日産・スカイラインGT-Rの歴史を振り返る!ハコスカ・ケンメリからR32・33・34の各モデルのスペックの違い、限定モデルも徹底解説!

     
   

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S20エンジン搭載、第1世代のスカイラインGT-R

ハコスカGT-R(PGC10、KPGC10)

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  全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)

ホイールベース(mm)

駆動方式 最高出力 最大トルク
PGC10 4,395 1,610 1,385 2,640 FR 160PS 18.0kgf・m
KPGC10 4,330 1,665 1,370 2,570 FR 160PS 18.0kgf・m

初代の日産・スカイラインGT-R(PGC10)が発売されたのは1969年。日産自動車と合併したプリンス自動車工業のプリンス・スカイライン2000GT-Bがルーツです。4ドアセダンの2000GT-Bは当時、国内のツーリングカーレースで活躍する高性能車でした。

68年の東京モーターショーでは、スカイライン2000GT(GC10)のボディを使ったスカイラインGTレーシング仕様が展示されました。

これは、国産初のプロトタイプレーシングカー、プリンスR380(後の日産・R380)のエンジン(GR8型)を基に開発された直列6気筒DOHC、S20型を搭載したもの。GTレーシング仕様がほぼそのまま市販されたのが、初代スカイラインGT-Rでした。

箱形のようなフォルムから、ハコスカの愛称で親しまれた初代GT-Rは、まさに「羊の皮を被った狼」。70年にはホイールベース短縮でボディ剛性と旋回性能を高めた2ドアハードトップ(KPGC10)が追加され、日本グランプリレース大会などを席巻します。

マツダのロータリーエンジンという強力なライバルがいたにもかかわらず、初代スカイラインGT-Rは日産がレースのワークス活動を休止する72年までに、国内レースでクラス49連勝という大記録を樹立。GT-Rは、早くも伝説を築き上げたのです。

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2代目ケンメリGT-R(KPGC110)

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  全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) ホイールベース(mm)

駆動方式

最高出力

最大トルク

KPGC110 4,460 1,695 1,380 2,610 FR 160PS 18.0kgf・m

1973年に登場した2代目のスカイラインGT-R(KPGC110)「ケンとメリーのスカイライン」という広告キャンペーンからケンメリと呼ばれ、当時の若者らに人気でした。この2代目から、スカイラインのテールランプが丸形4灯へと変更されます。

前後のオーバーフェンダーやリアスポイラーなどを装着したスタイリングは、初代GT-Rと同様、サーキットでのポテンシャルの高さを想像させるもの。エンジンもS20型を搭載していました。しかし、これが悲運を招くことになったのです。

オイルショックの最中、S20型は1973年の排出ガス規制に適合できず、わずか3ヶ月、197台をもって生産中止の憂き目に。レース活動も全く行われませんでした。この2代目をもって、サーキットでの栄光を刻んだGT-Rの名は途絶えることになります。

RB26エンジン搭載、第2世代として復活を果たしたR32スカイラインGT-R

3代目スカイラインGT-R(BNR32)

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  全長(mm) 全幅(mm)

全高(mm)

ホイールベース(mm)

駆動方式

最高出力 最大トルク
BNR32 4,545 1,755 1,340 2,615 4WD 280PS 36.0kgf・m

2代目ケンメリGT-Rの生産終了から16年。1989年、8代目のスカイラインで輝かしいGT-Rのエンブレムが復活します。全日本ツーリングカー選手権への参戦を前提とした3代目スカイラインGT-R(BNR32)です。キャッチコピーは「人に翼を。」でした。

第2世代のGT-Rは最高出力280PSを発生する2.6リットルのツインターボ、RB26DETTエンジンを搭載し、高い走行性能を実現させる足回りのハイテク装備も満載。高い先進性は、第1世代のスカイラインとは異なる4WDを採用したことにも表れています。

アテーサETS4WDは、4つのタイヤが回転するスピードを感知することで、前後輪のトルク配分を変化させる仕組み。ストレートでは4WDのように力強く安定した駆動力を発揮しつつ、FRのように滑らかなコーナーリングも可能にしました。

さらに加わったのが、スーパーHICAS。日産が開発した電子制御四輪操舵機構です。挙動を安定させ、ドライバーの意に沿ったハンドリングの応答性を飛躍的に高めました。

ホモロゲーション用限定モデルのGT-RニスモやN1仕様の追加

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GT-Rニスモは、1990年の全日本ツーリングカー選手権、グループAマシンのホモロゲーションモデルです。第1戦のエントリーに照準を合わせ、限定500台を製造。メタルタービンや専用のエキゾーストマニホールドが装着されました。

さらに、オーディオやエアコンなどの快適装備を取り外して徹底的な軽量化を断行。その重量は、前期モデルの標準車の数値である1,430kgをも下回りました。

1991年登場のN1仕様は、N1耐久シリーズ向けに用意されたモデル。ABSの取り外しなどGT-Rニスモと同様の軽量化を施したのに加え、エンジンブロックの強化やブレーキローターの大型化などが図られました。

