ホンダのSUV「CR-V」の進化に迫る!初代から最新型まで

     
   

1995年に登場したCR-Vですが、国内のみならず海外でもその使い勝手の良さから人気を博したミドルサイズSUVになります。

初代モデルが登場した当時のクロスオーバーSUVは、ラダーフレームの本格クロスカントリー4WD車をベースにしている車両がほとんどでした。

他社が居住性よりも走破性を重視したSUVを出している中、ホンダのCR-Vはフレームとボディが一体成型となるモノコックボディを採用することで広い室内空間を確保した革新的なクルマだったのです。

そこで今回は、現代のSUVの先駆けとなったホンダCR-Vの進化の歴史を見ていきましょう。

 

初代CR-V(RD1/RD2)は ホンダSUVの先駆けとなったモデル

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e5/Honda_CR-V_%28first_generation%29_%28front%29%2C_Kuala_Lumpur.jpg/1280px-Honda_CR-V_%28first_generation%29_%28front%29%2C_Kuala_Lumpur.jpg

EKシビックのプラットフォームがベース

初代CR-Vは、大衆車であるEKシビックのプラットフォームをベースにすることで、広い室内空間を手に入れた現代のSUVブームの先駆けとなった車両であり、クロスオーバーSUVのあり方を変えたといっても過言ではありません。

当時のSUVは、居住性よりもオフロードでの走破性を重視した本格クロカンベースが多く、一部の人々にしか受け入れられないものでした。

しかしCR-Vは、より普段使いや街中、舗装路での運転のしやすさを重視することで幅広い人に受け入れられることになりました。

 

マイナーチェンジでエンジン性能向上にFF車も追加

1998年のマイナーチェンジではエンジンを改良し出力を145psから150psに向上させるなど、走破性に関してもドライバビリティ向上のためVSA(横滑り防止)機能を追加しました。

また、より街乗りを重視したFF車を設定するなどしてSUVとして乗りご心地やスタイルを重視したモデルをラインナップに加えました。

 

2代目CR-V(RD4/RD5/RD7)初代モデルのコンセプト継承

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/59/2002_Honda_CR-V_%28RD7_MY02%29_Sport_wagon_%282015-07-09%29_01.jpg/1280px-2002_Honda_CR-V_%28RD7_MY02%29_Sport_wagon_%282015-07-09%29_01.jpg

先代のコンセプトはそのままにSUVとして正常進化

初代CR-Vのコンセプトが受け入れられたこともあり、2代目モデルも街乗りを重視したコンセプトが受け継がれました。インテリアは荷室の拡大やサイドブレーキをインパネと一体にするなどの工夫が施されており、SUVとしてのユーティリティ性能をブラッシュアップしたモデルになります。

また、エンジンにはK型エンジンが搭載されたことで、初代モデルに比べ重量は増したものの力強い走りを手にいれました。

 

マイナーチェンジでディスチャージ追加など商品性向上

マイナーチェンジ後のモデルには、ディスチャージヘッドライトやエンジン排気量を2.0リッターから2.4リッターへ拡大するなどして、さらに余裕のある走りとなっています。

 

また、走破性の面ではフルタイム4WDの搭載やスロットルバルブの操作を電子的制御によるDBWを搭載することでVSAとの協調制御を実現し、滑りやすい路面での安定性が格段にアップしました。

 

3代目CR-V(RE3/RE4)は路線変更してラグジュアリーに!

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e2/2007-2009_Honda_CR-V_%28RE_MY2007%29_Luxury_wagon_02.jpg/1280px-2007-2009_Honda_CR-V_%28RE_MY2007%29_Luxury_wagon_02.jpg

プラットフォームが一新され車格やデザインも別物に

3代目のCR-Vは、先代モデルのような四角いデザインから打って変わって、重厚感のある丸みを帯びたデザインになりました。

これは、欧米で高級車人気が高まったことにより、CR-Vにもラグジュアリー要素を取り入れる要請があったためです。

そのため、プラットフォームも2000年代前半から北米仕様のオデッセイやリッジラインと同じグローバルライトプラットフォームが採用され、先代モデルよりも車格がワンサイズ大きくなりました。

 

動力性能は2代目モデルをチューンナップして運動性能向上

エンジンは、マイナーチェンジ後の2代目と同じK24A型が搭載されていますが、チューンナップが施され170psとなっています。

また、4WD機構もデュアルポンプ式が採用されていますが、これも内部のクラッチ容量がアップされ駆動力の伝達とレスポンスが向上しています。

 

4代目CR-V(RM1/RM4)はアーバンSUVを意識したモデル?

