毎年着実にと新車販売台数を伸ばしている大手自動車メーカーといえばホンダ。
現在はホンダを代表するNシリーズの軽自動車が新車販売台数の上位を占めていますが、1970年代から年代ごとに様々な新車を販売してきました。
世界の自動車産業では電動化と自動運転、モビリティサービス化の3つの流れが主流になっている中、ホンダはどのように新車を販売してきたのでしょうか。
ホンダの新車販売台数ランキングの上位車両と年代別ヒットモデルについて解説します。
1970年代のホンダの新車販売台数ランキング上位車両は?
1970年代のホンダは大衆車と軽カーを中心に販売するメーカでした。
新車販売台数でランキング上位車両は、2ドアスタイルの初代シビックや70年代のホンダの名車と呼ばれるアコード、ユーモアな車のスタイルが特徴的な初代ホンダZの3車種です。
1970年代は外観のデザインを強く意識した車が多い傾向があります。
オイルショックで世界的にヒットした初代シビック
1970年代といえば、オイルショックの影響で原油価格が高騰した時代の中でも世界的に大ヒットしたのが初代シビックです。
初代シビックは2ドアタイプと3ドアモデルのハッチバックモデルを中心に販売された車であり、1973年にアメリカで制定された大気浄化法という世界一厳しい非ガス規制をクリアする車として日米で大ヒットを記録しました。
使いやすいと感じる室内空間や乗り降りのしやすさの2つが好評を呼び、1972年〜1974年にかけてモーターファン誌カー・オブ・ザ・イヤーとC科学技術庁長官賞の2つを受賞した車です。
1980年代のホンダの新車販売台数ランキング上位車両は?
1980年代頃はSUVやミニバンといった車種の車は少数派であり、中心はセダン車です。
バブル経済へ進んでいく中、ホンダの新車販売台数ランキングで上位車両となっていたのが、月間販売1.6万台以上を記録した初代ホンダ・シティとホンダ初となるカーオブザイヤーを受賞した3代目シビックの2車種になります。
ピーク時に月販1.6万台を記録した初代シティ
1974年10月にホンダの軽自動車として人気をキープし続けたライフが生産中止となり、一時期は売り上げが急降下していました。
世界的に車が売れない時代の中、ホンダの車としてエントリーし続けたのが初代ホンダ・シティです。
若者層をターゲットにした初代ホンダ・シティは1980年代を象徴するコンパクトカーであり、ピーク時には月間販売数1.6万代を記録する人気者種としてホンダを支えた車として新車販売台数ランキングでも上位車になります。
3代目シビックがホンダ初のカーオブザイヤー受賞
ホンダ初のカーオブザイヤーを受賞した3代目シビックは、シビックに乗車する方のスペースを最大限に広くするため、エンジンやサスペンションなどのメカニズムをコンパクトなサイズに抑えました。
その結果、3代目シビックが日本カーオブザイヤーを受賞したことで大衆の方がイメージするホンダのブランド力が上がり、トヨタと並ぶ人気自動車メーカーになったのです。
1990年代前半の新車販売台数ランキング上位車両は?
1990年代、ホンダはコンパクトサイズのシビックが大ヒットを記録しました。
他社の車でも三菱パジェロやトヨタのハイラックスなどの「クロカン四駆」が人気ブームの時代でもあります。
5代目EGシビックがカローラ/マークIIに次ぐ3位に
1990年代の新車販売台数の中でマークⅡに次ぐ第3位にランクインした車が、5代目EGシビックです。
1991年9月10日に販売開始された5代目シビックは、通称スポーツシビックとも呼ばれ、ブラジルのサンバを強く印象づけるようなイメージと丸みを帯びた外観が高い人気を誇る一台になります。
また、ホンダが新しく開発したVTEC-Eエンジンは10モード燃費20.5km/Lの低燃費を実現した車として新車販売台数を伸ばしたきっかけになりました。
1990年代後半の新車販売台数ランキング上位車両は?
1990年代後半になると、1990年代前半まで好調をキープしていたクロカン四輪ブームから新たにミニバンブームが到来した時代です。
ホンダの新車販売台数ランキングの中でも、初代オデッセイやステップワゴンといったミニバンが大ヒットして、ホンダ=ミニバンと多くの方にイメージを定着させました。
初代オデッセイが新車販売台数4位を記録
1990年後半には、昔から続くワンボックス型のミニバンではなく、乗用車のようなボディフォルムを備えた初代オデッセイが新車販売台数4位を記録しました。
オデッセイが上位にランクアップした理由には、4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションや4輪ディスクブレーキを新たに採用するなど高い居住性と走行性能の2つにあります。
ワンボックスタイプではないミニバンをコンセプトに製造された初代オデッセイは、1990年代後半のミニバンの中で、ベンチマークの地位を築いた車としても有名な一台です。
2000年代前半の新車販売台数ランキング上位車両は?
