TEAM KUNIMITSUが率いるRAYBRIG NSX-GTは、2020年シーズンのSUPER GT GT500クラスに参戦しています。今回マシンを操る山本尚貴・牧野任祐組が、2020年11月29日(日)に開催された富士スピードウェイ(静岡県)シリーズ第8戦で優勝を果たし、今シーズンでのドライバーズチャンピオンを獲得しました。
ここでは、ドライバーズチャンピオンに輝いた山本尚貴・牧野任祐氏をご紹介するとともに、SUPER GTについても解説していきます。
SUPER GT GT500クラス ドライバーズチャンピオンに輝いて
引用:https://www.honda.co.jp/news/2020/c201129.html
両ドライバーのコメントからも、国光監督の言葉からも、お互いを思いやる言葉が描かれています。レースは、ドライバーだけで戦うものではないことを今回のチャンピオンで改めて証明しているといえます。
スポンサーであるRAYBRIG・BRIDGESTONE、そして牧野選手、チームメイト、HRD Sakura、ホンダ、ファンの力で獲得したチャンピオンですね。
山本尚貴・牧野任祐氏の紹介
引用:https://www.honda.co.jp/news/2020/c201129.html
①山本尚貴氏
栃木県宇都宮市出身のドライバーです。6歳からカートを始めたという生粋のレーサーといえます。2010年からSUPER GT GT500クラスにTEAM KUNIMITSUから参戦し、2013年からはSUPER GT GT500は童夢レーシングで参戦しています。2015年には、TEAM KUNIMITSUに復帰し現在に至っています。
同氏は、2018年にSUPER GTとスーパーフォーミュラのダブルチャンピオンを獲得しています。これによってF1参戦に必要なスーパーライセンスの発給条件ポイント(3年間に合計40点以上)がクリアされ、本人もF1への挑戦に意欲を示しているようです。
主な戦績
- 2006年 鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)を卒業
- 2007年 フォーミュラチャレンジ・ジャパン2位
- 2008年 全日本F3選手権5位
- 2009年 全日本F3選手権 Nクラス チャンピオン
- 2010年 SUPER GT GT500 8位、フォーミュラ・ニッポン7位(ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得)
- 2011年 SUPER GT GT500 9位、フォーミュラ・ニッポン11位
- 2012年 SUPER GT GT500 5位、フォーミュラ・ニッポン11位
- 2013年 SUPER GT GT500 4位、全日本選手権スーパーフォーミュラ チャンピオン
- 2014年 SUPER GT GT500 4位、全日本選手権スーパーフォーミュラ9位
- 2015年 SUPER GT GT500 3位、全日本選手権スーパーフォーミュラ5位
- 2016年 SUPER GT GT500 14位、全日本スーパーフォーミュラ選手権7位
- 2017年 SUPER GT GT500 7位、全日本スーパーフォーミュラ選手権9位
- 2018年 SUPER GT GT500 チャンピオン、全日本スーパーフォーミュラ選手権 チャンピオン
②牧野任祐
牧野任祐は、大阪府大阪市出身の23歳という若手のドライバーです。2016年からGT300クラス・GT500に挑戦を開始しています。その後いったん海外へ挑戦し、現在日本に戻りSUPER GTに参戦しています。
主な戦績
- 2011年 全日本カート選手権(FS125クラス)チャンピオン
- 2012年 全日本カート選手権(KF-1クラス)4位
- 2013年 全日本カート選手権(KF-1クラス)6位
- 2014年 JAF地方選手権 Super-FJ 岡山シリーズ チャンピオン、Super-FJ ドリームカップレース優勝、Super-FJ 日本一決定戦 優勝
- 2015年 FIA-F4選手権2位、JAF F4 東日本シリーズ チャンピオン、JAF F4 西日本シリーズ チャンピオン、JAF F4 日本一決定戦 優勝、SRS-Fスカラーシップ獲得
- 2016年 全日本F3選手権(Cクラス)5位、SUPER GT 第6戦 International SUZUKA 1000km GT300クラスデビュー、SUPER GT 第7戦 BURIRAM SUPER GT RACE GT500クラス2位
- 2017年 FIA Formula3 European Championship 15位
- 2018年 FIA フォーミュラ2選手権13位
- 2019年 SUPER GT・GT500クラス6位
SUPER GTってどんなレース?
1番の見どころは、2つのカテゴリーのレースカーが、同じコースを同時に周回することでレースの面白さが格段に広がる競技である点です。
SUPER GTのルーツは、1994年に正式スタートした全日本GT選手権(JGTC)です。世界的にもスポーツカーレースが、GTカー主流になってきていたときにJGTCが発足しています。これは、ファンが楽しめ、市販スポーツカーに近いレースを体感いただきたいという想いから立ち上がった競技であるといえます。
今回ドライバーズチャンピオンを生み出したTEAM KUNIMITSUは、シリーズ初年度の1994年からJGTCに参戦開始をしているチームです。当初からずっとシリーズに参加しているチームは、TEAM KUNIMITSUを含め数チームしかないという厳しいレースでもあります。
SUPER GTは、JGTC発足当時から参戦マシンが2カテゴリーに分けられているのがポイントです。一つは500馬力程度のマシンが走るGT500、もう一つは300馬力程度のマシンで争われるGT300となっています。パワーが違うマシンが、ひとつのコースを走行することで、レース中に色々なバトルが展開でき、様々なドラマが起きるのが魅力です。
世界にも注目されているSUPER GT
JGTC発足当初は、国産スポーツカーと高級外車で競うという構図になっていたが、時代が進むにつれホンダ、レクサス(トヨタ)、日産という3メーカーがGT500クラスの主役となっていきました。そして2005年にFIA公認のSUPER GTと名称を変えスタートしています。
大きな変革が訪れたのは、2014年です。当時ドイツを中心に争われているDTMドイツツーリングカー選手権とGT500クラス間で、車両規定を統一することになりました。GT500クラスは、これまでとは全く異なるマシンで争われることと決まった年です(2014年開催は、エンジン形式など、細部が両者で異なる部分あり)。
この統一規定は、アメリカでも導入される予定がある世界的なものでもあります。この統一からSUPER GTは、世界でも注目されるレースへ進化しています。
ホンダでは、この2014年の統一や2015年に全世界で販売を予定している新スポーツカーであるNSXの誕生に併せて、NSX CONCEPT-GTを開発しました。TEAM KUNIMITSUは、2014年同モデルで参戦していました。
筆者ワンポイント情報
GT500は、ゼッケンの色は白地に黒、ヘッドランプの色は白色、もしくは青という規定になっています。一方GT300は、ゼッケンの色は黄色地に黒、ヘッドランプの色は黄色の車両です。レースを見ていて、時どっちのカテゴリーと悩むことがある場合は、これを基準に見ているとわかりやすいです。
まとめ
SUPER GT GT500で、RAYBRIG NSX-GTが2020年シリーズチャンピオンに!SUPER GTって?をまとめると
- SUPERGT GT500だけでなく、カーレースは参画している全員の力がチャンピオンにつながるといえます。
- SUPER GTは、現在国際的にも有名になっている国内レースです。
今回は、RAYBRIG NSX-GTを使用したTEAM KUNIMITSUがドライバーズチャンピオンを獲得しました。2020年のレースは、どのチームも新型コロナの影響で大変であったといえます。
その中で優勝した同チームは、非常に素晴らしいチームであるだけでなく、過酷なレースを勝ち抜いたといえるでしょう。