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初代バラードスポーツCR-X、キャッチコピーはデュエットクルーザー
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シビックをベースにしたショートホイールベースのファストバッククーペ
初代CR-Xは1986年12月ごろから始まる空前の好景気、いわゆるバブル景気に向かって日本経済が急成長し続けている1983年の7月にデビューしました。
1980年に登場したホンダの姉妹車、バラードの派生車種「バラードスポーツCR-X」として誕生。同年の9月に販売が開始されることになる三代目シビック、通称「ワンダー」シビックとエンジンやシャシーを共有するモデルです。
このバラードスポーツCR-Xは「FFライトウェイトスポーツ」という言葉が初めてホンダによって使用された車種でもあります。同年代のライトウェイトスポーツカーとして有名なものにトヨタ・AE86(トレノ/レビン)などがありますね。
当時のキャッチフレーズは「デュエットクルーザー」。この車が誕生した1983年当時はさかんに省資源、エコロジーが叫ばれた時代でもありました。そのため低燃費を実現するため空力性能に優れたコーダトロンカ状のリアの形状を採用し、ボディも軽量化されました。
DOHCツインカムエンジン搭載のSi(AS)追加
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バラードスポーツCR-X登場の翌年、1984年には1.6LのDOHCツインカムエンジン(ZC型)を搭載する「Si」グレードが登場します。
このエンジンの搭載は同時に発売されたシビックSiとこのバラードスポーツCR-X Siが初。このエンジンが後のホンダエンジンの代名詞ともなる「VTEC」エンジンの開発に活かされることになります。
マイナーチェンジでセミリトラから固定式ヘッドライトに変更
ヘッドライトが消灯時に格納できるタイプの前照灯をリトラクタブル・ヘッドライトといい、この当時所高級外車などに好んで使用されていました。
日本ではマツダ・サバンナRX-7やトヨタ・2000GTなどに採用されたことから人気を博し、自動車ファンの垂涎のアイテムともいえる存在でもあったようです。
バラードスポーツCR-Xに採用されていたのは消灯時に完全にヘッドライトが格納されるタイプではなく一部分がカバーされるセミ・リトラクタブル・ヘッドライトでした。
登場から2年後の1985年に行われたマイナーチェンジでは時代の流れからかこのセミ・リトラクタブル・ヘッドライトは廃止され、固定式のヘッドライトに変更されました。
海外仕様のバラードスポーツCR-XはシビックCRXという名で売り出されていましたが、シビックCRXは1983年の登場時から固定式ヘッドライトだったのでコストなどの為に規格を合わせた、という一面もあるのではないかと思われます。
無限CR-Xプロ
またこのバラードスポーツCR-Xでは、無限製のエアロパーツを纏った「無限CR-X プロ」も登場しました。このモデルは当時の鈴鹿サーキットのマーシャルカーとして活躍しました。
ジムカーナでも活躍した二代目CR-X、キャッチコピーはサイバースポーツ
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よりワイド&ローフォルム、エクストラウインドウを採用
二代目のCR-Xは1987年に登場。初代はバラードスポーツCR-Xという名称でしたが、バラード自体が1986年10月に販売終了となったためその派生車種であるバラードスポーツCR-Xは独立した車種となり、名称もCR-Xに改められました。
キャッチコピーは「サイバースポーツ」となり、その名の通り先代よりもワイド&ローなフォルムとなりスポーティさを増したスタイルに進化。
また後方の視認性の向上のため、ブラックのピンドットガラスを使用したエクストラウィンドウが採用されるなど、特徴的なルックスを持つモデルとなりました。
当時この洗練されたスタイルは若者の人気を集め、1999年にハイブリット専用車として登場した初代インサイトに継承されることになります。
サスペンション一新、Si(EF7)はZCエンジン継承
サスペンションは初代にはフロントにストラット+トーションバー、リアに車軸式+コイルスプリングを採用した「SPORTEC-SUS」が使用されていましたが二代目ではこれを廃止し、フロント・リア共にダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用しました。
ショーホイールベースであることから若干ストローク不足気味であったこのサスペンションは前後重量配分2:1というフロントヘビーな車体との組み合わせでリアがある一定の状態を超えると急に外側にスピンする傾向がありました。
