レースをDNAとするホンダが、モータースポーツ界での参戦計画&普及活動計画を2021年01月15日に公示しました。
同社は、創成期の時代からさまざまなレースに積極的に参画することによって、人・技術・組織などを鍛えてきた企業です。多くのユーザーと楽しさ、喜び、感動を共感できる企業理念となっています。
2021年では、二輪、四輪ともに各々の最高峰レースに参戦する予定です。もちろん日本をはじめとし各地域にて、豊富なカテゴリーにおいてのレース参加が行われそうです。
ホンダでは、運転手、技術者、整備士はもちろん、同社では、ホンダ モータースポーツ活動に関わる世界の方々全員で一体となる体制を作るとのことです。ここでは、2021年度のホンダ モータースポーツ計画などをご紹介します。
二輪・四輪活動計画概要など
引用:https://www.honda.co.jp/DAKAR/race2020-2021/formation/
二輪モータースポーツ活動について
ホンダは、昨年の「ダカールラリー2020」で、31年ぶりに優勝を果たしました。それ以外のレースでも「FIMロードレース世界選手権 通算800勝」、「FIM モトクロス世界選手権」&「FIM トライアル世界選手権」の最高峰クラスでタイトルを2連覇しています。
2021年では、すでに「ダカールラリー2021」にてCRF450 RALLY を駆るMonster Energy Honda Teamが2連覇を達成しました。ロードレース、モトクロス、トライアルの世界選手権 最高峰クラスや「FIMスーパーバイク世界選手権」に、株式会社ホンダ・レーシング(HRC)が運営するWORKS TEAMで選手権獲得に向けてすでに始動しています。
また有力なサテライトチームを構成し、「FIM世界耐久選手権」、「AMAスーパークロス世界選手権」の世界選手権に参戦する予定です。
2021年の新たな試みでは、各国のロードレース選手権に出場するライダーのランクアップを目的とした「Honda Superbike Challenge Program」をスタートさせます。
このプログラムの一環として、昨年は、MFJ全日本ロードレース選手権JSB1000クラスにMuSASHi RT HARC-PRO.Hondaで参戦していた水野涼(みずの りょう)は、今シーズンからイギリスのスーパーバイク選手権に参戦し、ステップアップを目指します。
四輪モータースポーツ活動について
2020年度のホンダは、パワーユニット(PU)供給という役目でF1(FIAフォーミュラ・ワン世界選手権)に参戦し、シーズン3勝を果たしています。2021年も継続してScuderia AlphaTauri と Red Bull Racingの2チームへ同モデルのパワーユニット(PU)を提供する体制です。2021年は、世界チャンピオン獲得に向けて始動しています。
今年は、Scuderia AlphaTauri よりF1デビューとなる角田裕毅(つのだ ゆうき)選手のサポートだけでなく、F3(FIA フォーミュラスリー選手権)でもステップアップを目指す若手の日本人ドライバーなどへサポートもしていくとのことです。
2020シーズンは、SUPER GT GT500クラスでダブルタイトル獲得と全日本スーパーフォーミュラ選手権では、チーム体制の変更を行いました。さらなるアップデートで両カテゴリーでの連覇を目標にしています。
カスタマーレーシング部門では、市販車を改良しレース車に仕上げたマシン供給を行うだけでなく、それぞれのチームに戦略的で挑戦的なレース展開の行えるようサービスを提供していくようです。
FIAワールドツーリングカーカップ(WTCR)とともに、世界各地で行われる耐久レース・TCRシリーズむけに、CIVIC TYPE Rをベースとした「CIVIC TCR」を供給していきます。北アメリカ・アジア・ヨーロッパのGT選手権や耐久レース向けには、「NSX GT3 Evo」が供給されます。
二輪部門主要参戦レース
引用:https://www.honda.co.jp/motorsports/?from=navi_header
①世界選手権では
- MotoGP(FIMロードレース世界選手権)「MotoGPクラス」
- SBK(FIMスーパーバイク世界選手権)
