ホンダのハイブリッドシステムの進化を辿る!初代インサイトから3モーターハイブリッドシステムのNSXまで!

     
   

近年では街中を走る車にハイブリッドカーを目にしない日はないくらい、当たり前となったハイブリットカーですが、あなたはハイブリットカーにいくつかの方式があることをご存知でしょうか?そこで今回はハイブリッドカーの方式とホンダが発売してきた歴代ハイブリッドカーをホンダのハイブリッドシステム別にご紹介していきます。

 

 

ハイブリッドカーの方式とは?

引用元:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/29/Toyota_THS2.JPG

ハイブリッドカーとは?

最近では当たり前となったハイブリットカーですが、あなたはハイブリットカーの定義をご存知でしょうか?ハイブリッドカーとは俗に言う「HV」と呼ばれるもので、Hybrid Vehicleの略称になります。ここで言うHybrid(ハイブリッド)とは二つ以上の動力を持つと言う意味でガソリンエンジンと電気モーターのことです。Vehicle(ビークル)は乗り物のことで自動車を意味します。また、ハイブリッドにも様々な方式があるので、そのことについては以下の内容でご紹介していきます。

関連記事:【車選びの基礎知識】エンジンの種類と違い、話題のハイブリッドカー・PHV・PHEVとは?燃費や走行経費、維持費を徹底比較!

パラレル方式ハイブリッドカー

パラレル方式とは並列を意味し、エンジンの動力に並列にハイブリッドモーターが接続されている方式になります。エンジンの動力の同軸上にあり一つのハイブリッドモーターでモーターと発電機の役割を担っているのもパラレル方式の特徴になります。ですので、完全にモーターのみ走行はできないため、エンジンのアシスト的なイメージをしていると思ってもらえれば結構です。ハイブリット方式の中では最も簡易的なもので、俗に言う「マイルドハイブリッド」と呼ばれているものになります。

 

シリーズ方式ハイブリッドカー

シリーズ方式は直列を意味し、エンジンは発電にのみ仕様するタイプになります。パラレル方式とは違い発電機が別にあるので、モーターは駆動と減速時の回生にのみ使われています。またエンジンを停止させて完全にモーターのみのEV走行が可能なのもシリーズ方式の特徴です。これにより、燃費性能を大幅に向上させることを可能にしました。

 

スプリット方式ハイブリッドカー

スプリット式とは分割を意味し、プラネタリーギアを用いた分割機構により、パラレル方式とシリーズ方式の両方の方式を実現したタイプになります。エンジンが有利な高速走行時にはエンジンの動力を主にハイブリットモーターでアシストし、発進時やクルーズ走行時など走行条件ではエンジンの動力を切り離しモーターのみのEV走行も可能です。トヨタ車のハイブリッドシステムに使われていることでも有名です。

 

ホンダIMAシステムを搭載したハイブリッドカー

引用元:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/1b/Honda_Insight_Back.JPG

初代インサイト(ZE1)

初代インサイトはホンダが1999年に販売していた二人乗りハッチバッククーペ型の車両になります。当時量産していたガソリンエンジン車として世界最高の35km/Lという燃費性能をマークしていました。2004年にはハイブリッドシステムIMAの燃費効率の向上と空力特性の改善を図るためにアンダーカバーを取り付けなどで最終的に燃費を36km/Lまで向上させました。

 

シビックハイブリッド(ES9/FD3)

 

初代シビックハイブリッドは2001年にシビックフェリオをベース車両にIMAシステムを搭載して販売されました。2003年にはマイナーチェンジによりヘッドライトやバンパーなどのエクステリアの変更に加えイモビライザーなどセキュリティー面も強化されました。2005年には2代目シビックハイブリッドが登場しました。エンジンとしては初代モデルと同様に1.3Lの4気筒ですが、3ステージi-VTECを搭載することによってモーターのみでの走行を可能にしています。

 

2代目インサイト/インサイトエクスクルーシブ(ZE2/3)

2006年に初代インサイトの販売終了から3年後の2009年に2代目インサイトが飯場されました。初代インサイトは2人乗り2ドアハッチバッククーペのボディ形状をしていましたが、2代目インサイトは5ドアの5人乗り、リアホールスカートもありません。ハッチバック形状とリアエクストラウィンドは共通ではありますが、大幅なボディ形状の変更となりました。ハイブリットシステムはIMAシステムにニッケル水素バッテリーを搭載したものになります。

