2020年7月1日は、自動車産業にとっては特別な日になりました。新興メーカーとして注目を浴びていたテスラの時価総額が、2076億ドル(21兆7185億円=7月1日時点)となって、トヨタを抜いて業界トップとなったからです。テスラ株価は、年初めから2.7倍に上昇しました。まさにコロナショックをも跳ね除け快走を続けています。
その勢いは止まらず、2020年7月7日にはトヨタとホンダの合計時価総額を一時上回り、たった数日でホンダの時価総額まで一気に上げたことになります。ここでは、テスラが時価総額を大きく成長させた理由や、テスラという会社の紹介などを解説していきます。
テスラの時価総額が大きく成長した理由など
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新興自動車メーカーであるテスラが、2020年に時価総額を大きく伸ばしたのにはどのような理由があるのでしょうか?ここでは、テスラが急成長した理由を追ってみます。※時価総額とは、株式価格に株の発行枚数かけたものを表します。
大きな理由は、2つ
- 電気自動車が成長市場となっていて、独占的な地位を確保しているという点です。
- 事業多角化によって、エネルギー分野及びソフトウェア開発分野に着手している点です。
最近では、日本国内でも「テスラ3」などが走行している風景を見かけます。欧米や中国では、このテスラ3の販売は、2018年から15万台以上販売されています。全モデルの販売台数は2019で約37万台です。
トヨタの同時期の販売台数は、約133万台となっていてまだ溝が空いていると考えますが、テスラは、数年後300万台を生産する予定で準備しているようです。
またこの車事業において、テスラは他社とは違う歴史経過を進んでいます。一般的な自動車メーカーは、車を製造し利益を上乗せして販売しています。テスラは、投資家から資金を調達することで会社を立ち上げ、その資金を元に自動車を設計したりしている点が大きく異なります。その開発部分がメーカーの大きな負担になっていないことがテスラの魅力といえます。
何年かするとテスラを自動車会社と呼ばず、総合電気メーカーとなるかもしれません。現在同社では、電力企業として家庭向けのソーラーパネルや蓄電池、エアコン、企業及び電力会社向けの蓄電池などを提供しているからです。
またこういった事業は、国や都市などのインフラ整備用プラットフォームとなっていて、広大な土地や街をテスラ一手で行う事業となりつつあります。オーストラリアの事業では、すでに成功を収めていて今後の需要にも期待が高まっている状況です。
テスラってどんな会社?
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テスラは、アメリカ合衆国のシリコンバレーを拠点にして、電池式電気自動車と電気自動車周辺パーツ、ソーラーパネルや蓄電池等を開発・製造・販売している自動車会社です。
2004年にペイパル創設者のイーロンマスク氏が、出資を募り750万ドルを出資者から調達して自動車開発を進めたことが始まりです。一般的な自動車メーカーと違い、開発するのに資金調達をした点が当時としても斬新でした。テスラは、こうして資金を調達しながら、車を開発・製造・販売し成長してきた企業です。
テスラは、他の企業とも提携をし同社の強みである電機分野で躍進しています。2010年にパナソニックと共同で電気自動車用次世代バッテリーの開発進めることを発表しました。パナソニックからは、3000万ドルの出資も入りました。
ダイムラーとスマート・フォーツー用のパーツ開発を進めるために、ダイムラーがテスラの10%の株を保有した時期もありました(今は解消されています)。そして今回話題になったトヨタとも、EV用バッテリー開発などで提携していたことがありました。
製造・販売した(されている)乗用モデル
- 初代テスラロードスター
- モデルS セダンタイプ
- モデルX クロスオーバーSUV(3列シート)タイプ
- モデル3 小型セダンタイプ
- モデルY ハッチバックタイプ
自動車産業以外にも進出
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電力総合会社として、家庭用ソーラーパネルの販売などを推し進め、ソーラーパネル充電などによって電力会社から供給される電気を相殺するシステムが人気となっています。これにテスラ自動車シリーズの急速充電などが加わることなどで、総合的に電気で暮らすシステムが提案されています。
都市インフラのひとつとして、テスラモデルの充電施設の拡充も進められていて、ホテル、レストラン、駐車場、ショッピングセンターやリゾートなどと提携することで、急送充電が可能になっています。
こういった各家庭のソーラーパネルだけでなく、都市をまるごと設計する産業分野も手がけていて、テスラが手がけた都市開発なども進行しています。
まとめ
テスラがトヨタの時価総額を越えた!テスラってどんな会社?をまとめると
・2020年7月1日にトヨタ時価総額を越えただけでなく、7月7日にはトヨタ+ホンダの時価総額も一時越えました。
・斬新なアイディアから始まったテスラ社は、わずか15年強で大きく成長しています。
・自動車業界だけでなく、家庭・産業分野に手広く進出しています。
テスラ社は、自動車業界としては新参者なのかもしれません。ただ新しい目線で開発された車などによって急成長し、その成長が止まらない状況です。こん後のテスラの成長が楽しみです。