わんこの五感、どのくらい知ってる?柴犬まるが教えるアニマルウェルフェア入門

     
   

9月しょっぱなのイキクルは、東京大学で行われた「アニマルウェルフェアサミット」のお話からスタートだよ~!

この日はイキなクルマ……じゃなくて、イキな自転車で行ってきたの。ごめんね!

まるが参加した授業に来てくれたみんなには復習になるけど、

来られなかったみんなのために、今日はまるたちわんこや動物さんのお話を聞いてほしいな。

犬楽~犬の五感を知ろう~

当たり前っちゃあ当たり前なんだけど……まると人間とは作りが違うから、感じ方も、能力や機能もぜんぜん違うんだよね!

まずは、わんこの五感について話していくね。

「犬の嗅覚」について

先週のイキクルでも伝えたけど、わんこは匂いの世界で生きる生き物だから、嗅覚はマジ大事なんだよね~。

言うなれば、人間が目を使うように、わんこは鼻を使うんだよ。

実はね、わんこの鼻って切れ目があるんだ!まるもそうなんだよ、見てみて!

ね?切れてるよね~。

これはね、ヒクヒクさせやすいための切れ目なんだ。

でね、正面だけじゃなくて横から空気を取り込んで、それで嗅ぎやすくするためなんだよ~。

そうそう、まるも初めて知ったんだけど、人間のみんなには指に指紋ってあるでしょう?

まるたちわんこはね、鼻にあるんだって!その名も、鼻紋(びもん)!ウケるね!

「犬の聴覚」について

わんこは人間の聴覚の4倍、音域によっては数百倍もの聴覚があってね、特に高い音が得意なんだ!

そういや、若い女子のワーキャーにはついつい反応しちゃうなあ~、でへへ~。

わんこは大げさなぐらいの高い声でほめてくれると、すっごく喜ぶからね!男子諸君もぜひやってみたまえ~。

「犬の視覚」について

実はね、わんこは赤や緑が認識できないんだ。

赤は濃い黄色というか、茶色っぽく。緑は黄色っぽく、紫は濃いめの青っぽく見えてるんだよ~。

だから芝生で赤いボールを使って遊ぶとなると、色で識別して追いかけてるってよりは、匂いを追っかけて取ってこいごっこをすることになるんだって!

まるは赤いボール持ってないから、そのへんなんとも思ってなかったよ~。しかしわんこの嗅覚恐るべし!だね。

 

「犬の味覚」について

人間の味蕾(みらい)は9,000個もあるけど、わんこは1,700個しかないんだって!

元来わんこは塩気のものって食べてこなかった歴史だから、感じる必要がなくて、しょっぱい味が分からないんだってさ~!

うーん、まるもしょっぱいのわかんないかも~。

だって喉が乾いたら海のお水飲んじゃうけど、毎回パパに止められちゃうんだ。

人間の感覚からしたら、考えられないみたいだね~。おかしいね!

でも、お水の味や鮮度にはうるさいんだ!

これは人間もそうだけど、わんこにとってもお水は生きるのに本当に必要だし、飢えよりも乾きのほうが断然つらいからね。

まるが流水好きなの、わかるでしょ~?

最後に、「犬の触覚」について

今まで一般的には、わんこは痛みを感じにくいと考えられてきたんだけど、最近では、痛みを見せないようにしている、という考え方が主流なんだって!

それは、痛みをあらわにしていると、自然界では弱いものとして狙われちゃうからなんだ。

だから今でも、痛みを隠す傾向にあるし、飼い主さんが大好きだから心配かけないようにしている優しいわんこも多いと聞くよ~。

わんこって、なんてけなげなんだろう!

だからこそ、わんこが痛いのを我慢しているそぶりには、いち早く気づいてあげてね!

例えば、ノビをひんぱんにしているときは、下腹部や膀胱に痛みを抱えている場合もあったりするみたい。

肩の神経を傷めているときには、肩からつながってる指先を舐めることもあるんだって。

特に梅雨の時期なんかに指先をよく舐めてるわんこがいるけど、必ずしも指先が気持ち悪いっていう理由ではないかもしれないんだ。

よーく観察してあげてね!

アニマルウェルフェアの原則:「動物の5つの自由(The five freedoms)」

ところで、みんなは「動物の5つの自由(The five freedoms)」って聞いたことあるかな?

知らない人も多いと思うから、紹介するね!

1. 飢えや渇きからの解放(Freedom from Hunger and Thirst)
(1) 動物が、新鮮できれいなお水をいつでも飲めるようになってる?
(2) 動物が、健康を維持するために栄養的に充分なご飯を与えられてる?

2. 痛み、負傷、病気からの自由(Freedom from Pain, Injury or Disease)
(3) 動物は、痛み、外傷、あるいは疾病の兆候を示していないかな?
もし示していたら、診療され、適切な治療が行われている?

3. 恐怖や抑圧からの自由(Freedom from Fear and Distress)
(4) 動物は恐怖や精神的苦痛(不安)の兆候を示していない?
  もし、そのような徴候を示しているなら、その原因を探して、その徴候をなくすか軽減するために的確な対応がとれてる?

4. 不快からの自由(Freedom from Discomfort)
(5) 動物は、適切で清潔な環境下で飼育されているかな?
(6) その環境には、風雪雨や炎天を避けられる屋根や囲いの場所はある?
(7) その環境に怪我をするような鋭利な突起物や危険物はない?
(8) その動物が安心して手足を伸ばして休める、十分な場所がある?
(9) 知らない人が来たり、車の往来が激しかったりして、不安になってない?

