「ミニ四駆」…それは世界最小の胸アツなモータースポーツ!

「ミニ四駆」…それは世界最小の胸アツなモータースポーツ!
     
   
photo by タミヤ公式オンラインストア

1980年代の第一次ブーム、1990年代の第二次ブームを経て、今再び注目されているホビーがミニ四駆です。現在の第三次ブームはこれまでと比べて年齢層が上がり、もはや子供向けのおもちゃではなくなってきています。

そこまで大人を熱くさせるミニ四駆とは、一体どんなものなのでしょうか?

そもそもミニ四駆とは?

ミニ四駆とは静岡市に本拠地を置く模型メーカー、タミヤが製造する電動の小型自動車模型のことを言います。その名の通り、この模型は単3乾電池2本をエネルギーソースとしてモーターを駆動し、そのパワーを四輪に伝えるものになっています。

2分の1という手のひらサイズのミニ四駆は、2012年には発売30周年を迎えました。これまでに約420以上の車種が発売され、販売台数も1億7,000台を超えています。

2度のブームを経て、現在へ

1980年代後半、小学館発行の月刊誌「コロコロコミック」に連載されていた漫画『ダッシュ!四駆郎』をきっかけに、小中学生の間でミニ四駆は爆発的なブームになります。

1988年には全国規模となるタミヤ公式レース「ジャパンカップ」も開催され、さらに人気はヒートアップ。現在も名車と語り継がれる「アバンテ」が誕生したのもこの頃です。これが第一次ブームとなります。

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photo by MIKI Yoshihito (CC BY 2.0)

その後、当時子供だった世代がミニ四駆から離れていき、ブームは一次沈静化します。しかし1994年、漫画『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の連載が始まるやいなや、ミニ四駆は再び注目され始めます。

この漫画ではミニ四駆に空力の概念を持ち出したのが斬新で、劇中で活躍するマシンたちは「フルカウルミニ四駆」として市販化されました。月に一度というハイペースで新車が発表されていたのも、この第二次ブームの特徴です。

そして時は流れ、2010年代。これらのブームを経験し大人になっていった世代たちが、現在の第三次ブームの牽引役となっています。

なんでいいトシした大人がハマるの?

……もしかしたら普通の大人になった方たちは、そう思うかもしれません。傍から見れば、子供のおもちゃでどうしてあんなに勝って喜んだり、負けて悔しがったりするんだろう?と不思議で仕方ないでしょう。

しかし、これは断言できます。ミニ四駆はおもちゃとは違います。純粋なホビーであり、モータースポーツなのです。そして勉強の場でもあるのです。

まず、ホビーであることに疑いの余地はないと思います。ではモータースポーツとは?ミニ四駆のレースはコースの上を走らせて、どちらが速いかを決めるという非常にシンプルなものです。しかし、勝つためにはただやみくもにマシンの性能を上げれば良いというものではありません。

Checkered Auto Race Flag against a Clear Blue Sky

いくらスピードが速くても、自らの意志でコーナリングやスピード調整が出来ないミニ四駆はコーナーやジャンピングスポットでコースアウトしてしまいます。そうなってしまえば、そこでレースは終了、リタイヤとなります。ここでセッティングの技術が必要となってきます。

そう、このアプローチは実際のモータースポーツと同じです。セッティングは高度な思考が要求され、パーツの選定や加工には専門の知識が不可欠です。こうなると数学や物理のレベルにまで話が及んでくるため、そういった勉強もある程度必要になってきます。

また、最近のミニ四駆のグレードアップパーツ(改造用の部品)は昔のような「子供だまし」的なものは見られず、実践的なものばかりです。こういった点が、大人を夢中にさせるのかもしれません。

でも難しそう……まずは「アケポン」で楽しもう!

「モータースポーツ」とか「実践的」とかいうワードを聞くと、どうしても敷居が高く感じられるかもしれません。でも大丈夫、最初はそんなに構える必要はありません。箱から開けて、パーツをポン付けしたいわゆる「アケポン」仕様でも最初は十分楽しめます。

まずは近所の模型屋さんや家電量販店などで、実際にミニ四駆を買ってみましょう。キットの値段は1,000円前後ですので、そんなに高くはありません。

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photo by TAKA@P.P.R.S(CC BY-SA 2.0)

ミニ四駆の性能は、シャーシと呼ばれるモーターやギア、電池を搭載する部分で決まると言われています。これは、シャーシがグレードアップパーツ装着の拡張性などに関わる大事な部品であるからです。

ビギナー向けと言われているのは「AR」「スーパーⅡ」「VS」「MS」「MA」と呼ばれるシャーシです。もちろん最初は「ボディがカッコいいから」という理由でキットを決めても構いません。愛着が湧くほうが、長く楽しめますからね。

そして、説明書通りに組んでみましょう。模型に慣れている方であれば1時間、そうでない方でも2時間もあれば組めると思います。

仲間が待ってるサーキットへ行ってみよう!

今度は実際に、組んだミニ四駆を走らせてみましょう。最近の模型屋さんには、常設でサーキットがあるお店もあります。タミヤのホームページにも店舗情報がありますので、一度チェックをおすすめします。

「ノーマルだと遅くて恥ずかしいよ」と思うかもしれませんが、誰だって最初は初心者。誰かが声をかけてくれ、優しくいろいろと教えてくれるかもしれません。ここは実際のクルマのサーキット走行と同じです。

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photo by h.naoki045(CC BY-SA 2.0)

まずは、ノーマルのマシンのスピードや挙動、コースの特性などをチェックしましょう。そうして現状の問題点を洗い出し、グレードアップパーツの選定を行います。

おすすめは「ファーストトライパーツセット」。レースへの参加に欠かせない、ローラー類やFRPステーなどが一通り入ったお得なパーツです。ここからステップアップして、モーターやギア、マスダンパーやブレーキなどのセッティングをしていけば、あなたも立派なミニ四レーサー。そして足しげくサーキットに通えば、仲間も増えていくでしょう。

SNS疲れしてませんか?ミニ四駆でスカッとしよう!

ネット上で気軽に友達と繋がるSNSなどは、確かに楽しいです。しかし、あまりの情報量の多さなどで疲れてしまうこともあるでしょう。そんな時こそ仲間とリアルに繋がることができ、悦びを分かち合うことが出来るミニ四駆を楽しんでみてはどうでしょうか。

「あの日」夢中だった人も、これから始める人も、今というこの時を世界最小のモータースポーツで全力で遊んでみませんか?

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