What’s New本日の注目記事、気になる情報を配信中!

新型シビック タイプRはサーキットの狼なのか? 最新情報からその真相に迫る

2017.04.10
シビック タイプR 新型
photo by 本田技研工業株式会社

 2017年ジュネーブモーターショーにおいて発表された新型シビック タイプR。一昨年に発売された前モデルでは、ニュルブルクリンクで繰り広げられるハイパワーFFマシンの戦いを勝ち抜くため、ついにターボエンジンを解禁。最高出力310psを発生させるモンスターFFマシンと化したタイプRでしたが、その評価は賛否が分かれるものでした。

そんな中でついに登場となった新型シビック タイプR、さらに攻撃的なスタイリングに身を包んだシビック タイプRの向かう先はどこなのか、見ていきましょう。

新型シビック タイプRはグランドツアラーもこなせる大人な車

photo by 本田技研工業株式会社

NAエンジン時代を知るものからすれば、シビック タイプRという車、いや、タイプRの名を持つ車と快適性やグランドツアラーといった単語は、水と油のように交わらないものであったはずです。ですが、現代のタイプRは快適性と早さの両方を追求することにしたようです。

先代モデルよりもさらにエンジン出力は高められ、もはやパワーは320馬力、エクステリアはWRX STIも顔負けのド派手なエアロパーツで身を包み、そこにかつての「羊の皮を被った狼」のような風格はありません。しかしながら、電子制御スロットルによる出力の調整により320馬力の大パワーは見事に調教、シフトダウン時のブリッピングを不要のものとするレブマッチシステムにより、その過激なエクステリアに反して日常での高い快適性、グランドツアラー性を高めることに成功したといわれています。

つまりはGTもこなせるド派手なGTスポーツへと舵を切ったのが新型シビックタイプRという車です。

先代の課題であったボディ剛性、アンダー傾向にもしっかり対応

先代シビック タイプR(photo by 本田技研工業株式会社)

先代モデルであるFK2型タイプRは、メガーヌRSにも対抗できる国産FFスポーツとして大きな注目を浴びました。しかし、フィット同じプラットフォームを採用したボディは剛性不足が叫ばれ、大パワーから来るアンダーなトルク特性は、FRスポーツ顔負けのハンドリング性能を誇ったNA時代のタイプRを知る人々から、辛口な評価を受けることになりました。

しかし、そうした声はホンダの開発陣にもしっかり届いていたようです。プラットフォームから刷新されたボディは高剛性化が図られ、ハンドリングに多大な影響を与えるリアサスペンションにはマルチリンク式を新たに採用。他にも前後重量配分の最適化が図られており、運動性能は前モデルからのレベルアップが期待できます。

電子制御スロットルもレブマッチシステムも速さには必要不可欠

photo by 本田技研工業株式会社

ブリッピングやヒール&トゥはサーキットやジムカーナ愛好家のたしなみですが、純粋に速さを追求するとなると、もはや必要ない技術であることは、残念ながら否定できない事実です。320馬力もの大パワーFFなんていう車は、電子制御によるスロットル開度の調整がなくては成立しないものであり、ニュルブルクリンクで幅を利かせるメガーヌRS、セアト レオンクプラ、ゴルフGTIといったハイパワーFFマシンと渡り合うには必要不可欠です。そして、そうしたハイパワーマシンに求められるのは、ピーキーな演出ではなく乗りやすさだと思われます。つまり、グランドツーリング的な味付けは必ずしもパフォーマンスを落とすようなものではなく、むしろパフォーマンスを十分に発揮するために必要なことだったと考えられるのです。

エクステリアデザインも性能のため

photo by 本田技研工業株式会社

かつての初代シビック タイプRはサーキットでの開発時、リアスポイラーを取り外しただけで大きく安定性が損なわれ、スピンを連発したという話があります。つまり、ホンダの純正エアロパーツはそれだけ考えて造られていたというエピソードです。大型グリルを備えたいかついフロントフェイスから、大型ディフューザーと大型リアスポイラー、ボルテックスジェネレーターにより武装されたリアに至るまで、新型シビック タイプRは大げさな程のエアロパーツですが、この全てのパーツに意味があるのなら、その空力効果は絶大でしょう。日常ではその恩恵を感じることは少ないと思われますが、サーキットなどに持ち込めば、必ず有利に働くことでしょう。20インチタイヤは少々やり過ぎかもしれません。

インテリアの質感も海外勢に肉薄!

photo by 本田技研工業株式会社

インテリアの質感は、シビック タイプR史上もっとも高められました。チタン削り出しのシフトノブやセミバケットシート、赤を基調としたデザインは従来通りですが、その質感は目に見えて向上しています。メガーヌRSなど海外のハイパフォーマンスカーはインテリアも個性を打ち出した上質なものが採用されており、シビックも良い影響を受けているようです。

また、ドライブモードではスロットルの開度に加え、アクティブダンパーの堅さの調整も行われます。コンフォート・ノーマル・スポーツ・そして+Rモードと4種類のモードが用意され、特に+Rモードの脚の硬さは相当なもの、サーキットを前提としたセッティングであり、往年のタイプRファンも期待できます。

販売価格は約400万円?

限定モデルではなくなる時期シビック タイプRですが、価格についてはまだアナウンスがありません。ただ、最大のライバルといるルノー メガーヌRS 273がメーカー希望小売価格399万円であることを考えると、400万円台で販売しないと優位制を確保できないのではないかと思われます。

熟成されたハイパワーFFスポーツ、NA時代の操る楽しさをもう一度

photo by 本田技研工業株式会社

先代のFK型での失敗を踏まえ、新型シビック タイプRは速さを目指すという点で、正常な進化を遂げていることが予想されます。正直、ここまでのハイパワースポーツになってしまうと、NA時代のコンパクトスポーツとはまったく違う種類の車であり、クラス的にはWRX STIとも渡り合うモデルになったといるでしょう。

もはやコンパクトスポーツからはほど遠いハイパワーセダンとなったシビック タイプRですが、それでも往年のファンからすれば、操る楽しさをしっかりと味あわせて欲しい、というのが本音です。メガーヌRSの持つ見事なスポーツ性に負けない、かつてのタイプRが持っていたスポーツ性、操る楽しさの復活に、期待したいところです。

【関連項目】

多くの人々の心に刻まれる名車ホンダ・シビックが復活。新時代を築くことはできるのか?

【試乗レポート】20代女性目線で見たS660とコペンはどちらが好感触だったのか?

ホンダ・ヴェゼルvsトヨタ・C-HR、流行のクロスオーバーSUV徹底比較!

(Visited 4,937 times, 2 visits today)