【評価レビュー】実は隠れた実力車。ホンダ・ステップワゴンの魅力を性能から再検証

     
   
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5ナンバークラスのミニバンは、今のトレンドの中心となるジャンルですので、各社力を入れて魅力的な車をリリースしているのはご存知の通りです。

そんな中、ホンダのステップワゴンはチョットだけ地味な印象を持たれてしまう存在かもしれません。このステップワゴン、よく見れば実に使い勝手の良い性能を持ち、ファミリー層にとっては見過ごすのは勿体ない作りの車です。

車記事のメディアでは、最近取り上げられることが少なくなってしまったホンダ・ステップワゴンですが、もう一度この車の魅力を性能面から探り、これからミニバン購入を検討される方の参考になればと思います。 

ユーザーに幅広い選択肢を提案するステップワゴン

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ステップワゴンは3タイプのスタイリングから選ぶことができます。

先ずは基本形となるプレーンな造形で飽きのこない印象のステップワゴン。若々しくスポーティーな印象のステップワゴンSPADA。力強さと豪華さを感じさせるステップワゴンModulo X。

一般的には1車種で打ち出されるのは2タイプという構成が多いなか、ステップワゴンは3タイプの構成となっており、幅広いユーザー層に対して選択肢を用意しています。しかも、単一車種内のモデル編成なので、1つのディーラーでどのモデルも購入可能です。

例えばライバル関係にあるトヨタのノア・ヴォクシー・エスクァイアは、販売店が異なります(ノアはカローラ店、ヴォクシーはネッツ店、エスクァイアはトヨタ店/トヨペット店)ので、実車を見たり、見積もりを取ったりするだけでも店舗を変えなければなりません。「自分はヴォクシーが良いと思うが、妻はエスクァイアが良いと言っている」というような場合、店舗のハシゴをしなければならないのです。これ、正直面倒な話ですよね。

ホンダの場合は販売チャネルがシンプルな為、どのタイプも1つの販売店で完結できるという特徴があります。

ハイライトは高いユーティリティー性能

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ミニバンとしてのユーティリティー性能は、ステップワゴンの最大のセールスポイントです。

ステップワゴンは「わくわくゲート」という特殊なバックゲートを備えています。

これは、上のヒンジによる通常の開閉方法だけでなく、ゲートの6割程度の部分だけを横開きする事が可能なものです。TVCMでは、このわくわくゲートを横開きして子供が車に乗り込むというシーンを描いていましたが、そういう使い方だけではなく、後方スペースに余裕が少ない駐車場などでの荷物の積み下ろしなどの際に威力を発揮することでしょう。

例えば赤ちゃんがいる家庭の場合、出掛ける際はベビーカーは必需品となります。これは折り畳んだとしても意外とかさばるもので、2列目シートの足元などに置くと非常に邪魔になります。収納場所として一番良いのは、やはりトランクスぺースとなりますが、ショッピングモールの駐車場などで背中合わせで駐車するような場合、背面に駐車されている車との距離は非常に近いケースが多々あり、通常のゲート開閉をするには車を前に出さなければならないという事態になります。こんな場面でも、らくらくげーとであれば、横開きすることでスムースに荷物の積み下ろしが可能になります。ベビーカーではないにせよ、狭い後方スペースの環境下でも荷物の積み下ろしが可能になるのは、想像以上に便利な機能だと思います。

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また、通常は3列目に乗り込む場合、3列目に座る方が奥に進むまでの間、2列目シートに座る方は待たされることになりますが、バックゲートからの乗車が可能になるので、スムースな乗降が可能になるというのもポイントです。尚、3列目シートは床下収納式の為、余分な凹凸がなく、荷室の使いよいものになっています。

エンジン性能もクラス唯一の特徴を持っている

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ステップワゴンのエンジンは、L15B型1,500ccターボとなっています。これは、欧州車ではメジャーなダウンサイジングターボと呼ばれるもので、小さいな排気量で基本的な燃費性能を確保しながら、極低速域から過給が始まる小型ターボによって、必要とされるパワーとトルクを確保するという考え方のものです。

日本では、多くのトラックがこの方式を採用しています。トラックと言えば重量物を運搬する車ですし、同時に燃費性能もトラックを使用する側にとってはシビアに評価するものですので、ダウンサイジングターボの有効性を理解するには非常に良い具体例だと思います。勿論、トラックに使われるのはディーゼルエンジンですので、ステップワゴンのガソリンエンジンとは特性の違いはありますが、得られる効果については同様です。

では、ステップワゴンのエンジンは本当に目指す方向になっているのでしょうか。それは、エンジンスペックからも推察できます。ステップワゴンに搭載されるエンジンは、最高出力110kw[150ps]/5,500rpm、 最大トルク203N・m[20.7kgf・m]/1,600̶rpm~5,000rpmとなっています。この最大トルクの発生回転数が、1,600回転から5,000回転という、ウルトラフラットトルクがステップワゴンのエンジンの武器となっています。因みに、先代ステップワゴンのR20A型2,000ccエンジンとの比較をしてみると以下のようになります。

型式

最高出力

最大トルク

L15B

110kw[150ps]/5,500rpm

203N・m[20.7kgf・m]/1,60rpm~5,000rpm

R20A

115kw[156㎰]/6,300rpm

189N・m[19.3kgf・m]/4,300rpm

如何でしょうか?先代モデルよりも大きなトルクを、極低回転から高回転域まで幅広く発生させていることが良くわかるのではないでしょうか。

これによって、ステップワゴンは充分に力強い走りを実現しているのです。しかも、排気量は1,500ccですので、ライバル達よりも自動車税が安く済むというのも大きな魅力です。

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このように、使い勝手、走行性能、燃費性能と、非常にバランス性が優れているのが、ホンダ・ステップワゴンです。

デビューから1年以上の時間が経過しましたが、その間に熟成も進み、ますます魅力を増しています。一見、目立たないクルマに見るかもしれません。しかし、ミニバン・ファミリーカーとしての性能を際立たせ、多くの家族にとって安心で快適な車内空間を演出したのが現行のステップワゴンなのです。

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