2011年にはマイナーチェンジとして1.5リッターエンジンを搭載したインサイトエクスクルーシブが販売されました。ハイブリッドシステムとエンジンが改良され、燃費性能の向上と余裕のある走りを実現。

 

CR-Z

CR-Zは2010年に販売された4人乗りの3ドアハッチバッククーペモデルになります。

以前にホンダから販売されていたライトウェイトスポーツであるCR-Xを彷彿とされるボディ形状は、社名のCR-Zからもわかります。エンジンやハイブリッドシステムは2代目インサイトの1.5リッターモデルである、インサイトエクスクルーシブと同じIMAが搭載されました。

 

初代フィット/フィットシャトルハイブリッド(GP1/2/4)

 

初代フィットハイブリッドは、2代目フィット(GE6)をベースに2010年に販売された5人乗り5ドアハッチバックモデルになります。これもエンジンやハイブリッドシステム自体は2代目インサイトと同様の1.3リッターエンジンIMAが搭載されました。

フィットシャトルハイブリットは2011年に2代目フィットをベースに、リヤオーバーハングを延長することにより荷室空間を広げたモデルになります。エンジンやハイブリッドシステム自体は、フィットハイブリットと同様のものが搭載されています。

 

初代フリード/フリードスパイクハイブリッド(GP3)

初代フリードハイブリッド、スパイクハイブリッドは2008年に販売されたフリードをベースに2011年に販売されたモデルになります。動力システムには1.5リッターIMAハイブリッドシステムが搭載されました。

 

ホンダスポーツハイブリッドi-DCDを搭載したハイブリッドカー

 
引用元:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fa/Osaka_Motor_Show_2017_%2811%29_-_Honda_FIT_HYBRID_S%E3%83%BBHonda_SENSING_%28DAA-GP5%29.jpg

2代目フィットハイブリッド(GP5/6)

2013年から販売された2代目フィットハイブリッド、ボディ形状は前モデルと同じ5人乗り5ドアハッチバックと共通ですが、ハイブリッドシステムやミッションはまるで別物になります。今までのハイブリッドシステム(IMA)はエンジンの動力と同軸状並列されているパラレルハイブリット方式であったため、一つのハイブリッドモーターが発電と動力ウィ担っていました。そのため、回生ブレーキやEV走行といった切り替えを細密に制御することはできませんでした。新型フィットハイブリッドに搭載された新ハイブリッドシステムi-DCDは、エンジンとモーターの動力を切り離すことが可能になり、走行状況に応じた制御を実現しました。

 

ヴェゼルハイブリッド

2013年に販売されたヴェゼルハイブリッドは3代目フィットをベースに開発されたコンパクトSUVになります。動力源には1.5リッターのガソリンエンジンにi-DCDを採用し、モーターとガソリンエンジンのシステム最高出力は2.0リッターに匹敵する152psを発生。またヴェゼルはグローバルモデルでもあり、海外ではHR-V車名で販売されました。

 

グレイスハイブリッド

グレイスハイブリッドは2014年に販売された5ナンバーサイズの5人乗り4ドアセダンになります。ハイブリッドシステムは2代目フィットハイブリッドやヴェゼルハイブリッドと同様にi-DCDを採用。またアジア・オセアニアで販売されていた4代目シティと共通のボディが使われています。

 

ジェイドハイブリッド

ジェイドハイブリッドは2015年にストリームの後継車として販売された6人乗りステーションワゴンタイプの車両になります。またジェイドもグローバルモデルとして2012年の北京モーターショーで出展され、中国では2013年に販売されました。ハイブリッドシステムはヴェゼルハイブリッドと同様の1.5リッター i-DCDを搭載。また運転支援システムであるHonda SENSINGが採用されました。

 

シャトルハイブリッド

シャトルハイブリッドは2015年に販売されたフィットシャトルの後継車になります。フィットシャトルの後継車ではありますが、フィットと差別化を図るため、フィットの車名を外しシャトルと言う名でフルモデルチェンジされました。ハイブリットシステム自体は1.5リッター i-DCDを搭載。

 

2代目フリード/フリード+ハイブリッド(GB7/8)

2016年に2代目フリード、フリードスパイクの後継車としてフリードプラスが登場しました。初代フリードに比べ全長を50 mm延長し、全高は2WD車で5mm、4WD車で10mm引き下げられました。全幅は初代モデルと共通になります。また、初代モデルでは、フリードとフリードスパイクでは、エクステリアデザインに違いがありましたが、2代目モデルのフリードとフリードプラスでは共通のエクスデザインとしています。ハイブリットシステム自体はヴェゼルハイブリット同様1.5リッターエンジンのi-DCDが搭載されています。

