出典元:https://ja.wikipedia.org/wiki/日産・シルビア
初代からS12シルビアまでの歴史
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未だに幅広い世代から高い人気を誇る日産・シルビアですが、初代から順風満帆な歴史をたどったわけではありません。時代背景と日産の施策がマッチしなかったことで一時は絶版となって市場から姿を消した時期もあります。
しかし、絶版となったものの初代シルビアからは職人の魂が存分に感じられて、稀少価値とその美しいフォルムやアナログな内装の新鮮さが相まって現在でも高値で取引されるほどの人気車種です。そこでここからは初代からS12までのシルビアを紹介します。
ダットサン・フェアレディのシャシーがベースの初代シルビア
初代シルビアはわずか3年の間に554台しか市場に出されませんでした。一頃の初代シルビアが売りさばかれた価格は現在の1,000万円に相当するために超高級車の部類に入ります。このために安価であるフェアレディやスカイラインに客層は流れて、本機種の売り上げが振るわなかったのです。
現在本機種をあらためて眺めると一頃の日産において、技術の集大成であった車であることがわかります。ダットサン・フェアレディのシャシーに全ての行程が手先で作業されたとは思えないボディパネル、アルミの無垢材から削り出されたフロントグリルというにわかには信じがたい作品です。
現存する初代シルビアはほぼ全てがレストア済のために、正確なボディカラーがわからないところもあらゆるイメージが膨らむので車好きにはたまらない要素となります。
B210サニーのプラットフォームとなったS10ニューシルビア
初代の高級路線から一変して、S10ニューシルビアはフォルムからファクトリーまで全く異なる様相で巻き返しを図ります。しかし、この一頃の日産が向ける目線は北アメリカであったために、日本では斬新すぎるデザインがあまり受け入れられませんでした。
本機種は大都会で活躍するキャリアウーマンがコンセプトです。初代の真っ直ぐな線から生まれる美しさと異なって、S10ニューシルビアにはふくよかな女性を彷彿させる美しさがあります。
実は本機種にロータリーを組み込む計画もありましたが、排ガスの規制という時代背景とロータリーに対するイメージの評価が低かったために実現しませんでした。もしロータリーが組み込まれていたらと考えると、今日の車市場は大きく様変わりしていると予測できます。
2ドアハードトップと3ドアファストバックも登場したS110シルビア
これまで苦戦を強いられてきたシルビアですが、S110でようやく花開く時をむかえます。何が要因で勝利をおさめたかというと、一頃の日本のトレンドを網羅して本機種に反映させたためです。真っ直ぐな線が美しい重厚な外装に施されるライン塗装。それに加えて最先端のクールな内装に皆が魅了されて、中古価格が新車価格を上回るという稀有な状況も生まれました。
リトラクタブルヘッドライト採用のS12シルビア
5代目であるS12シルビアは真っ直ぐな線を描く美しさの極みといえる車種です。本機種以降は徐々に丸みをおびたデザインにシフトしていきました。インパクトのある計量器や自然と消灯してしまう足下を照らす照明に未来を感じたものです。
本機種は現在でもトヨタAE86とともに、車のカスタマイズを好むユーザーの心をくすぐり続けています。
デートカーと位置づけられ歴代最多販売台数を記録したS13シルビア
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バブル期に大活躍したシリーズであるS13シルビアは、女性受けする外観と男性受けする力強い走りで確固たる地位を築きました。歴代のシルビアで苦戦を強いられてきた日産だからこそS13という素晴らしい機種が誕生したのです。
日産がデートカーとした本機種について、エンジンとコンバーチブル、シルエイティの3つをテーマにして解説します。
前期はCA18、後期はSR20エンジンのNAとターボを搭載
前期S13シルビアの人気の要因ともいえるのは、5ナンバーボディであるのにCA18のエンジンと適度なパワーがあってカスタマイズしやすかった点です。FRで5ナンバーとカスタマイズするのにも手頃で、若い男性がドリフトをしながら峠を攻める光景がつい昨日のように感じます。
