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「プロ野球選手っぽくある」ことも意外と大変。元ベイスターズ高森 勇旗が語る野球×車 秘話

2015.05.27

 「これで、あこがれのメルセデスベンツに一歩近づきました」

とは、僕が横浜ベイスターズ(現DeNA)の入団会見で放った一言です。

 「初めてユニフォームに袖を通した感想は?」

と聞かれ、マイクが回ってくる順番が最後だったため、何かオチを作らないと、と当時18歳だった僕はなんとか目立とうと必死だったのを覚えています。

 会場が割とウケたことに気を良くし、「10年後はどんな選手になっていますか?」という質問に対し、それぞれ、「タイトルを取っている」「WBCに出場している」などの回答の中、僕は

 「メルセデスベンツの雑誌の表紙ですね」

と、かなり調子に乗っていました。

この一連の流れが次の日のニュースに取り上げられて、あのみのもんたさんから、

「横浜の球団なんだから、NISSANの宣伝しなきゃだめだろう。球団の広報はちゃんと教育ができてないじゃないか」

と毒づかれました。

そして球団の広報の方からお叱りを受けるという。調子に乗りすぎましたね。

 完全に話が逸れましたが、「プロ野球選手と車」という、「夏とTUBE」くらい検索ワードに引っかかりそうなトピックを、様々なエピソードを交えてゆる〜くご紹介していこうと思います。

プロ野球選手の車の「選び」方

ベイスターズの駐車場写真は横浜ベイスターズの選手たちの駐車場。ベンツなどの高級車が並んでいる。

 まず、プロ野球選手になると、必ずどの車に乗りたいかという話題になります。

 ほとんどの選手は、高級車でも一括で買えるほどの契約金をもらっていますから、「買う」というよりは、「選ぶ」に近いですね。とはいえ、ほとんどの選手が22歳以下。まだ何も知りません。球場の選手駐車場は、高級中古車のお店並みに豪華です。右を見ても左を見ても、高級車。若くしてプロ野球選手になった選手たちは、「車とは、これのことをいう」と、認識します。

 必然的に、選択の対象になるのは、メルセデス、BMW、アウディ、レクサス、この辺りに集中します。そして、先輩と仲の良いディーラーを紹介してもらい、カタログを見せてもらうのですが、それはもう、「そういう」カタログを見せられるわけですね。そして、若い選手はその選択肢の中から、「そういう」車を購入することになるのですね。

プロ野球選手流の「車の買い方」

 ただ、車を買うときに先輩から主に2つのことを教育されます。

1つ目の教え「デカくて丈夫なやつを買え」

 まず1つめが、「デカくて丈夫なやつを買え」です。

野球選手は体が資本です。身一つで稼いでいますから、万が一事故にあったときでもダメージを最小限に抑えられるよう、デカくて強い車を買うように教育を受けます。(それは多くの場合メルセデス。しかし、たまにメルセデスを買うための理由に使っている選手も見受けられる)

2つ目の教え「年俸より高い車を買うな」

 2つめが、「年俸より高い車を買うな」です。

これ、一昔前は特に厳しかったようですね。まぁ、当然といえば当然ですよね。どの世界においても、「どの身分でその車に乗ってるんだ?」という話にはなりますから、それと同じです。

 しかし、そんなことを一切気にしない、「俺は俺の乗りたい車に乗る」と、完全に我が道を行く選手ほど、活躍する傾向がやけに高いのもの事実です。(そしてそういう選手は、後輩がどんな車に乗ろうが、全く興味を示さない傾向もやけに高い)

人気車種が球団によって違う理由

都市
Photo By DavideGorla

 球団によっても、購入する車の傾向は変わります。

例えば在京球団に在籍する選手は、大きい車よりも、小回りが利く車を好みます。理由はお気付きの通り、東京は道が狭く、また、家の立体駐車場にも入らないケースが多いからです。

 仙台、名古屋、広島、福岡に本拠地がある球団の選手は、大きい車に乗っている傾向が高いですね。道が比較的広い上に、実は、ほとんど車を運転する機会がないんですね。本拠地以外は全て遠征ですから、飛行機か新幹線を使います。自宅と球場の往復も、球団によってはタクシーを使うように指示されますから、車に乗る機会自体があまりないんです。

 一方在京球団は、1軍にいても2軍にいても、ホームもビジターもマイカー通勤です。乗る機会が多く、道も狭いとなると、乗り心地がよく、小回りが利く方がストレスを軽減できますね。

プロ野球選手にとっても車は憧れの的

ベンツ
Photo By Ray T

 プロ野球選手が、車を買うまで。という視点でご紹介しました。プロ野球という世界は、「車を買うお金をどうするか」という普通は乗り越えなければならない壁がほとんどない、特殊な世界です。また、「大衆車」と呼ばれる車が駐車場に止まっていない(と言っても過言でない)のも、特殊な世界ですね。

 とはいえ、プロ野球選手にとっても車は憧れです。「プロ野球選手になってベンツに乗る!」という言葉に違和感を特に感じないほど、「プロ野球」と「ベンツ」は割と近いところにあるのかもしれません。「ベンツ」とは、高級外車の象徴であり、必ずしも車種のことを指していません。それがBMWだろうが、ポルシェだろうが、ひとくくりで、高級外車です。

 「年俸より高い車を買うな」とは言うものの、どんな選手であれ、プロ野球選手は地元に帰ればスターです。それは、かっこいい車に乗って、エンジン音を轟かせて帰りたいというのも、分かってほしいんです。

 プロ野球選手も、「プロ野球選手っぽくある」ことに、意外と大変なんです。

高森勇旗プロフィール画像
高森 勇旗
1988年5月18日生まれ。2006年横浜ベイスターズに入団。背番号は62(2007-2012)。2013年から社会人野球のエスプライド鉄腕に加入。現在はスポーツライターとしても活躍中。『イキなクルマで』では月刊高森企画として元プロ野球選手だから語れる「プロ野球選手×車」についての様々なエピソードを連載していく。

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