出典元:https://www.honda.co.jp/hondafan/meisha/
海外で高い評価を得た初代プレリュード
出典元:ホンダ名車図鑑
主要グレードの電動サンルーフを標準装備したスペシャリティクーペ
1978年、今から40年以上前にホンダのスペシャルティカー、2ドアクーペのプレリュードは誕生しました。スペシャルティカーとは実用車のプラットフォームにスポーツカーのようなスポーティでスタイリッシュなボディを組み合わせた車で、元祖スペシャルティカーはフォードのマスタングだといわれています。
この初代プレリュードは日本でもそれなりの好評を得ましたが特に海外において高い評価を得、初代の総生産台数の8割程度は海外向けであったといいます。
おそらくそれはプレリュードの主要グレードに標準装備された電動サンルーフが原因でしょう。アメリカ、特に西海岸においては現在でもオープンモデルの人気が高い傾向があり、オープンモデルではなくても開放的な気分を味わえるサンルーフ付きのプレリュードが歓迎されたのではないかと思われます。
この電動サンルーフの標準装備は国産車ではこの初代プレリュードが初でした。
シルビアなどFR車に負けず劣らすのFFハンドリングマシン
初代プレリュードはリニアなハンドリングが特徴で、それはまるでFF車とは思えないほどだったとか。
ライバル車である日産・シルビアやトヨタ・セリカなどはFRでしたが、十分に対抗できるハンドリング性能を持ったモデルでした。
コーナリングにおいてはFF車ながらアンダーステアどころかオーバーステアになりがちな場面もよく見られたといいます。
ユニークな集中ターゲットメーター
メーター類もホンダならではのユニークな工夫が施されたものに。
同心円上にスピートメーターとタコメーターを配置した「集中ターゲットメーター」を採用し、視認性の向上を図りました。ただこれは目が回る、見にくいなどの声もあったといいます。
そのためか北米仕様においては中期モデル以降に通常の2眼式メーターへ変更されました。
確かに方法としてはちょっと未熟な感は否めませんが、前方とメーターとの間でのドライバーの視線移動を少なくするのは現在の先進安全装備であるヘッドアップディスプレイに共通する考え方。
現在のホンダの先進安全技術「ホンダセンシング」には定評がありますが、この時代からそうした安全性に関する考え方や取り組みがなされてきたことが感じられますね。
デートカーの元祖、中古車で人気が爆発した2代目プレリュード
出典元:ホンダ名車図鑑
リトラクタブルライトや低いノーズなど日本車離れしたデザイン
登場した1982年当時としては革新的なまでにワイド&ローなボディが男女問わず高い人気を呼んだモデルです。
リトラクタブルライト(格納式前照灯)を採用し、フェラーリ並みとまでいわれた低いノーズが最大の特徴。当時の日本車にはほとんどなかったそのスタイリングが若者のハートを鷲掴みにし、「デートカー」の元祖として確固たる地位を築き上げます。
国産車初のABS(4wALB)搭載、DOHCエンジンの2.0Si追加
2代目プレリュードには4wALB、いわゆるABSが一部グレードにオプションで設定されました。これは国産車では初のこととなります。
また1985年には2.0L直列4気筒DOHCエンジンを搭載したハイパフォーマンスモデル2.0Siがランナップに追加されました。
助手席リクライニングノブ(通称スケベノブ)やクルーズコンピュータ搭載
「デートカー」とはデートに適した車、という意味です。先にも述べたように女性にも人気を博したスタイリングはデートカーとして大切な要素でしたが、ちょっとココだけの本音でいうと助手席にリクライニングノブ(通称スケベノブ……お察しください)があったことも2代目プレリュードがデートカーたらしめた所以でもあったでしょう。
また当時流行していたクルーズコンピュータ(クルーズコントロールに該当する機能)が搭載されていたことも人気の一因だと思われます。
キープコンセプトながら大ヒット作となった3代目プレリュード
出典元:gqjapan
量産乗用車で世界初の4WS(四輪操舵)搭載
プレリュードといえば多くの方がこの3代目を思い浮かべるのではないでしょうか。1987年のバブル景気のさなかに登場し、まさに一世を風靡したともいえるほどの人気を得たモデルです。
