日本撤退は真実か?初心者でもクライスラーの凄さが分かる名車6台を紹介!

日本撤退は真実か?初心者でもクライスラーの凄さが分かる名車6台を紹介!
     
   

みなさんは、クライスラーという車をご存知ですか?

日本ではBMWやベンツなどの欧州車が有名なため、それらと比べると知名度は数段落ちてしまうかもしれません。しかし、名前はどこかで聞いたことがあるかも? といった方も多いのではないでしょうか。

先月末、日本経済新聞でクライスラー日本撤退!というニュースが報道されました。同社によると「FCAはクライスラー車の販売数激減を受け、早くて来年にも日本国内で同ブランドの販売を中止する方針を固めた」ということのようですが、FCA自体は、日本市場からクライスラーブランドを撤退させるという報道を否定しています。

果たして本当に撤退してしまうのかいまだに定かではありませんが、今回はこの機会にクライスラーってこれまでどんな車を扱ってきたのか振り返ってみたいと思います。

米BIG3の一角、クライスラーとは?

クライスラーの歴史は古く、1925年にアメリカのミシガン州でウォルター・クライスラーが設立したクライスラーコーポレーションからその歴史は始まります。

創業者のウォルターは、優れた鉄道技師をしていたましたが、ある日参加したモーターショーで車の魅力を知り、GMの技術者を経て45歳の時に創業しました。

一時期は、GM、フォードと並んでアメリカ自動車業界のビッグ3と読まれましたが、2000年に入ってからの金融危機のあおりを受け、2009年に倒産。現在はフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)として、イタリア・トリノに拠点をおくフィアットの傘下になっています。ちなみにクライスラーブランド以外ではジープ、フィアット、アルファロメオ、アバルトなどもFCAのブランドです。

クライスラーの歴代の名車を一挙紹介

クライスラーは、創業者が優れた技術者ということもあり、最新の技術を取り入れて生み出されました。その技術力は、創業当時、先を走っていたGMやフォードを凌いでいたと言われるほどです。

開発されて間もない油圧式ブレーキを最初に採用したのもクライスラーで、これにより車の安全性は飛躍的に向上しました。

ここでは、その卓越した技術力によって生み出されたクライスラーの名車を年代に沿ってご紹介します。

1924年:クライスラー・シックス

photo by FCA japan

このクライスラー・シックスがクライスラー社最初の1台です。この車から、クライスラーの歴史は始まりました。

実は当時、会社にはクライスラーのクルマを大量生産するだけの資金がありませんでした。しかし、彼はあきらめることなく、あるユニークな作戦によって、投資家を募ることを考えました。

それは1924年に開かれたニューヨーク自動車ショーの会場近くのホテルのロビーにクルマを展示したことです。これにより、ホテルに宿泊するジャーナリストや自動車ディーラー、投資家たちの注目を集め、資金を調達することに成功。クライスラーの最初の1台「クライスラー・シックス」が晴れて生産を開始します。

1934年:クライスラー・エアフロー

photo by Randy Stern

この年、今では一般的になっているエアロダイナミクスを世界ではじめて取り入れた「クライスラー・エアフロー」が初めて登場しました。

その流線型で未来的なフォルムは、今までの自動車の常識を遥かに超えており、デザイン性だけではなく、燃費の向上、最高速度の向上と性能面においても大きな進化を果たしました。まさに、自動車史上に残る1台です。

ただ、この車もあまりに先進的過ぎたのか一般の消費者には受け入れられず、ビジネスとしては失敗してしまいます。しかし、翌年「エアフローで培った技術を取り入れた「クライスラー・エアストリーム」を発表し、大成功を収めることになります。

1941年:ウィリス MB JEEP

photo by BrokenSphere(CC BY 3.0)

この年アメリカは、第二次世界大戦に突入し、クライスラーは政府に求められて軍用車両を生産していきます。この時に登場したウィリムMBこそが現在のJEEPの前身になっています。

1955年:クライスラー・300シリーズ

photo by Car Throttle

第二次大戦後、航空機エンジンの技術を転用し開発された「ファイヤーパワー」、通称「HEMI」を搭載した「クライスラー・300」が1955年に登場します。洗練されたフォルムと強烈なパワーを融合した「クライスラー・300」は、「美しき野獣」と呼ばれ、主要なレースでその名を轟かせ、最速記録を次々と塗り替えていきました。

1975年:クライスラー コルドバ

1973年、当時大排気量エンジンこそが優れたエンジン」という理念のもとに自動車開発を行っていたクライスラーをオイルショックが襲います。好調から一転、深刻な危機に見舞われたクライスラー社でしたが、クライスラー初のミドルサイズカー「クライスラー・コルドバ」を世に送り出しました。コルドバは時代にマッチしたサイズとスポーティなデザインが話題となり、すぐにベストセラーに。クライスラーの危機を救いました。

2004年:クライスラー300/300c

2004年まで発売されていた300Mの後継車として発売されたのがこのクライスラー300です。ライバル車と比べて、その圧倒的コストパフォーマンスから好調な売れ行きを記録し、クライスラー部門の業績回復に貢献しました。また、2005年にはアメリカの「カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。

現在は、2011年に大幅なデザインの変更を行い、2代目が発売されています。

まとめ

いかがだったでしょうか?クライスラーの魅力の一端でも伝わったでしょうか?時代に先駆けた車を作ってきたクライスラーも近年の業績不振から日本撤退の報道がされています。車好きとしては、惜しい限りです。今後の動向に注目したいですね。

【関連項目】

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