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フォルクスワーゲン・ゴルフはなぜ世界中で人気なのか? その理由を分析してみた

2016.12.28

 

どこに行っても当たり前に見かける車、フォルクスワーゲン・ゴルフ。

日本に限らず、世界のあらゆる国で見かけますね。一言で言えば、大衆車とか実用車と言われる車です。平凡な車ですが、世界の各メーカーはゴルフを研究しているという話も聞こえてきます。この車、何故そんなにも受け入れられているのでしょうか。筆者の所有経験も踏まえて、その理由の一部でも垣間見えると、平凡な印象が、チョットだけ好印象に変わるかもしれません。

登場時はビートルの後を継ぐ大衆車だったゴルフ

 

近年のフォルクスワーゲン・ゴルフは250万円から550万円という、非常に幅広いラインナップを揃える車に成長しましたが、元を辿れば大衆車です。

初代モデルは1974年にデビューしました。フォルクスワーゲンには元々ビートルという世界的大衆車がありましたが、次世代の大衆車の必要性から開発されたのがゴルフです。

開発の初期はビートル同様にポルシェに依頼しましたが、独自開発する事となりました。

そうして1974年に登場したのが初代ゴルフです。スタイリングデザインは、後に数々の名車デザインを手がけたジョルジェット・ジウジアーロのもので、コンパクトでシンプル且つ室内/荷室空間を可能な限り広く取れる、ハッチバックスタイルです。

ボディサイズは、全長3,725 mm全幅1,610 mm全高1,410 mmと、日本の道路事情でも取り回しに優れるもので、エンジンは1,500ccSOHCから後期には1,800ccまでラインナップされました。1980年にはカブリオも登場し、実用モデルから遊び心を持たせたモデルまで、幅広いラインナップを誇る車に成長しました。実用車をベースとした単一車種で、こうしたバリエーション展開がされたという事からも、一般ユーザーに歓迎された車である事が伺えると思います。

 

また、ゴルフに搭載されるエンジンは基本性能としては飽くまでも実用車としての使いやすさを重視したものですが、堅牢で素性の良い作りのエンジン故に、チューニングによる性能アップの効果も高く、レースシーンでも活躍しました。

2代目へのモデルチェンジ

デビューから9年を経た1983年、ゴルフは2代目へとモデルチェンジを行いました(一部地域では1型は92年まで継続生産)。

初代で成功を収めたゴルフは、2代目に世代交代するにあたり、全長3,985 mm全幅1,665 mm全高1,415 mmと、一回り大きな車体に生まれ変わりました。スタイリングはキープコンセプトでありながらもカジュアル感を持たせた印象で、素朴な車からあか抜けた存在になったと言えます。この2代目モデルは、ジェッタ、コラード、シロッコなど、多くの派生モデルを生むベース車となりました。

イメージ転換の3代目

1991年、ゴルフは3代目へと進化を果たします。全長4,020 mm全幅1,695 mm全高1,420 mmと、更に一回り大きなボディサイズとなり、これまで続いてきた丸目ヘッドライトから異形ヘッドライトへと顔つきが変化しました。そして、ゴルフの素晴らしい点は、何の変哲もないサスペンション形式でありながら、実に素晴らしいハンドリング性能を持っている車です。

一口に表せば、3代目ゴルフは実用車からクラスアップしたと言えるかもしれません。筆者はこのモデルを所有していたことがありますが、実用性能はそのままに、所有する上での満足感という付加価値も持っていたと感じます。

また、ゴルフの素晴らしい点は、FF車の世界基準を引き上げたと言われる程のシャシー性能の高さにあります。筆者が所有していた3型ゴルフは、GLIというベースグレードに近いものでしたが、荒れた路面にもバタつく事のない剛性の高いシャシーとサスペンション、スプリングレートとダンピングレートのマッチングの良さからくるしなやかな乗り心地、タイヤの状況が手に取るように伝わるステアリング、限界が高く、限界域でも穏やかな挙動のコーナリング性能、平凡なスペックでありながら、トルクフルで使い勝手の良いエンジンなど、驚くほどレベルの高い車でした。

高級路線に進んだ4代目

1997年、ゴルフは4代目へとモデルチェンジを図り、一気に高級イメージを訴求することとなりました。

日本のTVCMでも、ボディパネルの隙間が非常に少ないことを直接的に訴え、高精度・高剛性・上質というイメージを明確に打ち出しました。

事実、質感は3代目よりも更に向上し、もはや単なる実用車ではなくなりました。

初代モデルでは1,500ccから1,800ccエンジンというラインナップでしたが、4代目では1,600ccから3,200ccまでというラインナップになりました。

エコとの両立を図った5代目

2003年に登場した5代目ゴルフは、世界的なエコカーへの流れの中、フォルクスワーゲンの基幹モデルのゴルフは、後期モデルから1,400ccガソリンエンジンをベースに、スーパーチャージャーとターボチャージャーを搭載し、DSGという、マニュアルトランスミッションを自動変速するものを搭載しました。

これにより、実用車としてのゴルフの性能の高さを改めて世界に印象付けることになりました。

また、このモデルからリアサスペンション形式を4リンク式へと変更し、更なる走行性能の向上が図られました。

エコ性能の追求に進んだ6代目

2008年、ここまでのエコ性能の好評価もあり、更なる進化を遂げて6代目が登場します。このモデルでは、1,200ccターボエンジンから1,400ccターボ、1,400ccスーパーチャージャー+ターボというエンジン構成になり、エコ性能を徹底的に追求することで、実用車としての原点を想起させる車になりました。

しかし、走行性能を犠牲にする事は無く、従来から受け継がれてきた高度なシャシー性能も進化を遂げています。

現行型の7代目

2012年、現行型である7代目ゴルフが登場しました。

搭載エンジンもエコ性能を更に追求し、1,400ccターボモデルでは、気筒休止システムを搭載したものもあり、低負荷状態では4気筒のうち2気筒を休止させることで、低燃費性能を向上させる技術を採用しています。従来から気筒休止システムという技術はありましたし、それを搭載した車も少なからず存在します。しかし、従来は出力に余裕がある大排気量エンジンに搭載されるものでした。このエンジンの凄いところは、1,400ccという小排気量エンジンにも関わらず、その半分を休止させてしまうということにあります。これは、ダウンサイジングターボの効果をしっかりと活かすことができているからこそ可能になった技術と言えるでしょう。

世界を牽引するゴルフ

2016年、フォルクスワーゲンが公表していた燃費性能に問題があることが明るみに出ました。

これは非常に残念なニュースであり、決して許されることではありません。その責任については、今後フォルクスワーゲンにしっかりと果たして貰わなければならない事です。

しかし、公表燃費の問題を除いた部分でのゴルフという車の良さは、全世界で認められている事実でもあります。

初代デビューからの長い年月の間に、衝突安全基準の問題からボディは大柄になり、単なる実用車から1段階から2段階ほど上方にシフトしましたが、根底にあるのはやはり、実用性が高く、世界中で受け入れられる車というコンセプトです。

不特定多数のユーザーが、あらゆる状況で安全に安心して乗ることができ、経済的である事。どのメーカーでもこうした車を作ろうとしていますが、問題は、どれだけ高度なレベルで作れるかという事です。ゴルフは今でもそのベンチマークとして存在し続けていると言われます。フォルクスワーゲンが、更に進化したゴルフをリリースする事、そしてライバル各社がゴルフを超える車をリリースし、新たなベンチマークとして登場してくれることを願いたいですね。

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