ヘルシーに味わえる季節は夏!ジビエ料理は「美味しい」だけじゃなくて「環境」にも優しい理由

     
   

シカ肉イノシシ肉に代表されるジビエ料理

野生動物を食すこの、ジビエが最近様々なメディアで取り上げられています。

ところで、実はジビエ料理をヘルシーに味わえる季節があることをご存知でしょうか?

今回は、あまり知られていないジビエ料理の魅力を掘り下げます。

ジビエ料理って何?


Photo By Hajime NAKANO

ジビエ料理とは、野生動物の肉を使った料理です。鹿や猪などが身近な山村地域などでは、日常的に食べられ、東京都内では高級料理として食べることができます。

その特徴は何といっても、ワイルドな味わい。農場で育てられた肉よりも食べごたえ、噛みごたえがあります。

季節によって変わる味わい


Photo By Tadashi Okoshi/bryan…/su neko/Takeshi Kuboki

ジビエ料理は野生動物の肉です。そのため、季節によって味わいが大きく変わります。

特に、夏は冬眠からあけた動物たちが活発に活動している時期。脂肪分も少なく、ヘルシーで野性的な味わいを楽しむことができます。逆に秋口から冬にかけては冬眠のために蓄えた脂肪分が豊富で、深い味わいを楽しむことができます。

ジビエ料理の肉の種類

ジビエ肉は野生動物の肉です。そのため、実に多種多様な種類がありますが、今回はその中でも最も多く食べられている2種類の動物を紹介します。

鹿肉


Photo By TANAKA Juuyoh

最も代表的なジビエ料理の肉のひとつは、鹿肉です。

鹿肉の中でも特に、肩ロースの部分が美味。野山を駆け回る強靭な筋肉は噛みごたえがありますが、逆にワイルドな食事をしている感覚を味わえます。

また、信州ジビエ普及実行委員会の調査では、牛肉や豚肉よりも低カロリーなのにタンパク質や鉄分が豊富で、実は体にいいこともわかります。

100gあたり 鹿肉 牛肉 豚肉
タンパク質 22.3g 16.5g 19.7g
カロリー 110kcal 316kcal 157kcal
脂質 1.5g 26.1g 7.8g
鉄分 3.1mg 2.4mg 1.1mg
ビタミンB2 0.35mg 0.21mg 0.28mg

イノシシ肉


Photo By Jarosław Pocztarski

私たちがよく食べる豚肉。この豚が家畜化される前の野生の状態がイノシシです。

豚肉同様に独特の匂いがありますが、生姜などと一緒に煮込むことで取ることができます。一方で、焼き鳥のレバーにも似た匂いを逆に楽しむのもまた通な食べ方。

一般的に硬めの肉ですが、圧力釜などで煮込むことで食べやすくすることもできます。

実は環境問題の解決にも繋がっているジビエ料理

野生動物の肉を食べるジビエ料理ですが、実は環境問題の解決にもつながっていることをご存知でしょうか。

実は最近、農山村地域の野生動物による農作物被害、いわゆる獣害が悪化しています。獣害とは、例えば育てていた作物を野生動物に食べられてしまったり、せっかく整地した畑を掘り返されてしまったりすることです。

農林水産省の統計では平成26年(2014年)には226億円もの損失が獣害によって発生しているとのこと。こうなってしまった原因の一つに、私たち人間の活動の影響で鹿や猪などの野生動物が増えすぎてしまい人里まで降りてきてしまった、というものがあります。
※中央環境審議会自然環境部会鳥獣保護管理のあり方検討小委員会 資料より

現在、鳥獣保護の法律が改正され、保護するだけでなく生態系のバランスを保つために頭数を整理するという考え方にシフトしつつあります。

つまり、私たちがジビエ料理を食べることで、増えすぎてしまった野生動物の数を減らし、生態系を守ることにもつながるのです。

まとめ

実は環境問題にもつながっていたジビエ料理。実は、最近野生動物を狩るハンターの高齢化と減少が続いています。

近い将来、もしかしたら熟練のハンターが引退し、本当に美味しいジビエ料理を味わうハードルが上がってしまうかもしれません。

ハンターの人口が減少している理由の一つには、ジビエ肉がなかなか流通しないという理由が指摘されています。これを解決するためには、私たちがジビエ料理をもっと身近に味わうという方法があります。環境にも優しく、ダイエットにも嬉しいジビエ料理をぜひ、この夏食べてみてください。

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