量産車で世界初となる4WS(四輪操舵システム)を搭載したことでも話題を呼びました。
ビスカスLSD、SRSエアバッグなどを歴代初採用
1989年に行われたマイナーチェンジでは、ビスカスLSDを標準装備したグレードが登場。
また今ではほとんどのクルマの標準搭載となっているSRSエアバッグが一部グレードにプレリュードとしては初めて標準装備されました(運転席のみ)。
固定式ライトのインクス、北米仕様エンジン搭載のSiステイツなど派生モデル
この1989年のマイナーチェンジでは北米の一部でのヘッドライトの常時点灯義務化に対応すべく固定式のヘッドライトを搭載した派生車種「インクス」が登場しました。
翌年1990年には特別仕様車Siステイツを3,000台限定で販売。この特別仕様車は北米仕様の2.1Lエンジンを搭載。
また特別装備としてグリーンガラスやボディカラーと同色のサイドプロテクションモールなどが用意されました。
VTECエンジンを搭載しスポーツクーペとなった4代目プレリュード
出典元:gqjapan
ワイド&ショートボディ、リトラクタブルライトは廃止
キープコンセプトであった3代目からは大きく変化が加えられたのがバブルが崩壊した1991年に登場した4代目プレリュード。
スポーツクーペとしての存在感を前面に押し出し、バブル期の象徴ともいえるスペシャリティーカー、デートカーからの脱却を図ります。
3代目より全幅は拡大、そして全長は短くなり、ワイド&ショートなボディへと変化しリトラクタブルライトは廃止されました。
VTECエンジン搭載、ハイパー4WSへ進化
またこのモデルにはプレリュードでは初となるVTECエンジンをラインナップに追加。加えて4WSは電子制御になり、ハイパー4WSと進化しました。
ですがバブル崩壊の影響は大きく、あれほどデートカーとしてもてはやされたクーペの需要が減少するとともにプレリュードも苦戦を強いられるようになります。
また1993年のマイナーチェンジでプレリュードのアイデンティティともいえるサンルーフがオプション扱いになるなど、プレリュードはその姿を大きく変えながらも生き残りの道を探っていくことになります。
スペシャリティクーペに回帰した最後の5代目プレリュード
出典元:gqjapan
ガラスサンルーフ復活、合成皮革カブロン採用
プレリュードとしては最後のモデルにあたる5代目は1996年に登場。スポーツクーぺ型に大きく舵を切った4代目の売り上げが振るわなかったため3代目以前のスペシャルティクーペ型に回帰したモデルです。
オプション設定ではありますがガラスサンルーフも復活し、往年のプレリュードファンの馴染みのあるスタイルに戻されました。
内装にカブロンという合成皮革を使用したモデルも登場。後期モデルでは本革シートを採用したグレードも用意されるなど、より居住性に重きを置いた仕様となっています。
タイプSにリッター100馬力のVTECエンジン搭載
スポーツグレードにあたるタイプS、SiRスペックSではリッター100馬力、220psを発する2.2Lの直列4気筒VTECエンジンを搭載。
またSiRスペックSにはビスカスLSDが標準装備されました。
ですがプレリュードは時代の流れもあってか、かつての勢いを取り戻すこともなく、2001年の6月にはインテグラに統合されその姿を消すことになります。
プレリュード絶版後のホンダのクーペモデル、新型の登場は?
ノッチバッククーペは北米仕様のアコードクーペのみ
出典元:Rensselaer Honda
プレリュード以降、ホンダにラインナップされたノッチバッククーペは北米で展開されているアコードブランドのアコードクーペのみとなっています。
日本ではバブル崩壊後にクーペ人気が落ち込んだまま回復しているとはいい難い状況にありますが、クルマ本来の美しい流線型を楽しめるクーペは海外では一定の人気があります。
しかしホンダという日本のメーカーが唯一作っているクーペが日本では手にはいらないとは、ある意味皮肉なことでもありますね。
新型プレリュードの噂
そしてプレリュートに関しては2017年頃から常に復活の噂が飛び交っています。今年2019年に登場するのではないかと予想されていますが、果たしてして真相は如何に?
今後のホンダの動向に注目ですね!