日産・フェアレディZ誕生から50年の歴史を振り返る!S30からZ34までの代表モデル、432やニスモなどの限定モデルも徹底解説!【前編】

日産・フェアレディZ誕生から50年の歴史を振り返る!S30からZ34までの代表モデル、432やニスモなどの限定モデルも徹底解説!【前編】
     
   

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ダットサン・フェアレディの後継として登場した初代フェアレディZ(S30)

S30Zイメージ

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日産はダットサン・フェアレディSP310を米国で1962年に披露しました。SP310はセドリック用のSU2連キャブレターをつけた1500㏄エンジンを搭載しており、80馬力MAX155キロを実現します。

また、本機の営業案内では後部に補助席が付いた3人乗りで掲載されています。しかし幌が邪魔になり補助席の使用感が悪かったために、実際は補助席なしの2人乗りで販売されました。

米国を主たる市場としていたのに日本でS30Zが誕生したのは、ミスターKこと片山豊氏が責任者を務める米国日産-西が型式変更依頼をしたためです。

ミスターKこと片山豊氏が生み出したスポーツカー

米国日産-西が担当するエリアは、暄暖な気候と草レースが盛んである2つの特徴がありました。米国日産-東の担当するエリアのように極寒な気候では、欧州メーカーにつけいる隙がありません。

また、SP310は欧州車の本体価格と改造費よりも安いというメリットがありました。彼はこの2つの特徴から、フェアレディが米国日産-西でさらに拡販できる可能性が高いと考えていたのです。

しかし彼は、当時の日産の技術力不足から生じたたくさんの苦情に頭を悩ませていました。たくさんの苦情を占めていたのは幌に関する内容だったのです。幌に関する苦情の中でも特に突出していたのは耐久性と外観によりものでした。

日本よりも強い日差しに耐えられずに短期間で劣化してしまうのと、綺麗な曲線を描けない不恰好な外観が主な内容になります。

そこで彼は価格と改造費が欧州車よりも安い特徴はそのままにして、苦情の因子となる幌の改正をする型式変更を日本に依頼したのです。

S20エンジンを搭載したZ432

Z432には当時の日産が誇る無上のエンジンである160馬力MAX210キロのS20が搭載されています。S20エンジンはスカイラインGT-Rにも取り入れられていて、R380Ⅱ型のGTレースカー公式試験で7つの国際記録を達成しました。Z432は日産の顔となる車種でしたが、180万円を超える価格は一般庶民には手が届かない高級車でなかなか普及しません。

しかし1番等級の低い85万円のZと超豪華仕様である105万円のZLは、国内の売れ行きも好調で一般庶民でも手が届くスポーツカーとして多くの人々から評されました。

Gノーズにオーバーフェンダーで武装した240ZG

Z432のS20エンジンは十分な出力を保っていますが、机上の速力が実測で出ない問題が判明します。そしてさまざまな検証を行いたどり着いた結果は、空気の抵抗が速度に影響していることでした。検証結果をもとに車の外観の先と下、ヘッドライトに部品つけて、空気の抵抗を減らすことに成功します。

これらの部品は設計側から、NASAの人工衛星技術のブラント・ノーズ・コーンをヒントにしてブラントノーズと提案しましたが、わかりにくいという理由でG(グランド)ノーズとして営業案内に掲載されました。

S240Zは国内のみの販売となり、Gノーズとオーバーフェンダーが武装されています。

リアシートを備える2by2の追加

進化を続けるZは車輪設置幅を300mm大きくして2by2も試みます。これは、排ガス規制値に対応するための排気再循環装置の設置とともに行われた施策です。しかし、2by2で荷物を置ける場所が増えて利便性は高くなりましたが、米国で4人乗りとして販売するのは快適性がなく現実的ではありません。

2by2の快適性が低いのは、米国だけではなく日本でも同様のことがいえます。現在米国と日本の身長差は年々縮まっていますが、驚くことにZの設計がはじまった当初から座高の差はほとんどなかったそうです。このことから日本でも2by2は、4人乗りでは窮屈であったのが容易に想像できます。

西部警察のパトカーにも採用された2代目フェアレディZ(S130)

スーパーZイメージ

出典元:https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17189724

S130は、S30の構想をそのまま維持して持ち主からの声を反映して生まれたました。これまでの不満を解消して品質の向上も見られましたが、S30の好調な販売台数を上回らなければならない重圧は非常に厳しいものであったと想像できます。

そしてS130といえばド派手な西部警察の1シーンを思い出される方も多いでしょう。さまざまな特殊装備が施され、幼心にワクワクしながらドラマを見ていたのをつい昨日のことのように感じるのです。印象深いZの2代目となるS130を解説します。