1度火がついた若者の熱は冷めることがなく、よりパワーのあるエンジンを求め始めるのも容易に予測できました。後期S13シルビアにはNAとターボのSR20エンジンを導入して日産の思惑通りの売れ筋となります。
オーテック製コンバーチブル
この一頃の日産が仕掛ける施策は、これまでのうっぷんを晴らすかのように市場の欲求を上手にキャッチしました。デートカーというコンセプトであればコンバーチブルは欠かせません。オーテック製初のコンバーチブルがラインナップに加わり女性受けを狙う層にも受けが良いものでした。
兄弟車の180SXをシルビア顔にしたシルエイティを新車販売
シルエイティはS13シルビアのフェイスだけを兄弟車である180SXと交換したものです。180SXの純正フェイスはリトラクタブルヘッドライトであるために、S13シルビアよりもフロントの重さがあります。
ドリフトをするのに操作性が良いのはフロントが重いFR車。シルエイティは溶接をせずとも容易にフェイスを交換できたので実現した車種となります。
3ナンバーボディとなり当初は不人気だったS14シルビア
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S13でパワーアップしたまでは良かったのですが、S14シルビアの3ナンバーボディはあまり市場に受け入れられませんでした。S13がヒットした要因は5ナンバーボディで力もありカスタマイズを楽しめるお手頃感。
さらにスペックアップして単価を上げるという日産の気持ちが伝わりますが、若者が求めている要素ではなかったのです。
前期と後期で全く異なるフロントフェイス
前期S14シルビアのフロントフェイスは、S13で女性受けした丸みを強調しすぎる表情に締まりがない印象でした。表情に締まりがない点もS14シルビアが当初は不人気であった要因の1つです。
小規模な変更が加わった後期型では、角張ったライトの形状によって丸みのある表情であったのが引き締まった表情へと変わりました。
30台限定のニスモ270R
ニスモ270Rを市場で見つけたとしたら購入を即決しても後悔しません。本機種はニスモのエアロのしびれる外観にプラスして、270PSのハイパワーと現在でも十分に走りを楽しめます。
ドリフトをするのにも適当な力加減で操作性も良く、久しぶりに峠を攻めたくなるような車です。
250馬力にチューンされたオーテックバージョン K’s MF-T
オーテックバージョン K’s MF-Tは、車好きのハートをガッチリとキャッチする徹底した走りをテーマにする車です。250馬力であるハイパワーな本機種にはこれでもかというくらいにド派手なリアスポが与えられて、もはやデートカーの面影は残っていません。
5ナンバーボディにサイズダウンしヴァリエッタも登場したS15シルビア
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S14シルビアでは3ナンバーボディというサイズアップが結果的に若者に受け入れられませんでした。S15シルビアではカスタマイズするのに手頃な5ナンバーボディに戻して、顔つきもシャープな印象となって市場に勝負をかけます。
S15シルビアの表情は、どちらかというとS14の後期に近いままにコンパクトとなった印象です。この日産からの仕掛けはシルビアから離れていた若者の心を再びとらえることとなりました。
Q’s/K’sの名称をスペックS/スペックRに変更
S13シルビアから続いたトランプが由来する名称も、S15シルビアでは「スペックS」と「スペックR」に変更されました。この名称の違いはエンジンがNAであるか、ターボであるかの違いです。
S15シルビアが発売された一頃は、待っていましたとばかりにカスタマイズされたスペックRを転がす若者が峠を賑わせていました。
NAのスペックSをチューニングしたオーテックバージョン
S15シルビアではオーテックバージョンの仕様変更が一番若者達の心をキャッチしたように感じます。本機種は通常であるとATで160PS、MTで165PSですが、オーテックバージョンの仕様変更では200PSまで馬力が向上しました。
フェラーリ風バンパーにレザー内装のスタイルA
豪華な内装が注目されるスタイルAは、皮や合皮がふんだんに使われる内装とフェラーリ風バンパーが特徴です。