンカチ王子のモノマネ。母親にお願いし、横浜高島屋にて青いハンカチを買ってきてもらいました。「ハマの〇〇」は、残念ながら何を言ったか覚えていません。しかしあれは、何を言ってもスベる気しかしません。

この「ハマの〇〇」は、ベイスターズの入団会見の定番なのですが、これ、やめた方が良くないですか?(笑)新人選手がかわいそうです。(ただ、この記事を見てしまった人は、今後の「ハマの〇〇」が気になって仕方がないでしょう)

入団会見での質問にウケを狙って答えていたら、翌日の「朝ズバ」でみのさんに全国放送で怒られた・・・という失態は第1回「プロ野球選手っぽくある」ことも意外と大変。」に書いた通り。ドラフト最下位なのに、ドラフト1位より目立ってしまうという、やってはいけない会見をしてしまい、会見後に記者が一番多く集まるという事態を招いてしまいました。

おっと、また今回も途中で終わってしまいそうです。

入団するまでのエピソードがこんなにあったなんて、この原稿を書かなければ思い出していませんでした。

さて、来年もこの月刊高森が残っているのなら、この続きが1月号で読めるかもしれません!

それではみなさま、よいお年を!

 

高森勇旗プロフィール画像
高森 勇旗
1988年5月18日生まれ。2006年横浜ベイスターズに入団。背番号は62(2007-2012)。2013年から社会人野球のエスプライド鉄腕に加入。現在はスポーツライターとしても活躍中。『イキなクルマで』では月刊高森企画として元プロ野球選手だから語れる「プロ野球選手×車」についてなどの様々なエピソードを連載していく。

 

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