出典元:https://www.honda.co.jp/Fit/webcatalog/styling/design/
ホンダのコンパクトホットハッチ“RS”とは?
出典元:https://www.honda.co.jp/sportscar/sportscar/fit_rs/
ホットハッチについておさらい
ホットハッチとは一体どんな車のことを指すのでしょうか。厳密な定義はありませんが、一言で言ってしまえばハッチバックの車に高いスポーツ性能を持たせたモデルのことを指します。
とはいえ高価なモデルを指すわけではなく、手の届く範囲の価格で比較的コンパクトで軽量、実用性を兼ね備えていながらも専用チューンが施されスポーティな走りが楽しめるものがホットハッチと呼ばれるようです。
フォルクスワーゲンのゴルフGTIやメルセデスベンツAMG A45などが代表的なホットハッチですね。
”RS”とは?
世界中のメーカーに”RS ”の名を冠したモデルは存在します。多くの場合は「Racing Sport 」や「Racing Spirit 」の頭文字だとされていますが、ホンダの”RS”は「Road Sailing」の略と定義されているようです。
ホンダといえばモータースポーツなどに力を入れているので「Racing Sport 」などの略かと思っている方も多いのではないでしょうか。
これはホンダの初代RSであるシビックRSの登場した1974年当時は石油危機という時代背景があり、それに伴う省エネルギーへの取り組みの影響などから当時の技術では通常モデルより燃費性能、環境性能ともに劣ってしまうスポーツモデルの認可が下りにくかったことが影響している、という見方もあります。
初代シビックRS(SB1)
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ホンダの世界戦力車であり現在でも高い人気を誇るシビックは1972年に初代が登場します。現在では大型化し3ナンバーサイズになっていますが、この当時のシビックはコンパクトカーの分類に属すサイズでした。
当時日本国内では珍しかったFFハッチバックのシビックはその操縦性の高さから、高性能なモデルを求める声が殺到したといいます。
その声にこたえるかのように初代シビックの登場から2年後の1974年、最初のRSとなるシビックRSが誕生します。
ベースモデルが1.2Lで60psの馬力だったのに対してこのRSでは76psを発揮するようにチューンナップされ、トランスミッションには5速MTが組み合わされました。
初代シティ ターボ/ターボII(ブルドッグ)
ハイパーターボ搭載の初代シティ ターボ
コンパクトカーの致命的な欠点である車内空間の狭さを解決するために全高を高くし、「トールボーイ」の異名で親しまれヒットを記録した初代シティは1981年に誕生します。
翌年の1982年には早くもターボチャージャーを搭載したターボが登場します。新開発のターボチャージャー以外にもニューコンバックスエンジン、ホンダ独自開発の電子燃料噴射装置PGF-FIなどの新技術を採用し、これをハイパーターボと名付けました。
1.2LCVCC水冷直列4気筒横置OHCエンジンの最高出力は100ps。また当時のターボ車としてはトップクラスの燃費である18.6㎞/L(10モード燃費)を実現するなど、画期的なモデルです。
専用開発のサスペンションやブレーキ、バゲットシートなども装備しながらも価格は比較的お手軽だったため人気を博しました。
インタークーラーターボ付きのターボⅡ(ブルドッグ)が登場
出典元:https://www.honda.co.jp/news/1983/4831026.html
ターボ登場の翌年には早くもインタークーラーを装着したモデル、ターボⅡ(通称ブルドッグ)が登場します。インタークーラー搭載は1.2Lクラスとしては初のことでした。
ターボで採用されたニューコンバックスエンジンをさらに進化させ、最高出力は110psにまで引き上げられています。
可愛らしい外見なのに過激ともいえる性能を秘めた、まさに究極のホットハッチとして現在でも人気があるモデルです。
ジムカーナで活躍した二代目シティCR-i(GA2)
出典元:https://b-cles.jp/car/honda_city_2nd.html
シティは1986年にフルモデルチェンジを受け2代目へと進化します。「トールボーイ」の異名の由来ともなった全高の高いボディからは一変、ロー&ワイドなボディとなり更なる走行性能の向上が図られました。エンジンはターボではなくなり、D12A型が搭載されます。
1988年には2代目となって初めてのマイナーチェンジを受けますが、この時にエンジンにも変更があり、1.3LのD13型になりました。さらに電子燃料噴射装置PGF-FI仕様車であるスポーツグレードのCR-i、ラグジュアリーグレードのCZ-iがラインナップに加わります。
当時のジムカーナA1クラスはGA2シティ一色に