アメリカで大ヒット、Tバールーフ仕様も登場

Tバールーフは、屋根の中央部分だけを残して英字のTのうように見えることから呼ばれるようになりました。天井が残っているので、車の強度を維持しながら開放感のある運転を楽しめるダットサン・フェアレディ以来のオープンカーです。天井と窓を取り外して、暄暖な西海岸を走ることに魅了されて米国で爆発的な支持を得ます。

この形状はZの3代目まで続くロングランヒット商品となり、米国のスポーツカー熱と遊び心を上手に捉え続けました。

ガルウィングに改造された西部警察のスーパーZ

ティアドロップのSGをかけて散弾銃を放ちまくる大門団長。彼が操るド派手な黄金色のスーパーZは、S130のTバールーフを跳ね上げ式の自動開閉ドアに改作した力作です。多彩な仕掛けも仕込まれていて、西部警察といえばZという方も多いのではないでしょうか。

この西部警察のシリーズでは、ZとRSの豪華共演も実現していてとてもおすすめできるシリーズです。西部警察を見てスーパーカーに憧れ始めた子供が続出しました。

これだけド派手なスーパーZであるのに、渡部氏は実はマニュアルが苦手でオートマ仕様というのに少しほっこりします。

ターボエンジン搭載の200ZT登場

S130の国内最終形は、みなが待ち望んでいたSOHCのL20ETターボエンジンを搭載して締めくくられます。米国ではL28ETターボエンジンを搭載したS130が同年に大人気となり、米国と日本の両国で有終の美を飾りました。

S130は、スーパーカーとしての高い能力があるのに背伸びをすれば手が届く価格です。S130ほど両国で愛された車は他の機種では見当たりません。S130というスーパーカーにワクワクと大きな期待感を持てて、新たな可能性を感じられた名車であると断言できます。

直6のL型エンジンからV6のVGエンジンを搭載した3代目フェアレディZ(Z31)

Z31イメージ

出典元:https://www.area-agnes.com/ja/car/c00003/

3代目のZ31では1983年に世に繰り出されたV6エンジンを搭載します。Z31の外観はこれまでのZの印象が残る面構えです。この面構えは、原動機の力強さを体感できて直進では抜群の性能を発揮します。

しかし、重量が車の先端にかかるために運転の快適性で考えるとあまり好ましくありません。現在のF1で走行している車の形状は全てミッドシップになっていて、現行のスポーツカーも先端に重量をかけない構造に変わっています。Z31がミッドシップであったら現在の評価よりもさらに高くなることでしょう。

セミリトラライト採用、後期は北米のNDIがデザインしたワイドフェンダーモデルに

Z31の内部の構造はV6エンジンが注目できる点で、外観はセミミトラライトが採用されていることでしょう。セミミトラライトで頭にセミと付くのは、灯りを消してしまい入れた状態でもライトの一部が見えるためです。

またZ31の後期では北米のNDIが外装のデザインを担当します。ワイドフェンダーはこれまで米国向けの車種にのみ採用されていました。このワイドフェンダーを国内向けでも装着するようになって、国内向けのZ31で3リッター独自の外装をようやく手に入れられたのです。

3リッターターボで国産トップクラスの大パワーモデル300ZX

300ZXは、VG30ETという強力なモンスターエンジンを搭載しています。VG30ETは3リッターターボエンジンの中でも、国内でトップクラスの出力を誇りました。VG30ETが載せられた欧州の規格では、なんとMAX250キロの速度を実現します。

また、300ZXは外装の変更により米国の電灯規格に適合しました。電灯規格に適合することによりダットサンとして輸出していた米国において、日産として初めて輸出できた記念すべき車種です。日産は世界において確固としたブランドとなった瞬間ともいえます。

北米でのみ発売された日産創立50周年記念のアニバーサリー

日産の50周年を飾ったアニバーサリーは、内装には電子計量器と本革を施しました。またアニバーサリーの外装は後部のオーバーフェンダーと独自のアルミをはかせています。アニバーサリーを片山豊氏が切り拓いた米国で販売するところに、日産の粋な計らいを感じるのです。この粋な計らいをしたアニバーサリーは、国内では販売されずに逆輸入でしか手に入れられないものでした。

NAのDOHCエンジンとゲトラグ5速MTを組み合わせた300ZR

300ZRはZ31でただ1つ自然吸気エンジンを載せた品番です。また、ゲトラグの5速変速装置を採用している通好みの1台といえます。自然吸気エンジンは長さが異なる軸で弁が切り替わる時間差をなくす優れものです。しかし、長さが異なる軸の構造のために原動機の形状が大きくなる欠点もあるのです。

300ZRに載せられた自然吸気エンジンはVG30DEと呼ばれます。初めて世に出たレパードにも採用されていて、ドラマ「あぶない刑事」を思い出す方も多いでしょう。

 

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