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b8/HONDA_CR-V_RM4_01.jpg/1280px-HONDA_CR-V_RM4_01.jpg

先代モデルより軽量化され空力性能を考慮したボディ形状に

先代モデルの3代目CR-Vに比べると、フロントグリルからヘッドライトまで流れるようなデザインになったことでシャープな印象を持ちます。

また、見た目だけでなく、空気抵抗も考慮したデザインとなっており車格も3代目モデルよりも若干コンパクトになりましたが、室内空間は拡大されており全長で225mm、ラケッジスペース容量は65リッターとなっています。

3代目CR-Vの外観や室内と比べ、4代目CR-Vは普段使いを重視したモデルに生まれ変わったとモデルと言えます。

 

FF車には2.0Lエンジンを搭載して燃費性能を大幅に向上

4代目CR-Vは、3代目と同じプラットフォームが使われていますが、エンジンや駆動系に関しては異なるものとなっており、FFモデルには燃費性能を重視たR20A型エンジンにトルクコンバーターつきCVTが採用され燃費性能を大幅に向上させています。

また、4WDには4代目CR-Vと同じくK24A型エンジンが搭載されていますが、圧縮比を向上させ4代目に搭載されたものより20ps出力が向上しています。

4WDシステムに関しては、新開発のREAL TIME AWDが採用され後輪が空転した際に素早く緻密なトルク制御を可能になったことで、より走行安定性がアップしました。

 

5代目CR-V(RW1/RW2/RT5/RT6)は初のハイブリットモデルにホンダSENSING搭載など商品性が向上!

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/6b/Honda_CRV_Prototype_IMG_0206.jpg/1280px-Honda_CRV_Prototype_IMG_0206.jpg

プラットフォームに10代目シビックが採用され全てが一新された

5代目CR-Vは、3代目・4代目のように共通のプラットフォームでのモデルチェンジではなく、全く新しい10代目シビックと同じ新世代プラットフォームに刷新されました。

足回りの開発時にはアウトバーンや欧州のワインディングなどでテストが繰り返されており、高速安定性やコーナリングに磨きがかけられています。

また、足回りによる走行安定性だけでなく、安全面でもSENSING搭載などでドライバーの負担を軽減する機能が全モデルに搭載さており、街乗りだけでなく長距離移動も快適に。

そして、何と言ってもCR-V初のハイブリットモデルとガソリンエンジンに1.5リッターのターボモデルをラインナップしたことが注目すべき点だと言えます。

どちらのパワーユニットも5代目CR-V車体でも力強い走りと優れた燃費性能を実現しています。ハイブリッドシステムは、上位モデルのアコードハイブリッドに搭載されていて高い評価を得ている「i-MMD」が搭載されました。

ガソリンエンジンは、RP型ステップワゴンにも搭載されているL15B型DOHCターボエンジンが搭載されているので、ステップワゴンより車重の軽いCR-Vであれば動力性能的に十分であることが想像できます。

 

1.5Lターボモデルに歴代初7人乗り仕様を設定

ガソリン車のみの設定にはなりますが、シリーズ初となる3列シートの7人乗りモデルが用意されました。

ミドルサイズSUVの3列目シートはスペース的に補助的な用途に限定されてしまうので、敢えて設定することに疑問を感じた人もいるのではないでしょうか。

しかし、今回幅広いユーザーに選んでもらうためという意味もあるとは思いますが、一回り車格の大きなマツダの人気SUVである「CX-8」を競合車種として視野に入れたマーケット戦略の意味もあると思います。

歴代名車カテゴリの最新記事