このCR-iは100ps以上を発揮し、登場直後の全日本ジムカーナでなんとぶっちぎりの優勝を飾ったのです。
ジムカーナでは続々とこのGA2型シティのCR-iが導入され、2003年の規則改正でA1クラスが消滅するまでの期間はほとんどの参戦マシンがCR-iになってしまうという現象までおきました。
初代フィット1.5S(GD3)にMT追加
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ホンダの中で最もコンパクトなフィット
フィットはホンダの中では最もコンパクトなサイズのモデルであり、2001年のデビュー当時はクラストップの燃費性能と高い走行性能、広い室内空間や個性的なスタイリングなどで高い人気を博しました。
登場時は新開発の4気筒1.3Lガソリンエンジン「i-DSI」を搭載していましたが、2002年には1.5L VTECエンジン搭載車がラインナップに加わります。
スポーティなスタイリングが魅力の1.5S
さらに2004年になるとスポーツグレードとなる1.5Sが追加されます。この1.5Sはエンジン以外にも専用のフロント・リアバンパー、サイドシルガーニッシュを装備したスポーティなスタイリングが魅力的なモデル。
またデビュー当初はフットのトランスミッションはCVTのみでしたが、この1.5Sと1.5Wグレードには待望の5速MT車が追加されました。
二代目フィットにRSの名称復活(GE8)
出典元:https://www.honda.co.jp/news/2007/4071018-fit.html
新開発1.5LL i-VTECエンジン搭載
2007年にフルモデルチェンジを受け2代目となったフィットには”RS”の名称が復活しました。
このモデルには新開発となる最高出力120psを発揮する1.5Li-VTECエンジン、専用チューンナップされたサスペンションなどが装備され、質の高い走りを追求したモデルとなっています。
ハイブリッドRS追加
また2012年にはハイブリッドRSがラインナップに追加されます。フィットはもともと燃費性能には定評のあるモデルでしたが、これによりさらに低燃費を実現しました。
専用装備としてLEDアクセサリーランプ内蔵のフロントグリルや本革スポーツタイプのステアリングホイール、3つの走行モードが選べる3モードドライブシステムなどが搭載されています。
6MTも選べる現行フィットRS(GK5)
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現行モデルにあたる3代目のフットは2013年に登場。ホンダの誇る先進安全・運転支援システム「ホンダセンシング」が装備されました。
2017年に大きなマイナーチェンジが施され、最上級のスポーツモデルにあたるRSにはフィット唯一となる6速MTが用意されました。
最高出力132psを発揮する1.5L直噴DOHC i-VTECエンジンを搭載したホットモデルです。
専用フロントグリルや前後バンパーを装備しホイールは16インチのアルミホイールに。ハンドリング性能も向上が図られるなど、あらゆる面で現在の技術を駆使しコンパクトハッチバックとして生活に密着しながらもホットハッチの名にふさわしい走りを実現する仕上がりになっています。
ホットハッチ以外のRSを冠したモデル
ヴェゼルRS/ハイブリッドRS
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ヴェゼルは現行型の3代目フィットをベースにしたコンパクトSUVです。近年のSUN人気にタイプすべく開発されたモデルで、現行フィットと同じ2013年にデビューしました。
RSはデビューから3年後の2016年に追加されます。RSにはホンダセンシングが標準装備されたほかにもパフォーママンスダンパー、可変ステアリングギシオを採用して走行時の安定性を向上させました。
ガソリンモデルとハイブリッドモデルが用意されましたが、ガソリンモデルには専用装備としてホンダ独自開発のCVTシステム「G・Design Shift」が設定されています。
ジェイドRS/ハイブリッドRS
出典元:https://www.honda.co.jp/JADE/webcatalog/styling/design/
ジェイドはハイブリッドモデルのみのラインナップで2015年2月に日本での販売が開始されましたが、3か月後の5月にガソリンモデルのRSがラインナップに加わります。
直噴1.5L VTEC TURBOエンジンを搭載したこのモデルは131psの最高出力を発揮。力強い加速を実現しながらも優れた燃費性能をもつジェイドRSは時代に合わせたスポーティモデルといえるでしょう。
コーナリング時の車両挙動をスムーズにする電子制御システムのアジャイルハンドリングアシストや足回りの専用セッティングか快適で軽快なステアリングとスポーティな走りを実現します。
ホットハッチ以外のRSモデルもホットなホンダ。”RS”はホンダの走りを楽しめるホットモデルの代名詞、といっていいのではないでしょうか。