 

ホンダスポーツハイブリッド SH-AWDを搭載したハイブリッドカー

 
引用元:https://www.flickr.com/photos/autovivacom/6683694609

5代目レジェンド(KC2)

2015年に登場した5代目となるレジェンドのパワーユニットには、2代目フィットハイブリッドなどとは異なるハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を搭載。内容としては、エンジンに3.5リッターV型6気筒 直噴SOHCに内蔵された1基のハイブリッドモーターとトランスミッションには7速DCTの採用、また後輪には左右のアクスルに電気モーターを搭載することでシステムシステム最高出力381psを発生。

燃費性能だけに重点を置いたハイブリットカーと言うよりも、走行性能を極めたシステムとなっています。

 

2代目NSX(NC1)

2016年登場した新型NSXには5代目レジェンド同様、スポーツハイブリットシステムであるSH-AWDが搭載されました。レジェンドと異なる点は、エンジンレイアウトがミッドシップになり、搭載されたエンジンにはF1エンジンメーカーのコスワースと共同開発されたツインターボ3.5リッターV型6気筒DOHCガソリンエンジンに1基のハイブリットモーターを内蔵したものになります。トランスミッションには9速のDCTを採用しフロントアクスルに2基の電気モーターを搭載した3モーターのハイブリッドシステムになります。

エンジンと電気モーターを合わせたシステム最高出力は581ps。

 

ホンダi-MMDシステムを搭載したハイブリッドカー

引用元:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/52/Osaka_Motor_Show_2013_%28186%29_Honda_Accord_Plug-In_HYBRID_%28CR5%29.JPG

アコードハイブリッド/プラグインハイブリッド(CR5/6/7)

2013年に登場したアコードハイブリッドは、3ナンバーサイズの4ドアセダン車になります。ハイブリッドシステムは2代目フィットハイブリッドに搭載されていた1モーターとDCTを組み合わせたものと違い2リッターの発電用のエンジンに充電と走行用の2モーター、電気CVTを組み合わせたスポーツハイブリッドシステムであるi-MMDが搭載されました。エンジン自体は2.0リッターではありますが、電圧を700Vまで高めることにより発進時から最大トルクを発生させることのできるモーターの特性から、3.0リッターガソリンエンジン車並みの加速になります。

またプラグインモデルとの大きな違いは、大容量バッテリーと車載用充電器を搭載したことです。

 

オデッセイハイブリッド(RC4)

オデッセイハイブリッドは5代目オデッセイのハイブリッドモデルとして、2016年に登場しました。パワーユニットにはアコードハイブリットに搭載されたシステムと同様、i-MMDが搭載されています。

 

ステップワゴンスパーダハイブリッド(RP5)

ステップワゴンスパーダハイブリッドは5代目ステップワゴンのハイブリッドモデルとして、2017年に登場しました。ハイブリッドシステムにはアコードハイブリッド同様、i-MMDが搭載されました。

 

クラリティPHEV

クラリティPHEVはリース販売されたアコードプラグインハイブリッドとは違い、市販車として購入することができるプラグインハイブリットカーになります。ハイブリッドシステム自体はスポーツハイブリッドシステムであるi-MMDをベースとし、1.5リッターのDOHCアトキンソンサイクルエンジンに17.0kWhの大容量バッテリーを搭載し、プラグインとは言っても発進加速から高速走行まで幅広い走行条件に対応しています。

 

CR-Vハイブリッド(RT5/6)

2018年に登場したCR-Vハイブリッドは、10代目シビックの新型プラットフォームが使用され、ハイブリッドシステムはアコードハイブリッドのi-MMDが搭載されています。またi-MMD搭載車としては初となる4WDが搭載され、4WDの制御に関しては走行状態に応じて前後のトルク配分を電子制御で細密な制御を可能にしています。

 

 

3代目インサイト(ZE4)

2018年に登場した3代目となる新型インサイトは、初代と2代目に採用されていたハッチバックスタイルのボディ形状から4ドアセダン形状に変更されました。またボディサイズも今までのコンパクトサイズからアコードハイブリッドと10代目シビックの中間のミドルサイズへとサイズアップが図られています。パワーユニット自体はi-MMDが作用されていますが、エンジン自体はアコードハイブリッドで使用されている2.0リッターではなく、クラリティPHEVに搭載されている1.5リッターエンジンが搭載されました。これにより燃費性能の向上に貢献しています。

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