そのため二代目はこの特性を利用してジムカーナなどのモータースポーツにおいて活躍するようになります。
エンジンは1.5Xには「ハイパー16バルブ」と呼ばれるCVデュアルキャブ仕様のD15B型エンジンが搭載されましたが、Siには先代と同じZC型エンジンが引き続き採用されました。
後期モデルでVTECエンジン搭載のSiR追加(EF8)
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1989年9月に発表された後期モデルにはホンダ自慢のVTECエンジンを搭載したSiRグレードがラインナップに追加されます。
当時のNAエンジン車としてはけた外れの最高出力160psを誇ったこのエンジンは、同年4月、二代目インテグラにCR-Xより一足先に初搭載され大きな話題を呼んだB16A型と同じものです。
惜しくもインテグラより5か月遅れとなりCR-XはVTECエンジン「初」搭載という栄誉は逃しましたが、最新鋭のエンジンを得たCR-Xはよりスポーツ走行に向いたモデルとなり熱烈なファンを獲得。現在でもジムカーナなどにおいてかなりの実力を発揮するマシンとなっています。
無限CR-Xプロ2
この二代目CR-Xにおいても無限は専用のバンパーやリアウィングなどのエアロパーツやマフラーをリリース、「無限 CR-X プロ2」と名付けられたこのモデルはやはり初代と同じく鈴鹿サーキットでマーシャルカーとして使用されました。
2シーター化された三代目CR-Xデルソル、電動オープンルーフのトランストップ
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電動オープンルーフのトランストップと手動のアルミ製トップ
1992年に登場した三代目CR-Xのサブネームは「デルソル(del Sol)」。これはスペイン語の「del sol」=太陽の、という意味に由来しているようです。
先代からは大きく変更が加えられた三代目は、当時高級車以外では珍しかった電動オープンルーフのトランストップを持ったセミオープンスタイルのモデルになりました。
サブネームは太陽の下で開放的にドライブを楽しむ、といったニュアンスでしょう。
また、別に手動のアルミ製トップも用意されました。
SiR(EG2)には歴代で最もハイパワーエンジン搭載
引き続きB16A型のVTECエンジンが搭載されたSiRでは、最高出力は170psに達するように。CR-X史上最もハイパワーなエンジンを搭載するようになりました。
トップフューエルが製作したB18Cターボ搭載のMRマシン“デルソルミッド”
FFのCR-Xをなんとミッドシップに改造してしまったのは三重県・松阪市にあるチューニングメーカー、トップフューエルです。
三代目インテグラなどに使用されていたB18C型のエンジンをターボ化し、かなり強烈なモデルになっているよう。
FFをMRに改造……聞いただけで気の遠くなりそうな苦労があったであろうと想像がつきますね。実際エンジンを搭載するにはボディを切断しなければならなかったということですから、想像を絶する困難の末に完成した奇跡のモデルといっていいのではないでしょうか。
CR-Xのコンセプトを受け継いだハッチバッククーペのハイブリッドカー
初代インサイト(ZE1)
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当時の世界最高水準の低燃費を目指して開発された初代インサイトは1999年に登場。1997年に生産終了となったCR-Xのようなコンパクトな車体を持ち、リアには二代目CR-Xから受け継いだエクストラウィンドウが採用されました。
サイバーを彷彿とさせるCR-Z
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2007年のコンセプトモデル発表から3年の時を経て2010年に販売開始されたCR-Zは、CR-Xの後継という位置づけにありました。
燃費性能や環境性能が優先されがちなハイブリットカーにおいても走る楽しさを感じさせ、スポーツ性を持ったライトウェイトスポーツカーであるCR-Zは日本カー・オブ・ザ・イヤーやグッドデザイン賞を受賞するなど専門家にも高く評価されたモデルです。
ただ高い走行性能やエンジンのパワー、トルクの太さはCR-Zには引き継がれず(燃費第一なので無理はありませんが)、CR-Xのような走りを期待した層にはあまり受けが良くなかったのか、デビューからちょうど10年後の2017年1月、販売終了となってしまいました。
CR-Zの新型は?
さかんに囁かれるCR-Z復活の噂。2019年には二代目が登場する線が濃厚ともいわれていますが果たしてどうなるのでしょうか。復活するとしたら、おそらくは現行のシビックとプラットフォームを共有することになると考えられます。
そして、タイプR が登場する、またEVが登場するなど情報は錯綜していますが、真相は如何に?個人的にはCR-ZのタイプR登場は是非期待したいところです。
今後のホンダの動向に注目ですね!