いつもお世話になっている社長から入電があり、「社員が通勤に使用している軽自動車が、ブレーキ踏むとゴーゴーいってブレーキがよく効かないらしいから、ちょっと見てもらえる?」とのことでした。
さらに走行中に「カランカラン」と異音が出ているからそれもチェックしてみたいとのことで後日訪問することになりました。
今回は、ブレーキの交換修理と意外な異音を解消する修理を行いました。
修理する車の情報
引用:筆者撮影画像
平成16年式 MH21S ワゴンR ターボ
走行113,400㎞
15年以上前の車なのですが、外装は比較的綺麗な車です。
ただ豪雪地帯のこの地区では融雪剤などを多く散布するので、どうしてもフェンダーやステップ周りに錆が出てきてしまうことが多いです。
車の不調原因を探る
車の状況を走行してチェックします。
走り出してすぐに「ゴー」異音みたいな音はするのですが、パッドが完全になくなったという音ではなさそうです。何かが引っかかるような音でした。ブレーキを踏むと「ゴー」音がおさまります。
左右にハンドルを切って走行していくと、「カランカラン」と金属同士が当たる音がしてきました。
とりあえずリフトアップして、ブレーキ周りをチェックしていきます。すぐにブレーキローターの内側が、半分以上削れていないことが判明しました。
「ゴー」音は、このブレーキローター関連が原因と判明しました。
ブレーキ関連の部品交換を行っていく
ブレーキローターの交換から
引用:筆者撮影画像
ブレーキローターとブレーキパッドの交換手順
- タイヤを外します
- キャリパーを止めているブラケットのボルト2本を外します
- キャリパーがぶら下がり状態に成らないように、針金等でサスに吊るします
- 今回のブレーキローターはかなり錆びていたので、ローターをプラスティックハンマーで上下交互に叩いたら外れます
- 新品ローターをセットして、ブレーキローター部分は交換終了です。
引用:筆者撮影画像
ローターは、新品を使用しました。今回は日立パロート製で1枚6,000円くらいでした。
軽自動車のパーツは、乗用車に比べて安価であることが多いでしょう。
筆者は、ブレーキローター表側は以外と綺麗に見えていても内側が錆びて酷い状態になっていることを多く経験しています。同社車両も同じような状態でした。
ブレーキパッドの交換
引用:筆者撮影画像
外したブレーキパッドは、内側のパッドに大きな筋が入っていて、さらに錆びた部分が削れていない状態でした。
このまま再利用は出来ないので、新品に交換します。
パッドは、東海マテリアル製で3,500円(4枚)くらいでした。
引用:筆者撮影画像
新品のブレーキパッドは、10㎜程の厚さがあります。ローターとパッドを一緒に交換することで安全で安心な走行が出来ますね。
引用:筆者撮影画像
新品のブレーキパッドに交換した場合に、パッドの厚さが古いものとで大きく変わるために、そのままキャリパーをローターにセットしようとしても入りません。
※筆者ワンポイントアドバイス
ブレーキキャリパーのピストンを戻してあげる必要があるのですが、このピストンスプレッダーがあると簡単にピストンを押し戻せます。
ブレーキパッドをキャリパーにセットし、キャリパーボルトを固定してタイヤを装着したら交換修理の完了です。
引用:筆者撮影画像
キャリパーのピストンを押し戻しているために、ブレーキリザーバータンクの油面が上がっています。ここですぐにブレーキオイルを抜かずに、まずはブレーキペダルを何回踏んでブレーキがかかるようにしましょう。
ブレーキリザーバータンクの油面が下がります。それでもMAXレベルをオーバーしていたら、その分をスポイト等で取り除きましょう。ブレーキローター、パッド交換は、コレで終了です。
※ブレーキは、重要保安部品ですので、DIYで作業する時は充分に注意して作業してください。
走行中に「カランカラン」と金属同士がぶつかる音を修理
引用:筆者撮影画像
筆者は、原因を見つけるために走行していて、金属同士がぶつかる音で左右に振られたりした場合に音がすることから、「マフラー関連」ではないかと考えました。
後ろに回ってマフラーのテールパイプを左右に振って見ると、マフラーがバンパーに当たってしまうほどグラグラゆれています。
左右に振るのに併せて、リアのほうでマフラーとボディーがあたり「カンカン」と音がしています。車内では、「カランカラン」でしたが、ほぼ同じような印象の音です。
マフラーを吊るしているマウントブッシュが、延びきっていて防振の役目を果たしていないことがわかりました。
引用:筆者撮影画像
ワゴンRのマフラーブッシュは、リア側で3個使用されています。この3個全てを新品に交換することにしました。
3個で2,000円くらいでした。一個だけ特殊なブッシュを使用しています。
交換後マフラーテールパイプをゆすっても、大きく揺れることはなく、「カンカン」という異音も発生しませんでしたので修理完了としました。
全ての交換修理が終わり、走行試験をして問題ないことを確認できたので、今回の修理はすべて終了です。
まとめ
ブレーキ関連パーツ交換とマフラーブッシュ交換をまとめると
・左右の交換で1時間程度とそんなに時間のかかる作業ではないです(車種により違いはあり)
・ローターとパッドは一緒に交換しましょう
・ブレーキは、重要保安部品です。作業には充分注意しましょう
・マフラーブッシュも経年劣化で傷んできます。10分くらいで作業できますので定期交換をおススメします
今回は、ブレーキとマフラーからの異音修理を行ってみました。きちんとした整備を行うことでより快適なカーライフになるのではないでしょうか。