2000年に入ると、ミニバンとコンパクトカーブームが大きくなりました。
2000年代前半のホンダの中で新車販売台数ランキング上位車両になったのが、ホンダフイットです。
1990年代までは新車が発売されても販売台数ランキングが変動することはありませんでしたが、2000年代からは新しく発売されるミニバンやコンパクトカーが上位ランキングに入ってくる時代になっていきました。
初代フィットがカローラ越えの新車販売台数1位に
2000年代前半からホンダのコンパクトカーの中心車として大ヒットを記録し続けるホンダ・フィットは、33年間もの間、不動の新車販売台数第1位を記録し続けたカローラを抜き、新たたに新車販売台数第1位を獲得しました。
ホンダシビックやシティといった5ドアハッチバック型の基本構造を引き継いだコンパクトカーとして発売されたフィットは、ホンダの特許技術「センタータンクレイアウト」により燃料タンクを車体中央に配置することで斬新なレイアウトと無駄のないボディ構造を実現させています。低燃費で小回りのきくフィットは2000年代のホンダを代表する一台です。
2000年代後半の新車販売台数ランキング上位車両は?
2000年代後半に忘れてはいけないヒット商品が、プリウスを中心にしたハイブリットカーの誕生です。
自動車業界では、これまで大型セダンやミニバン、コンパクトカーが新車販売台数の上位を占めていましたが、低燃費性能が売りのハイブリットタイプの車が発売されたことで、年間販売台数のトップに君臨する新車車種へとランクアップ。
2000年代のホンダの新車販売台数ランキング上位車両は、安定した販売台数を記録するフィットやステップワゴンの2つです。
常に新車販売台数3~4位維持のフィット
ヴィッツやマーチといったコンパクトサイズのライバル車がいる中でも、フィットは新車販売台数第3〜4位を常にキープし続ける車種として高い人気を誇りました。
安定した新車飯場台数を記録する理由には、当時ではトップクラスの燃費性能である23.0km/Lの驚異的な数値やコンパクトサイズでありながらも室内空間の広いゆとりのあるスペースを確保できる2つのメリットが挙げられます。
2010年代前半の新車販売台数ランキング上位車両は?
2010年代前半になると、ハイブリットモデルの中心として君臨していたプリウスに代わり、コンパクトハイブリットモデルのヴィッツが人気車種になりました。
ホンダの新車販売台数ランキングでは、フリード、ヴェゼル、二代目フィットといったミニバンやSUV車も上位を占める人気車種になっています。世代に関係なくホンダの車が爆発的に売れていたのが、2010年代前半の特徴です。
初代N-BOXがフィットを上回るヒット
ホンダ初の量産型軽自動車N-BOXは新型車乗用車「Nシリーズ」の第一弾モデルとして大ヒットした車です。
N-BOXの人気は国内に留まらず世界的にも高い人気を誇る車として、フィットを上回る好調な新車販売台数を記録。
ホンダ史上初となる累計販売台数100万代を超える売り上げを達成した乗用車として、大人気モデルになっています。
二代目フィットが初代以来の上半期1位に
33年という長い期間の間、不動の新車販売台数第1位を記録していたトヨタ・カローラを抜き、見事第一位に躍り出たフィットは2007年に2代目フィットに生まれ変わりました。
二代目フィットからはボディサイズが初代モデルよりも一回り大きくなり、車のコンセプトを初代モデルから大幅に変更しています。
初代モデルから続く人気の高さを継続するかのように初代以来上半期1位を記録したコンパクトカーです。
2010年代後半の新車販売台数ランキング上位車両は?
2010年代後半からはシャープな走りとコンパクトなサイズ感を意識したSUVブームが到来しました。
ホンダの新車販売代数ランキングでもヴェゼルやCR-Vなどが上位車両としてランクインしています。
二代目N-BOXが新車販売台数1位を獲得
初代モデルから爆発的な売り上げを記録するN-BOXですが、2017年9月に2代目N-BOXとして販売して以降、新車販売台数20ヶ月連続一位を獲得しています。
初代モデルから受け継いだ広い室内空間や優れた燃費性能に加え、2代目N-BOXからはホンダの先進安全運転支援システム「ホンダセンシング」を標準装備したことがさらに人気を高めたきっかけになりました。
安全性能を高めたN-BOXは幅広い世代から好評のある一台です。