日産・クルーの対抗馬としてデビュー
時を経て1995年(平成7年)、小型タクシーや教習車専用車として先に発売されていた日産・クルーに対抗すべくトヨタが発売したのがコンフォートです。同時に、クラウンセダンのイメージを保ちつつ中型タクシー専用設計としたクラウン・コンフォートも発売されます。
日産・クルー
クラウン・コンフォート
コンフォートのベース車両は1988年(昭和63年)に発売されたX80系マークⅡのセダンで、フロントはストラット式、リアはリンクリジッド式のサスペンションを採用しています。これに対しクルーは、C32系ローレルセダンのフロント部分とY31系セドリック営業車のキャビンやリアのフロアパンを組み合わせた構成になっていました。
コンフォート最大の特徴は、あえてボディ剛性を落としているところにあります。スポット溶接の箇所を減らすことでボディの強度を弱め、路面などから伝わるストレスを柔軟に分散する骨格としました。これにより、40万km以上の走行にも耐えうるものになっています。
発売当初はタクシー仕様が2,000ccのLPGエンジン、教習車仕様が1,800ccのガソリンエンジンと2,400ccのディーゼルターボエンジンというエンジンラインナップでした。これに5速MTと4速ATのいずれかが選択できました。後にディーゼルエンジン搭載車は廃止され、現行モデルではガス液体噴射方式のLPGエンジンと2,000ccのガソリンエンジンの2タイプ構成になっています。