ノンターボ重視から一転、ホンダが開発したターボエンジンは如何に!

ノンターボ重視から一転、ホンダが開発したターボエンジンは如何に!
     
   

ホンダのエンジンいえば、自然吸気で高回転まで回るVTECが特徴であった時代が長くありました。

そのため筆者だけでなく多くの方が、ホンダ=VTEC 高回転NAエンジンが最大の魅力と思っているかもしれません。

ホンダでは、2013年辺りからVTECターボが開発され搭載されています。

ここでは、ホンダVTECターボエンジンを解剖してみます。

自然吸気i-VTECエンジンって?

 

引用:https://www.honda.co.jp/news/2005/4050705a.html

ホンダがVTECエンジンを開発した理由は、当時のエンジンでは負の特性となっていた高回転型と低回転型の両立が出来ないことと、1Lあたり100psという目標があったためです。

ホンダは、カムシャフトの構造を革新し、低回転時のバルブ開閉と高回転時のバルブ開閉を変えることで、初期のVTECエンジンが完成しています。

1989年のインテグラから搭載され、進化を続けて2005年にはi-VTECにまで進化しています。

i-VTECとは、知能電子制御のVTEC機構が発進や加速時では吸気効率が最大となるバルブタイミングとなり力強い加速が行え、クルーズ走行などの際には、吸気バルブを閉じるタイミングを遅らせて燃費を向上を狙うエンジンです。

「1.8L i-VTEC」エンジンの特徴は、2.0Lに匹敵する走りと、1.5L並みの燃費を両立させたエンジンとなっています。

ホンダは、ターボ全盛期時代でも自然吸気VTECエンジンを貫いた

1980年代からどんどん他メーカーがターボ搭載をしていく中、同社では、シティターボやレジェンドなどの一部にターボ搭載はしたものの、自然吸気を貫いていました。

ホンダは、自然吸気でより良いシステムを作り出すことで、「他社ターボモデルに負けない」という強い意志と信念が、当時からあったのではないでしょうか。

1980年代から1990年代でのターボ全盛期モデルたち(2.0L比較) 

  • トヨタ スープラ E-GA70 2.0L 210ps
  • トヨタ セリカ E-ST185 2.0L 225ps
  • ニッサン スカイライン E-HCR32 2.0L 215ps
  • ニッサン パルサー E-RNN14 2.0L 230ps
  • ニッサン シルビア E-PS13 2.0L 205ps

などがあり、他にも多数の車種がターボ搭載をしています。

このときホンダVTECモデルでは、1989発売のインテグラ E-DA6 1.6L 150psがラインアップしてインテグラ最終期(2000年)のタイプでは、1.8L 200psまで高められたモデルが販売されていました。

1991年発売のプレリュードでは、E-BB1 2.2L 200psというSi VTECモデルが販売されています。

各社が、ターボ搭載で最高出力を上げ、当時の自主規制である280psをマークしていく中、ホンダは自然吸気エンジンによる乗りやすく、扱いやすい高出力・高回転モデルを作っていたと考えます。

VTECターボエンジンの開発と登場

ホンダは、一部のターボ(シティターボ)などを除き、歴史のほとんどを自然吸気エンジンに絞って開発搭載していました。

そのホンダが、2013年にターボエンジンを開発しました。それも直噴ガソリンターボエンジン「VTEC TURBO」です。

この開発によって、乗用モデルだけでなく軽自動車の多くにターボモデルの搭載が開始されています。

現在の主流になっているダウンサイジングターボは、燃費向上と走行性能を両立させたシステムです。これをホンダも採用したということでしょう。

「VTEC TURBO」の特徴は、ホンダの理念である高回転まで気持ちよく回るターボエンジンとして開発できたことで、搭載できたといえますね。

2.0L 4気筒直噴ガソリンターボエンジン

 

引用:https://www.honda.co.jp/news/2013/4131119b.html

2.0Lターボエンジンは、VTECエンジンとしてのホンダの思想をかなえたユニットとして、高出力型(ターボ)、直噴技術、高性能冷却システムを採用し、高出力だけでなく高レスポンスも実現したエンジンです。

最高出力280ps以上の高出力と、2014年より施行される欧州の排出ガス規制「EURO6」へも適合した高い環境性能を両立した新ハイパフォーマンスエンジンに仕上がってます。

  • 現行シビック タイプRに搭載の2.0Lターボエンジンは、最高出力320ps・最大トルク40.8kg・mです。
  • シビック タイプRの2.0L自然吸気エンジン時代(2007モデル)では、最高出力225ps・最大トルク21.9kg・mです。

ホンダがターボエンジンを開発したことで、確実にパフォーマンスが上がっていると考えます。

1.5L 4気筒直噴・1.0L 3気筒直噴ガソリンターボエンジン

引用:https://www.honda.co.jp/news/2013/4131119b.html

可変動弁機構(VTEC)を採用し、さらに徹底した低フリクション化を図った新骨格エンジンとして設計されています。

ここに低イナーシャ高応答ターボチャージャーを搭載し、直噴技術の採用で従来の自然吸気エンジンを凌駕したコンパクトエンジンです。

  • 現行ステップワゴンに搭載の1.5Lターボエンジンは、最高出力150ps・最大トルク20.7kg・mです。
  • ステップワゴン 2.0L時代(2014モデル)自然吸気エンジン時代では、最高出力150ps・最大トルク19.7kg・mです。

500cc排気量がダウンしていますが、最高出力・最高トルクともにほぼ2.0Lエンジンと変わらない性能に仕上がっていますね。

ホンダが、ダウンサイジングターボを作ることによって、パフォーマンスを維持しながら進化していることがうかがえます。

まとめ

ホンダターボエンジンをまとめると

  • 自然吸気エンジンに劣らないレスポンスの良い高回転・高出力エンジンが完成したことで搭載
  • 時代の流れによるダウンサイジングターボの開発が必要であった(欧州対応含め)
  • ターボエンジンの開発は、軽ターボの登場にも寄与しています。

ホンダとしては、自然吸気による気持ちよく吹けあがる高回転エンジンが、ターボ搭載でも可能になったことより搭載を開始していると考えます。

時代の流れとともに、ホンダ理念に合致したターボエンジンが開発成功したことで、搭載採用が増えていったと考えます。これからのホンダエンジンの進化が楽しみですね。

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