旧車の整備、初代RX-7のオイル漏れを修理してみる!

     
   

初代マツダ サバンナRX-7は、1978年から1985年まで製造・販売されていたモデルです。前期型は、12Aローターエンジン、最高出力130psが搭載されています。

1983年のマイナーチェンジで12Aロータリーターボエンジンが搭載され、165psの最高出力になりました。最終モデルでは、後の2代目にも搭載された13Bエンジンも採用となっています。 

今回は、この初代RX-7を所有している方からの依頼で、コレクションとして収納されている車庫フロアが、オイルまみれになっているので直してほしいとのことでした。

依頼の来た初代RX-7の情報

引用:筆者撮影画像

  • 1979年(昭和54年)式
  • 12Aロータリーエンジン(自然吸気)
  • キャブレター仕様
  • 走行距離 不明
  • ほぼ純正状態

筆者も車を見たときに、「非常に綺麗な車だな~」と感心しました。ずっと車庫に眠っていたために、塗装も綺麗な状態で、ドアモールにもヒビがなく、下回りのさびも少ない車両でした。

車庫の下がオイルまみれになった理由を探る!

引用:筆者撮影画像

車両をリフトに載せて、上に上げて下回りを見て行きます。

オイル漏れをしていることは明白なのですが、実際にどこから漏れていて、どこが深刻な状態なのかを判断するのには、非常に難しい作業でした。

じっくり下回りオイルリークをみるのには、実はリアのオイル使用パーツから観察していくと「目が慣れて」判断しやすくなります。

これは、意外なことなのですが漏れている所が複数個所ある場合は、パーツ点数の少ないところからチェックするのがよい方法です。

  • リアのブレーキ周り→漏れなし
  • リアデファレンシャル周り→漏れなし
  • プロペラシャフトとミッション接合部→漏れあり(上画像の黄色○)

ここまで後ろ半分では、ミッションのオイルシールの劣化などで漏れがあることを確認しました。

引用:筆者撮影画像

さて次にフロント周りを検証していきます。

  • フロントのブレーキ周り→漏れなし
  • エンジン下部→大量の漏れあり
  • エンジン上部→漏れなし

エンジン下部は、オイルパン全体にオイル滲みや明らかな漏れが発生している状況です。このことから車庫フロアの主な原因は、オイルパンからのオイル漏れと判断しました。

オイルパンの修理からスタート

引用:筆者撮影画像

初代RX-7は、非常に多くのボルトでオイルパンを止めています。

まずは、エンジンオイルを完全に抜き取ってしまいます。

次に、オイルパンのボルトを全て外します。

フロントのメンバーが邪魔して外しづらいボルトから、外しやすいボルトまでマチマチなので、ここでは外しづらいところから緩めて、全て緩み終わったら、好きなところからボルトを外します。

ポイント!

外しづらいところから緩める理由は、外しやすいところから作業を始めて、外しづらいボルトが緩まなかったらオイルパンを外す作業が困難になるためです。先に難しいところから作業をするのが鉄則といえます。

 

引用:筆者撮影画像

ボルトを全て外した状態になったら、純正であればオイルパンとエンジンの間には紙製のパッキンが入っています。

じっくりすき間を見てみると、どうやら一度オイルパンを外したことがあるらしく、シーリング剤で止まっているようです。

スクレパーを使用してエンジンとオイルパンの間に入れながら、シール剤と剥離していきます。

剥離できたらオイルパンは、外れてくれます。

オイルパンを完全に取り外すためには、メンバーの後ろにあるアームを外す必要があります。アームの片方のボルト2箇所を外したらオイルパンが抜けてきます。

上画像は、オイルパンが外れた状態です。

引用:筆者撮影画像

 

引用:筆者撮影画像

外したオイルパンは、年数が経過しているので意外と錆や塗装剥がれなどが起きていました。この機会ですからきれいにしてから、ブラック塗装しておきました。

引用:筆者撮影画像

オイルパンを取り付けます。オイルパンを取り付けるときに液体パッキンを使用する方法しか無いと考えていましたが、なんとオイルパンのパッキン(紙)が在庫であったのでそれをチョイス!

規定トルク1.9kg・fと締め付けるパターンがあります。

ミッションオイル漏れの修理に取りかかる!

 

引用:筆者撮影画像

エンジンとミッションの接合部からの漏れがないかを確認するために、セルスターターモーターを一度取り外します。これを外せば、接合部への漏れがあるかが確認できます。漏れはなかったです!

よかったです。ここから漏れがあるとミッションを降ろすことになります。

引用:筆者撮影画像

ということでミッションとプロペラシャフトの接合部からの漏れということがわかったので、プロペラシャフトを外しててシール交換をします。

プロペラシャフトは、アイマークをつけて元通りに組むことで、振動の発生が起きるのを防いでくれます。

引用:筆者撮影画像

外した古いシールです。壊すつもりで外さないと中々取れてくれません。

新しいシールを取り付けし、ミッションオイルとエンジンオイルを規定量入れて今回の作業自体は終了です。

試験するためにエンジンを回して、少し走行して漏れがないかをチェックして、漏れていないので完了です!

まとめ

初代RX-7のオイル漏れ修理をまとめると

・どこから漏れているのかを診断し、修理の方向性を決める

・初代RX-7のオイルパンは、ボルト数が多いのでゆっくり新調に外し、規定トルクと締め付けパターンで行う

・プロペラシャフトは、アイマークをつけましょう

今回は、旧車である初代RX-7のオイル漏れを修理してみました。オイルパンは、意外とオイル漏れする場所です。皆さんも駐車場でのオイル滲みがないか見てみましょう。

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