最近では、非常の多くのエアコンガス補充をしている筆者です。この一ヶ月で15台くらいのエアコンガス補充や修理を行いました。
エアコンに使用されているガスには、種類があります。現在主流になっているエアコンガスは、R134aです。奇遇にも、主流でないR12の車のエアコン不調の作業に巡り合えました。
ここでは、R12のエアコンガス補充での注意点などをお話しします。
R12のエアコンガスって?
引用:筆者撮影画像
1995年くらいまでの車に使用されていたエアコン用のガスです。R12は、冷媒する材料にフロンを使用しています。このフロンが、オゾン層破壊を行ってしまうという事で、R12の使用中止となりました。
現時点でR12は、製造中止となっているガスです。
理論的には、車の寿命は10年から15年くらいであるとするならば、2010年前後にはR12を使用した車が、世の中から無くなっていることになります。
ただ、こうして筆者もR12仕様の車を作業できるという事は、世の中にまだその年代の車が残っているという事でしょう。またR12ガスの値段は、年々上がっているようです。
R12のガスとR134aのガス補充って?何が違うの?
引用:筆者撮影画像
基本的な作業方法などは、現在主流のR134aと大きな違いはないと考えます。
まずは、低圧・高圧のバルブの大きさが、R134aとは反対です。R134aは、低圧側が小さく、高圧側が大きいバルブ形状なのに対して、R12は、低圧側の方が大きいです。
そしてカプラーオンではなく、ネジ式になっています。
エアコンをかけて、冷たくなる配管の方が低圧、暖かくなる方が高圧と覚えておくと良いでしょう。
という事で、R12用チャージングホース(マニホールドゲージ)とR12ガスが、補充には必要となります。
エアコンガスR12補充…
夕方の補充前の冷風温度19度から補充後は5度(笑)
一年でダメになるから、ガス漏れ修理しないとな~( ̄▽ ̄;) pic.twitter.com/ktGA6xpVR1— もと (@mcintosh406s) June 7, 2020
古い車では、上のようにガス漏れが起きている車もあるようです。当然R12ガスが漏れていることになるので、オゾン層破壊につながってしまうことになります。
環境のためにも、R12が漏れ出さないように修理した方が良いですね。
R12のチャージができるマニホールドゲージ
引用:筆者撮影画像
筆者的には、ガスの補充だけなので一本の目盛り付きのチャージングホースがあれば楽だなと思ったのですが、やはり古い規格なのでありませんでした。
R12は、R134aとは違い、ネジ式のバルブになっています。このためR12用の取り付け金具が必要になります。たまたまほとんど使用されていマニホールドゲージがあったので、お借りすることにしました。
今回使用するのは、マニホールドゲージの低圧側ホース、チャージ用のホースです。
ただ、メーターがPSIになっているので先に計算しておきました。
気温は、30度を超えています。1500回転での低圧側ガス圧が、2.5kg/cm²マックスの計算で、換算すると245PSIとなります。計測すると、150PSIまでしかありません。
ガス補充が必要であると感じます。という事でガス補充を行い、作業終了です。
R12ガスは、R134aの車よりも良く冷える気がします。冷たーい風が出てきました。
エアコン冷え冷え〜🐧
ガスは去年補充したから今年は大丈夫かな?
R12ガスの残りストックは10本・・
もっと買っておいた方がいいかな?😅#AE86 pic.twitter.com/Ojhbs0IcSi— しろ (@AE868655) June 23, 2021
古い車のエアコンには、R12ガスが使用されています。R12タイプの補充ガス缶
うちのJA11(1型)はこれを入れています。ちょっと高いですがR12ガス仕様のまま使えますよ。 pic.twitter.com/gIoMfG5iT7
— かずと (@hitori_5664) September 6, 2020
R12ガスは、現在製造されていません。ただR12対応のガスもあります。2000円~3000円くらいのようです。またまれにR12ガスの販売もあるようですが、こちらはかなりお高く、1本6000円なんて値段が付いているのもあるようです。
+α R12の作業中にも・・・
引用:筆者撮影画像
その日は、筆者在住の豪雪地域でも気温が30度を超える気温になりました。そのためエアコンの効きが悪いという症状に見舞われる人も多かったようです。
R12のエアコンガス補充をしている間に、一台のハイエースが来ました。それは、「エアコンがヌルイような気がする」とのことでした。
引用:筆者撮影画像
ハイエースは、ボンネットを開けると、いつも見慣れた低圧側、高圧側のバルブがあります。そしてサイトグラスも付いています。
引用:筆者撮影画像
この気温にしては、接続した状態でこの数値だと、少し少ないような気もします。
引用:筆者撮影画像
エンジンをかけ、アイドリングで上記の数値です。
引用:筆者撮影画像
1500回転で計測すると、最終的には、規定容量より少し低い2キロくらいで安定してます。という事は、エアコンガスは大体入っているという事になります。
出口からは、比較的冷風が出ているとも思います。そこで少しだけ補充をし様子を見ることにしました。一人運転席で1500回転をキープしながら、エアコンの風の冷たさを見てもらいます。
2.3キロくらいまで数値があがった時に、「冷たくなった!」との声があり、そこで補充をストップしました。
20℃ | 25℃ | 30℃ | |
低圧側適正圧 | 0.14 | 0.17 | 0.21 |
許容範囲 | (0.09~0.18) | (0.11~0.22) | (0.15~0.25) |
単位は、メガパスカル
エアコンガスの補充は、基本的に数字をにらめっこしながら行いますが、基準範囲内であれば補充することで、エアコンの機器が良くなることも在ると思います。
まとめ
R12エアコンガス補充がキター!補充の注意点など+α
- R12もR134aも基本的に、作業は同じです。取り付け金具、種類、ガスが違います。
- R12ガスは、貴重なので非常に値段が高くなっています。
- オゾン層を破壊してしまうフロンガス仕様のR12は、なるべく大気開放しないようにしないとなりません。
作業自体は、それほど難しくないのですが、やはり取り付け金具が大きく違うのと、低圧・高圧の考えからに違いがあるといえます。作業は、間違えないように気を付けましょう。