ホンダは、二輪や四輪だけでなく、アグリ(農業)事業や工業事業など幅広く製品を企画・製造・販売している総合機械メーカーです。その事業の中にジェット事業もあります。
ホンダ航空機事業子会社となるホンダ エアクラフト カンパニーが、31機のHondaJetを販売したことで、2020年暦年(1月~12月)小型ジェット機カテゴリーで、4年連続世界第1位になりました。
今回は、そんなHondaJetについてご紹介していきます。
「HondaJet」が、4年連続で小型部門カテゴリーでトップに!
引用:https://www.honda.co.jp/news/2021/c210126.html
2020年でのHondaJetは、まずパキスタンとロシアで型式証明を取得したことで、同国でのHondaJetサービスおよび供給が可能になっています。米国、欧州、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、パナマ、インド、日本、カナダ、トルコ、中国など13か国に及びました。
このほかイギリスでは、HondaJetのサービス向上を目指し、ピードモント トライアド国際空港にてフライトトレーニングセンターとサービスサービスが開設され、さらなる強化を図っていく準備も整っています。
本年1月には、主翼などの組み立て部品のスペアパーツなどのストックヤードが、アメリカ ノースカロライナ州 ピードモント トライアド国際空港隣接の本社敷地内に設置されました。
日本国内では、本年2月からHondaJetジャパンによって一般向けチャーターサービスを開始しています。日本でも身近な存在になれるよう活動している最中ですね。
「HondaJet」ってどんな飛行機なの?
引用:https://www.honda.co.jp/jet/?_ga=2.247121540.1207309994.1614594772-460021102.1614594772
HondaJetは、数々の先進技術が、採用されているようです。ここでは、その先進技術を紹介していきます。
先進技術1
航空機開発では、主翼上部に空気の流れを妨げないというのが一般的な常識となっていました。これは、空気の揚力を得るために主翼上面は、なるべく平らである方が良いという考えです。これをホンダ技術で打破し、世界初として主翼上部にエンジンを配置しています。車内空間を最大限広げるという目的から発想されています。
先進技術2
ホンダの独自技術として、層流をスムーズにするボディ及び主翼形状があります。これによって高速飛行でも安定した操縦・燃費・速度が保持されます。
先進技術3
胴体構造部にカーボン複合体を使用することで、軽量かつ強度のある胴体に仕上げています。さらにこれをハニカムサンドイッチパネルとスティフンドパネルの2種の構造様式にし、一体成型している製造技術が用いられています。
引用:https://www.honda.co.jp/jet/innovations/04/
先進技術4
ジェットエンジンの重要要素であるパワーユニットは、GE Honda エアロ エンジンズ社製の新型ターボファンエンジン HF120を搭載しています。環境性能は、CFR36のステージ4を満たし、高推力エンジンのおかげで飛行速度を維持して、燃費も向上する飛行機に仕上がっています。
先進技術5
人間工学やヒューマンファクターを研究することで、最大限の安全を確保するコックピットに仕上げています。3台の14インチ高解像度ディスプレイ&2台のタッチスクリーンコントローラが装備され、パイロットに全情報を開示するだけでなく、操作と表示が直接行えます。これによりHondaJetは、シングルパイロット運用が可能です。
「HondaJet」の主要諸元など
引用:https://www.honda.co.jp/jet/?_ga=2.247121540.1207309994.1614594772-460021102.1614594772
主要諸元
- 最大巡航速度=422ノット(782km/h)「高度30,000フィート(9,144m)において」
- 最大運用高度=FL430(43,000フィート=13,106m)
- 航続距離性能
航続距離=1,437ノーティカルマイル(2,661km)
上昇率=4,100フィート/min(1,250m/min) - 離着陸時性能
離陸距離=3,500フィート(1,067m)
着陸距離=3,000フィート(914m) - 荷物室容量
ノーズ部分荷室=9立方フィート(0.25m3)
後部荷物室=57立方フィート(1.61m3) - 機体の大きさ
全長×翼幅×全高=42.62フィート(12.99m)×39.76フィート(12.12m)×14.90フィート(4.54m) - 客室の広さ
全長×全幅×全高=17.80フィート(5.43m)×5フィート(1.52m)×4.83フィート(1.47m) - 最大定員
乗員1名+乗客7名 または 乗員2名+乗客6名
ホンダジェットの歩み
引用:https://www.honda.co.jp/news/2018/c181220.html
ホンダは、ジェット機開発を構想したのが1986年からです。その後機体完成時期や事業化準備期間を経て、事業開始になっています。
ホンダ エアクラフトカンパニーは、2006年に米国での受注開始となっています。さらに2008年委は欧州での受注も開始され量産できる体制づくりが行われました。そして2015年にHondaJetの引き渡しが米国からスタートしています。
2016年3月16日にホンダ エアクラフトカンパニーは、メキシコでのHondaJet型式証明を取得し、メキシコでのデリバリー開始の準備を整えました。同年11月には、中南米地域での受注も開始されています。
2017年には、中国・東南アジア地域での受注を開始し、ブラジルでの型式証明も取得しています。
同社は、2018年12月7日に国土交通省航空局から新型となるHondaJet Eliteモデルの型式証明を取得しました。そしてその初号機も納品され、HondaJetの日本デリバリーが開始されました。同年に中東地域・インド地域での受注を開始し、インドでの型式証明も取得しています。
まとめ
ホンダジェットが未来へゴー!4年連続デリバリートップをまとめると
- ホンダは、小型ジェット機部門において4年連続デリバリートップを守っています。
- ホンダ独自の技術がふんだんに盛り込まれることで、高効率なジェットに仕上げています。
- 世界にデリバリーしていくための型式証明を世界で取得してきています。
- HondaJetの構想は、1986年から始まり現在に至っています。
ここでは、ホンダが世界に羽ばたいているというお話をしました。小型ジェット機の需要は、富裕層の中でかなり人気のアイテムとなっています。今後もHondaJetが数多く大空を羽ばたいていくことでしょう。