5. 自然な行動をする自由(Freedom to Express Normal Behavior)
(10) 動物は、その習性に応じて、群れあるいは単独で飼育されてる?

ちなみにわんこは群れで生きる習性だから、ひとりぼっちの時間ばかりじゃ寂しくて不安でつらいんだ。

だから一緒にいられる時間が少なくても、いっぱい話しかけたり、遊んだり、なでたりしてね!

人間のみんなには、5.が一番理解しにくいかもね。

その動物の習性・生態に沿った行動ができるようにすることなんだ。

自然な行動ができるようにするには、「その動物が野生ではどのように行動するのか?」を知らなければいけないよね。

だけど、すでにわんこやにゃんこみたいな伴侶動物としての歴史が長い動物は、どんな行動が自然なのかな?

その動物が何をしたいのかな?何を求め、何を欲しているのかな?

動物を飼うということは、自分以外の『意思あるもの』と暮らすということ。動物はもともと正常行動への欲求を持ってるから、その抑制はストレスとなっちゃうんだ。

決して慣れたとか平気なんじゃないんだ、みんなに好きでいてほしいから我慢してるんだよ!

そもそも「動物愛護」と「アニマルウェルフェア」の違いって?

まるが勉強して感じたことはね、動物愛護が人間中心の考えで、アニマルウェルフェアは動物が中心の考えということなんだ。

そして、どっちも対象は動物なんだけど、動物愛護は感情的であり、アニマルウェルフェアは科学的だということ。

というのは、動物愛護の目的は、「動物を守りましょう」「動物を愛しましょう」って人に対して訴えかけることにあるのに対して、

アニマルウェルフェアの目的は、「動物にとってよい状態を理性的な判断にもとづいて、科学的に作り上げましょう」ということにあるみたい!

これってね、まるたちわんこや動物のみんなにとっては、とっても大きな違いなんだ!

例えば、外でわんこにおしっこをさせると不衛生ということで、「犬は家で排泄を済ませてから散歩しましょう」って指導する市区町村がすごく多いんだけど、それって、世界は人間だけのものとしか考えてないなって思って寂しいよ。

だって、まるたちわんこの習性を何もわかってくれてないんだもん。

お散歩でおしっこするのも、まるたちはコミュニケーションの一つなんだよね。

それにさっき「犬の嗅覚」でも話したけど、わんこは匂いの世界で生きているから、匂い嗅ぎをさせるなという指導は、まるで人間に目隠しして歩きなさいって言ってるのと同じぐらい、不安で怖いこと。

お散歩なんてちっとも楽しくないものになっちゃうんだ。

パパとママは、まるを迎えてからお散歩に出るまでの間に、やっぱりしつけとかトレーニングをまるにしたけど、実際のお散歩では、好きなだけ匂い嗅ぎさせてくれるし、好きな方向にお散歩に連れて行ってくれるよ!

でも必要なときは、「付いて」っていうコマンドで、まる、ちゃんとパパやママの足元でじっとすることができるんだ。

これは、わんこの習性を大事にしてくれていることと、飼い主がマナーを守ることで、まるが人間社会で嫌われないように生きていく術(すべ)なんだと言ってたよ!

わんこは人間のパートナーだからだって。だからまるは、お散歩だ~いすき!

動物は、「命あるもの」だけではなく、「感受性のあるもの」

動物愛護は、動物に関心の強い人が、動物への虐待や非倫理的扱いなどから動物を守ること。

で、「愛護」という言葉は、その対象物を好きか嫌いかという人間の感情をもとにした言葉なんだ。

一方、アニマルウェルフェアは、好きか嫌いかが問題ではないんだよね。

例え動物が嫌いであっても、人間という種に属さないという理由で、その動物の生きる権利を奪うことも、その動物を虐待することも倫理的には許されないという考え方だよ!

動物にとって安定感があるのは、だんぜん後者だよね~。

ちょっと厳しいことを言うけど、いまの日本では「動物愛護」という言葉が多用されているよね。でも聞こえのいいこの言葉は、しばしば動物から搾り取って、権利を奪うことを正当化するためにも使われているんだよね。

例えば日本の犬猫の殺処分施設は、「動物愛護センター」の中に作られていること、みんな知ってるかなあ?

それに動物実験を行う人も、動物を商品として売買している人も、「動物愛護の精神をもって」という言葉ひとつで、動物を利用しつづけることができるんだ。

この現状を維持するために、「動物愛護」がオブラートに包むための言葉として使われることもあることを、まるのお友だちのみんなには、ぜひ知っててほしいな。

でもね、ただ言葉だけで、「あそこはダメな団体だ、あの人の言葉は薄っぺらい」なんて絶対に決めつけないでね!

だって、まるはこれからも動物愛護をうたっている人たちともお仕事するよ。少しずつでも、この世界は人間だけのものじゃないってことを伝えるために!

もっともっと勉強して、人間の一番のパートナーだと気づいてもらえるためにね。

今週は、すっごく堅い話が長くてごめんね!

「アニマルウェルフェア」は、まだまだちょっと耳慣れない言葉だけど、なんとなく理解してくれたらうれしいな~。

来週は久しぶりにどこかドライブに行ってくるね!

みんなの明日もきっといい日だよ。

また来週、笑顔で会おうね~!ならばい!

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