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”The top of Subaru.” 株式会社スバルの魅力をWRXから紐解く

2017.04.11
スバル WRX
photo by 株式会社SUBARU

2017年4月1日、富士重工業株式会社が社名を変更し、「株式会社SUBARU」として新たなスタートを切ったことは皆さんご存知かと思います。北米でも依然人気の高いスバルブランドですが、近年のスバルのイメージリーダーといえばやはりWRXではないでしょうか。今回はそんなWRXの歴史を紐解き、どんなところに魅力があるのか迫っていきます。スバリストのみならず、多くのクルマ好きを魅了するWRXとはいったいどんなクルマなのでしょうか。

WRX誕生前夜

1989年に登場、ワゴンブームの火付け役となった初代レガシィは、セールス面においても成功し、傾きかけていた富士重工の屋台骨を立て直すことに成功しました。さらに発売前に行った10万km世界速度記録挑戦でも輝かしい記録を収め、レガシィ誕生とともに設立されたSTi(スバルテクニカインターナショナル)は次なるチャレンジに乗り出します。それがWRC(世界ラリー選手権)への参戦でした。意気揚々と乗り込んだWRCの世界ですが、スバルは思うような活躍ができず苦汁をなめることになります。参戦車であるレガシィRSは、ドライバーたちに「ノーパワー、ノーエンジン」と評価される始末。こうしたことから、開発サイドはコンパクトで軽量、パワフルなマシンを渇望していました。

戦えるマシン、初代インプレッサWRX誕生

こうした経緯から1992年に誕生したクルマが、初代インプレッサWRXでした。開発に当たっては、スバルがWRCを戦う上でパートナーとして活動していたイギリスのファクトリーであるプロドライブ社の意見をかなり取り入れられたといわれています。ちなみにWRXという名称は、WRCとレオーネから受け継いだスポーツグレードの称号である「RX」を組み合わせたもの。文字どおり、スバル最高峰のハイパフォーマンスモデルとなったのです。

1993年、ニュージーランドラリーで初優勝を遂げたレガシィとスイッチする形で、インプレッサは1000湖ラリー(現、ラリーフィンランド)からWRCデビュー。いきなり2位を獲得するなど、順調な滑り出しを見せました。その後も快進撃を続け、1995年にはついに念願のシリーズダブルタイトル(ドライバーズ・マニュファクチャラーズ)を獲得。「最強のラリーカー」という名声を手にしました。

さて市販車はというと1994年にSTiバージョンが発売され、ノーマルのWRXからさらなるパワーアップを果たします。翌年からこのSTiバージョンはカタログモデルに昇格、代を重ねていくごとに熟成されていきました。またSTiによるコンプリートカーも多く発売され、特にWRC1997年シーズンを戦ったマシンのレプリカである「22B STiバージョン」は500万円というプライスながら限定400台が瞬く間に完売したといわれています。

この初代モデルはとてもコンパクトでありながら過激な特性であることから、今もなお中古車市場で人気の高いクルマです。

スバル混迷の時代を象徴する2代目WRX

8年という長きにわたって生産された初代WRX。2000年、その役目を終え、2代目WRXが誕生します。イージードライブを実現すべく、AT車が本格設定された(初代でも設定されていたが、販売期間は短かった)のが注目すべきトピックです。初期型ではターボ車の「WRX NB」と、NA車の「WRX NA」がラインナップされていました。そして、少し遅れて本命ともいえるWRX STiが登場。新開発の6速トランスミッションが搭載され、泣き所であったギアボックスが強化されました。

2002年、WRXは中期型へと進化します。評判の芳しくなかった丸目ライトから異形ヘッドライト(いわゆる「涙目」)へとスタイリングを変更、メカニズムにおいてもエキゾーストマニホールドを等長化するなど、かなり大掛かりなリファインが施されました。この後も中期型は細かい年次改良(マイナーチェンジ)が続けられ、戦闘力がアップしていくことになります。

2005年には、またデザイン面で大きな変化がありました。「スプレットウイングズグリル」と呼ばれるエクステリアデザインを採用(いわゆる「鷹目」)、鋭い目つきへと変化します。ちなみにこの年のモデルから「STI」の「I」が大文字へ変わりました。

クルマとしての完成度が大きく上がった2代目ですが、大きくなったボディと度々変わるデザインは、当時のスバルが混迷をきわめている象徴のように見えたことも確かです。WRCでの活躍も、初代ほどの盛り上がりを見せることはできませんでした。しかしユーザーの裾野を広げたという意味では、功績はとても大きなクルマといえます。

新たな挑戦を始めた3代目WRX

2007年、ベースとなるインプレッサのモデルチェンジに合わせて3代目となるWRXが登場しました。当初は先代とは異なり、5ドアハッチバックのみでスタート。翌年からのWRC参戦車両も、これに合わせ5ドアとなります。SI-DRIVEやマルチモードDCCD、マルチモードVDCなどの新機構を採用、さらに最高出力がアップして低中速域でのトルクも太くなったのが特徴です。2010年には、待望の4ドアモデルが登場。これを機に、名称がそれまでの「インプレッサWRX STI」から「WRX STI」へと改められました。

この代のWRXといえば一番に思い浮かべるのが、ニュルブルクリンク24時間レースへの挑戦ではないでしょうか。毎年開催されるこの過酷なハコのレースに、WRX STIは2008年から参戦。2011年にはクラス優勝、翌年もクラス優勝して連覇を成し遂げます。このレースの経験が活かされたSTI製コンプリートカー「S206」「tS TYPE RA」は今もなお高い人気を誇っており、WRXファンやスバリスト垂涎の存在となっています。

ロードゴーイングマシンとしての完成度を高めた4代目WRX

photo by 株式会社SUBARU

2013年3月のニューヨークショーで発表された「WRXコンセプト」を具現化するかたちで2014年に発売されたのが、現行型となる4代目WRXです。日本国内ではトップモデルである「WRX STI」とともに、ツアラーとしての性格を高めた「WRX S4」がラインナップされています。プラットフォームはレヴォーグと共通で、さらなる剛性アップが図られているのが特徴です。エンジンについては、STIは初代から受け継がれる伝統のEJ20型を、S4についてはレヴォーグと同じ新世代ボクサーであるFA20型が搭載されています。

モータースポーツにおいては、全日本ラリーや先代同様ニュルブルクリンク24時間レースなどで活躍。特にニュル24時間においては2015、2016年とクラス優勝を果たしています。

なぜこれほどWRXは人気なのか?

さて、それではなぜWRXはスバルのブランド力を牽引するほどまでの存在になったのでしょうか。それはやはり、走りの性能を愚直なまでに追求し「走りを極めれば、安全になる」というフィロソフィーがユーザーの間にしっかりと浸透したからでしょう。またWRCやスーパーGT(「全日本GT選手権」時代も含む)、ニュル24時間への参戦から得た技術をフィードバックしたからというのも正しい意見です。すべては、モータースポーツフィールドで喝采を浴びるため。この「分かりやすいメッセージ性」が、様々な層に受け入れられた要因といえます。次期WRXは、去年発売されたインプレッサから採用されたSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を使い開発が進むことが濃厚となっています。新世代のプラットフォームを用いたスバルの代表選手が、いったいどんな姿で我々の前に現れるのか、どんな走りを見せてくれるのか。まだもう少し先の話にはなるかもしれませんが、とても楽しみなところです。

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