友人から「トランクがまったく開かなくなった」と連絡がはいりました。外からトランクを開けるのに、キャッチを「パタン」とつかめば、解除され開くはずのトランクのキャッチが、全く「うんともすんとも」言わない状態となってしまいました。一体なぜなのでしょうか。今回は、トランクが開かない状態の修理に挑戦!
修理に挑戦した車種の詳細
引用:筆者撮影画像
今回修理に挑戦した車種は、平成25年式 ダイハツ「タント」です。
比較的外装も下回りも錆が少なく、綺麗な車に見えました。
筆者の住んでいる地域は豪雪地帯で、融雪剤(塩カリ)散布の多い地域のため、錆による不具合も少なくはありません。
※塩カリとは塩化カリウムの略で、最近では、値段の安い塩カル=塩化カルシウムや、ただの塩が使用されたりもしています。
トランクが開かない原因を探る
引用:筆者撮影画像
何はともあれ、筆者もトランクを開けようと、キャッチをつかんでみたりしたのですが、全くビクともしません。
まずはトランクが開いてくれないと、原因の究明もしづらい状況です。
このタンクには、トランクをキーで解除する機能がついていません。
そこで、運転席にあるロック・アンロックボタンを解除すれば開くのではないかと思い、やってみると、いとも簡単に開いたのです。
スマートキーの「ロック・アンロック」でも解除は可能でした。
トランクが開いたところで、原因を探るために、キャッチを覗き込んでみると、キャッチが作動する部分(黄色○部分)がサビサビになっていて固着しています。
部品を調べて、注文していく
引用:筆者撮影画像
早速ダイハツさんに電話をすると、「えーと、在庫が○○に有りますよ」との事でしたので、取り置きをしてもらい、すぐにうかがうことにしました。
「在庫があってよかったです」と話すと、フロントの方から「よく出るパーツなんで」との回答。そのときは、「ん?」と思いながら、修理を完了したかったので、気にもしないで購入し戻りました。
ちなみに、この部品の価格は1,970円(税別)です。
引用:筆者撮影画像
せっかくパーツを買いに行ったので、このパーツ周辺の情報も頂きました。
※筆者のワンポイントアドバイス!
部品を買った時には、できるだけそのパーツの周辺構成図面等を貰っておくと作業を進めるときに役に立つだけでなく、解らないまま憶測で作業をして、他の部分を破損させることも少なくなるでしょう。
修理作業にとりかかる
引用:筆者撮影画像
まずトランクの内張りを外します。
ダイハツ タントは、プラスチックのプッシュリベットで内装を外からとめているので、それを全部はずしてください。
他メーカー(大手軽自動車メーカー)では、内張りの内側にプラスティッククリップで止まっているものが多いのですが、タントは外側で止まっています。
内張りを外した状態のトランク内側が、下記の画像です。
交換する予定のパーツは、赤○で囲まれたところに隠れてインストールされていました。
引用:筆者撮影画像
このパーツは10mmのボルト2つで止まっているのですが、ここで構成図が役に立ちます。
このボルトを外してからでないと、トランクの外側のガーニッシュが外れない構造になっていたのです(無理やり外したら壊れます)。
黄○のブルーのプラスティックパーツ(リンケージ)を外して、2箇所の10mmナットを外します。
引用:筆者撮影画像
そして、トランク外側のガーニッシュを取り外します。
裏側で止まっているクリップの方向から、下向きに引っ張れば、パカッと外れるので、思い切って外してください。
引用:筆者撮影画像
ここで、キャッチパーツがお目見えしたのですが、写真の通り錆びだらけです。
引用:筆者撮影画像
外したパーツをまじまじ見ていると、やはり稼動することで動くスプリングパーツなどがサビサビでどうにもならない状態でした。
このパーツはキャッチの内側がムキ出しで、スチール部分が見えている状態のため、雨、雪、塩害(塩カリ)が、走行中の巻上げ等で直にかかってしまうことが想像できます。
そのため、錆びてしまいやすいパーツなのです。先ほどフロントの方が仰っていた「よく出るパーツなんで」というのが理解できました!
引用:筆者撮影画像
新しく買ってきたパーツを組み込んで、ガーニッシュを取り付け、トランク内側の10mmナットを止めて、この時点で一度開閉確認すると、綺麗に開閉するようになりました。
内張りのプッシュリベットを全部とめるて修理完了です。
まとめ
トランクが開かない原因と修理をまとめると
①経年によるサビや防水のされていないキャッチパーツによる固着が原因でしょう。
②買ったパーツの構成図をもらうことで、失敗の少ない修理が可能になります。
③交換作業は、30分くらいでできるので、DIYでも充分に対応可能です。
筆者の住んでいる地域は、豪雪地方なので、融雪剤(塩カリ)を多く散布する地域ということもあり、完全に錆びてパーツが固着してしまっていました。
トランクが開かないときは、こういった事象もあることを覚えておくと良いでしょう。