男が何の車に乗っているかは、女がどんなバッグや靴を身に着けているかによって相手に対する見方が変わるとの同じなのではないだろうか。付き合ったら金がかかりそうだなとか、嗜好品にはあまりお金をかけない倹約家だから家庭的なのかも、とか、持ち物一つで相手の経済力や志向性を勝手に想像したりするものだ。
バッグで例えるならは、エルメス、ボッテガベネタ、グッチ、イヴ・サンローラン、マイケル・コーズ、ケイト・スペード等があるだろう。意中の女の子が初デートでマイケル・コーズぐらいだったら、「それなりに生計は立てていて、バッグに充てるお金の余裕もあるんだろうな」くらいだし、イヴ・サンローランあたりであれば、バリバリ働いてボーナス奮発して買ったんだろうなくらいに思うだろう。ただ、初っ端からエルメスなんて持ってこられたら、男が相当稼いでない限りは若干「引く」だろう。多分これは男の車にも言えること。
車の中でも、じゃあBMWは?
前回は、筆者のとあるデートエピソードからマセラティオーナーを査定したが、次の査定ターゲットはBMWだ。残念ながらBMWオーナーとのデートとはこれまで縁遠かった筆者、過去に知り合ったBMWオーナーデータを基に、彼らのプロファイリングをしていきたい。
BMWオーナーたちのプロフィールを総じて見てプロファイリングするならば、
「少し背伸びしても高級車には乗りたい、硬派な男」
年収:600万以上~2500万程度
職業:中小企業の経営者、上場企業の部長職以上、外資系サラリーマン、医者、弁護士
特徴:高級車に対しての憧れが強く、BMWというブランドが何よりもカッコいいと思っている。ただし、車には派手さを求めるよりも、寧ろ性能にこだわる。
派手すぎず、地味すぎず「ちょうどいい」
「BMWの中でも、何乗ってるの?」なんて聞くよっぽど車好きな女性の方が少ないだろうが、BMWM6クーペ、M6 カブリオレ、M6 グランクーペ、i8レベルであれば、中古でも1000万以上するものもあるので、たしかに「おお!」とはなる。
ただ、中古だと400万程度から買えるものもあるので、車好き女子のハートを射抜くには若干攻撃力に欠けるが、デートに高級車で迎えにこられたら恥ずかしくて仕方がない女子には、「ちょうどいい」車なのかもしれない。
ただ、真面目すぎ?『自動車界のリッチな公務員』
シボレー・カマロやダッジ・チャレンジャーのSRTヘルキャットのような、まさにアメリカンマッスルカーと呼ばれる、ちょっと不良(ワル)っぽい類の車が好きな筆者としては、BMWはちょっと堅すぎ……と思ってしまうのが正直なところ。遊び心がないわけではないんだけどね。「俺、長年堅実に働いてきて、ようやく高級車を手にしたよ」感がどうしても・・・あるんです・・・。
さらに言えば、BMWオーナーと聞いて想像するオーナーのイメージは、
・もっぱら服装はバーバリーやBOSSで、黒や白のシンプルカラーコーデか、ラルフローレンT-シャツを着るカジュアルめスタイル。
・髪型ブロックにする意味って何?普通でよくない?もちろん髪色は黒。髪で遊ぶ概念なし。
・性格は、根が真面目。車が派手で目立つかなんてそこまで大事じゃない。それより、車はパフォーマンスでしょ?エクステリアはシンプルで良いんだよって言いそう。
さて、想像力をフルに総動員してみたが、やはりBMWにはお堅いイメージが付いて回る・・・・・否定するわけじゃないんですよ、全然。完全に好みの問題です。BMWを一言で言い表すならば、『自動車界の公務員』ですかね。もちろん、BMWというブランドに行くくらいだから、ミーハーではあるんだろうけど。
(文/シーナ・リリー)
東京カレンダー「花より高級車」連載