マイナーチェンジに合わせた1993年にはVスペック、1994年にはVスペックⅡが登場。フロントヘビーなGT-Rの弱点を補うため、前後輪のブレーキローターをそれぞれ大型化。ブレンボ製のベンチレーテッドディスクブレーキも装備していました。

第2世代として正常進化したR33スカイラインGT-R

4代目スカイラインGT-R(BCNR33)

出典元:https://motorz.jp

 

全長(mm)

全幅(mm) 全高(mm) ホイールベース(mm) 駆動方式 最高出力 最大トルク
BCNR33 4,670 1,780 1,360 2,720 4WD 280PS 37.5kgf・m

1995年に発売された4代目スカイラインGT-R(BCNR33)は、カスタムカーの祭典として知られる東京オートサロンで新車発表された異色のモデル。開発段階では、ドイツ北西部にあるサーキット、ニュルブルクリンクでのテスト走行に重点が置かれました。

ニュルのコースで、4代目GT-Rのプロトタイプは先代GT-Rの記録を大きく上回る好タイムをたたき出します。レースでの華々しい復活を遂げた先代ほどのインパクトはありませんでしたが、走行性能やボディ剛性などは歴代GT-Rの頂点を極めていました。

ボディサイズが大型化したこともあり、歴代GT-Rの中でもスポーティなイメージが薄いとされる4代目。しかし、発売当初から標準車以外にVスペックVスペックN1が設定されるなど、申し分のないパフォーマンスを誇っていました。

SUPER GTの前身となった全日本GT選手権はもちろん、有名なル・マン24時間レースにもエントリーするなど、サーキットでも3代目に引けを取らない活躍を見せていたのです。

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GT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリー

出典:https://motorz-garage.com

スカイライン生誕40周年を記念するモデルとして、1998年に正式発表。注文生産で市販されました。2ドアのボディに後席ドア2枚を加えた構造ですが、テールランプはもともとの4ドアモデルのパーツを使っています。

4ドアのGT-Rがラインナップされたのは、初代のPGC10以来のこと。大人のGT-Rとして注目を集めたのです。

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第2世代として最終モデルとなるR34スカイラインGT-R

5代目スカイラインGT-R(BNR34)

出典元:http://car-me.jp

  全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)

ホイールベース(mm)

駆動方式 最高出力 最大トルク
BNR34 4,600 1,785 1,360 2,665 4WD 280PS

40.0kgf・m

史上最強のスカイラインGT-Rとして名高い5代目のBNR34第2世代最後のスカイラインGT-Rとして、今なお高い人気です。ホイールベースと全長をダウンサイジングしてスポーティ感を強調しつつ、ボディ剛性を徹底的に高めました。

Vスペックのグレードでは、カーボンディフューザーや可変2段リアウイングスポイラーなどを組み合わせたアドバンスドエアロシステムを採用し、高速走行時はレーシングカーのように強力なダウンフォースを発生させました。

6速MTのトランスミッションはドイツのゲトラグとの共同開発。ブレーキはイタリアのブレンボ製と、究極のGT-Rにふさわしいエレメンツを備えていたのです。

生産終了記念モデルのVスペックⅡニュル、Mスペック ニュル

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2代目ケンメリGT-Rと同じ道をたどるかのように、R34スカイラインGT-Rも排出ガス規制の壁に突き当たり、2002年に生産を終了。最後の輝きといえるモデルが、VスペックⅡニュルMスペック ニュルでした。各500台計1000台が限定生産されました。

専用のN1仕様のエンジンやタービン300km/hスケールのスピードメーターなどを装備。車両価格610万円のVスペックⅡニュルをベースにヒーター付き本革シートなど乗り心地の良さと高級感を備えたMスペック ニュルは何と630万円。R34スカイラインGT-Rのシリーズで最も高額でしたが、どちらも予約開始日に即日完売しました。

各モデルのスカイラインGT-R中古車価格相場は?

米国で人気のR32

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第1世代のスカイラインGT-Rは古さゆえに希少性が高く、クルマの状態が良ければ1000万円をオーバーする個体も少なくありません。とりわけ、生産台数が極端に少なかった2代目ケンメリGT-Rは、もはや中古車市場で見つけることさえ困難です。

2002年の排出ガス規制で絶版となったスパルタンなスポーツカーの中でも、第2世代のスカイラインGT-Rの人気はトップ級。米国での新車販売がなかったR32は2015年、同国の通称「25年ルール」に基づき輸入が解禁されるや否や、価格が急騰しました。

大手中古車情報サイトによると、R32の中古車価格(2018年11月29日現在)は190万円~999万円。R33は199万円~698万円、R34は508万円~1890万円です。つまり、程度の良いものは新車価格を上回る状況が続いているということです。

まとめ

乗り継がれ、語り継がれるスカイラインGT-R

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2002年に途絶えたGT-Rの名は再び復活し、現在まで受け継がれていますが、やはりスカイラインGT-Rは特別な存在。日産を代表するスポーツカーであるとともに、日本の自動車文化をリードしてきたという歴史の重さが感じられます。

スカイラインGT-Rはこれからも世代を超えて乗り継がれ、その栄光の歴史も語り継がれていくのです。

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