ホンダ N-BOXは、2011年発売の初期モデルから、アイドリングストップを採用しています。アイドリングストップは、環境の保護や燃費向上の為に有効的な機能ですが、ある日突然作動しなくなる事があるのです。
アイドリングストップの故障なんて、修理費用が恐ろしく高額なんじゃないかと、不安になりますよね?
N-BOXのアイドリングストップが作動しなくなってしまった場合の原因や対処法、アイドリングストップのバッテリーについてご紹介致します。
アイドリングストップが作動する条件
アイドリングストップは停車時に自動でエンジンが止まり、ブレーキを離すと再始動するのが正常な状態です。アイドリングストップが作動するには、実は様々な条件があるのです。
この条件をクリアしていない時は、アイドリングストップが作動しません。
それでは、アイドリングストップが作動する条件を見てみましょう。
N-BOX アイドリングストップが作動する条件 |
・ECONスイッチがONになっている ・運転席シートベルトが装着されている ・冷却水の温度が62.5℃~110℃の間 ・トランスミッションフルードの油温が10℃~103℃の間 ・エンジン始動後5km以上走行する ・シフトが「D」に入っている ・ボンネットがしっかり閉まっている ・バッテリー内部の温度が5℃以上 ・バッテリーの充電量が充分にある |
これらの条件が全てクリアしている場合は、通常ならアイドリングストップが作動します。
逆に、この条件をクリアしているにも係わらず、アイドリングストップが作動しない条件も存在します。
N-BOX アイドリングストップが作動しない条件 |
・急な坂道で停車した時 ・エアコンを使用していて外気温が-20℃以下又は40℃以上の時 ・フロントガラスの曇り取りをONにしている時 ・急ブレーキで停車した時 ・エアコンの風量が多い時 |
このような条件の時は、作動する条件をクリアしていてもアイドリングストップが作動しな場合もあります。
では、条件を満たしているにも係わらず、アイドリングストップが作動しない場合は、何が原因なのか。
バッテリーが寿命
アイドリングストップが作動しなくなる原因は、ほぼバッテリーの寿命なのです。
アイドリングストップ付きの車には、専用のバッテリーを使用しており、
N-BOXの場合は「M-42R」というサイズのバッテリーが適合します。
アイドリングストップの車は、エンジンの始動・停止を頻繁に繰り返す為、バッテリーに大きな負担がかかるのです。
通常バッテリーの診断は、バッテリーテスターを使用して行います。アイドリングストップが作動しなくなったN-BOXのバッテリーをバッテリーテスターで診断してみると、「良好」の診断結果が表示される為、原因はバッテリーではないのでは?
しかし、コンピューターテスターを車両につないで診断すると、「アイドリングストップ禁止・バッテリー劣化」と表示されるのです。
これは、通常の走行には問題無いレベルのバッテリーだが、アイドリングストップを作動させるだけの電圧が不足しているという事。
バッテリーの電圧が不足している為に、ECU(エンジンコンピューター)が「異常」と判断し、アイドリングストップを作動させなくするのです。
アイドリングストップの作動条件の中に、「バッテリーの充電量が充分にある」という項目がありましたね?この条件に当てはまる事になります。
バッテリー交換後のリセット方法
N-BOXの場合、原因となるバッテリーを交換しただけでは、問題が解決しません。何をするかというと、ECUの再設定を行わなければなりません。
バッテリーを交換した場合や、何かの作業の為にバッテリーターミナルを外した場合はECU内のアイドリングストップの設定が解除されてしまいます。
アイドリングストップを正常に作動させる為には、再度設定を行う必要があるのです。
この設定作業は、ディーラーに持ち込まずに、自分で簡単に設定できます。
設定方法をご説明します。
N-BOX アイドリングストップ設定方法 |
①ライトやエアコン類のスイッチを全てOFFにします ②エンジンスタートボタンを押し、ACC→ON ③エンジンを始動させます ④そのまま1分間程度アイドリング状態にする ⑤エンジンをOFF ⑥②~⑤の作業を4回繰り返し行う |
スピードメーター内のアイドリングストップランプが、オレンジ色から緑色に変わるのが、設定完了の合図です。
この作業を行っても、アイドリングストップが作動しない場合は、設定が上手く行われなかった可能性がありますので、もう一度①からやり直してみて下さい。
N-BOX アイドリングストップ専用バッテリーについて
先ほど、N-BOXのバッテリー適合サイズは「M-42R」とご説明しましたが、このサイズの見方や価格についてご説明します。
まずサイズの見方です。「M-42R」の「M」はバッテリーのサイズです。
Mのサイズとは、横幅200mm×奥行き129mm×高さ203mmとなり、
数字の「42」は、バッテリーの性能を表します。
アルファベットの「R」は、バッテリーのプラス端子が右側であるという事です。
性能に関しては、「42」よりも大きくても大丈夫です。例えば「55」や「65」などがあります。バッテリーの価格がそこまで違わないなら、性能が高い方がおすすめです。
次に価格についてご説明します。アイドリングストップ専用のバッテリーは、標準のバッテリーよりも高いです。
一例ですが、「BOSCH M-42R」価格7.730円 「GSユアサ M-42R」価格7.157円です。国産ではありませんが、アトラスバッテリーなら6.020円程で購入可能。
ガソリンスタンドやディーラーでバッテリー交換をお願いすると、20.000円程かかりますので、自分で交換できる方は、アマゾンなどで購入しECUの再設定まで行えばかなりお得に交換できますよ!
N-BOXのアイドリングストップが、気付いたら作動しなくなっている方は、まずバッテリーの寿命を疑ってください。作動しなくても走行に問題はありませんので、そのまま放置している人も多いのではないでしょうか?バッテリーの交換は少ない工具で比較的簡単ですので、是非トライしてみてはいかがですか?
N-BOXに限らず、ホンダの「Nシリーズ」は条件やリセット方法が共通になっているようですので、参考にしてみてください。