- EWC(FIM世界耐久選手権)
- MXGP(FIMモトクロス世界選手権)
- TrialGP(FIMトライアル世界選手権シリーズ)
②日本国内では
- JRR(MFJ全日本ロードレース選手権)「JSB1000クラス・ST1000クラス・ST600クラス」
- JMX( MFJ全日本モトクロス選手権)「IA1クラス・IA2クラス・レディースクラス(LMX)」
- JTR(MFJ全日本トライアル選手権) 「IAスーパークラス(IAS)」
③アジアでは
- ARRC(FIMアジアロードレース選手権) 「ASB1000クラス」
④ヨーロッパでは
- BSB(英国スーパーバイク選手権)
⑤北アメリカでは
- AMAスーパークロス世界選手権(450SX)
- AMAスーパークロス選手権(250SX West)
- AMAモトクロス選手権(250MX)
⑥その他
- ダカールラリー2021
四輪部門主要参戦レース
引用:https://www.honda.co.jp/motorsports/?from=navi_header
①世界選手権では
- F1(FIAフォーミュラ・ワン世界選手権)
- WTCR(FIAワールド・ツーリングカー・カップ)
②日本では
- SF(全日本スーパーフォーミュラ選手権)
- SUPER GT「GT500クラス」
- SUPER GT「GT300クラス」
③北アメリカでは
- インディカー・シリーズ
そのほか、二輪・四輪育成のためのレースなども行っていく予定です。
モータースポーツへの普及活動として
同社は、モータースポーツのすそ野を広げていくためにモータースポーツ界へ普及活動も展開しています。モータースポーツを気軽に触れられるイベントから、ドライバーのステップアップを目的にしたものまで多くの企画が2021年度も行われる予定です。
- HRCワンメイクレース シリーズ
- フィット 1.5 Challenge CUP
- N-ONE OWNER‘S(オーナーズ) CUP
- ホンダ エコ マイレッジ チャレンジ 2021
- ホンダ レーシング THANKS DAY 2021
など
ホンダのモータースポーツ参戦の歴史を少し紹介
『レースがホンダのDNA』である理由
ホンダの経営者は、本田宗一郎をはじめ歴代全員が何らかのレースに係わっています。同社は、日本国内で鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎを運営もしています。
ホンダは、二輪メーカーを1948年に設立しています。翌年には、日米対抗レースにC型モーターサイクルで参戦し優勝もしています。1960年よりロードレース世界選手権(現MotoGP)に参戦し、1966年には初優勝を収めました。以降数々の2輪レースに出場し、生産メーカーとして2輪レース界をけん引する存在の一つです。
一方四輪では、1964年からF1に参戦しています。その後F2、F3000などにも積極的に参加しています。以降国内、世界での選手権にも多く参戦し続けています。
レースで蓄積された技術や経験が、市販車などにフィードバックされるというホンダの姿勢からも『レースがホンダのDNA』である所以でしょう。
また、ホンダは皆さんもご存じの通り二輪事業からスタートした会社です。この二輪技術が、現在ではアグリ(農業)部門や飛行機(ホンダジェット)部門なを幅広い製品を生み出すまでに成長しています。
現在のホンダは、ロボット技術にも力を入れている企業です。有名なものでは、アシボや歩行アシスト器具などになります。今やホンダは、二輪、自動車メーカーという印象から世界の総合技術メーカーへ進化しているといえますね。こういった進化も、実はいろいろなレース参加からの技術恩恵を受けているからでしょう。
まとめ
ホンダが、2021年でのモータースポーツ活動計画を発表!をまとめると
- 2020年の輝かしい実績をもとに2021年も多くのレースに参戦する予定です。
- 二輪・四輪部門で、多くのレースに参戦するだけでなく・モータースポーツ普及にも力を入れています。
2021年のホンダもレース参戦などで熱くなりそうです。二輪・四輪、そしていろいろなモータースポーツ普及活動やイベントも行われる予定となっています。