トヨタ&日産が、カーボンニュートラルに向けてそれぞれ始動!

トヨタ&日産が、カーボンニュートラルに向けてそれぞれ始動!
     
   

トヨタは、カーボンニュートラルに向けて燃料電池システムをパッケージ化する計画を公開しました。これは、トラック・バス・鉄道・船舶などのモビリティや定置式発電機として活用されることを目的にしています。

トヨタでは、水素を材料にしたカーボンニュートラルへの道を提案しています。これは、世界各国で水素利用に向けた政策が多く立ち上がっているからといえます。

一方日産は、同社の強みでもある「電化」技術を最大限活用し、カーボンニュートラルに向けて計画を打ち出しています。これは、2050年までに事業ライフサイクル全体をカーボンニュートラルにすることを目的とし、中間の2030年初めに主要都市での電化モデルを供給することを目指したものです。

ここでは、トヨタ・日産での「材」は違うものの、カーボンニュートラルに向けた具体的な方策を解説していきます。

トヨタのカーボンニュートラルの概要など

引用:https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/34975967.html?_ga=2.149593653.209935946.1617624356-39815958.1614989059

現在トヨタでは、水素を活用した自動車やバス製品を供給しています。「MIRAIやSORA」といった車だけでなく、カーボンニュートラル実現のために、FCシステム販売・FC特許権実施無償提供などを通じて様々な商品を展開していくことが目的です。

トヨタは、MIRAIで培った技術を応用して、FCスタックやエア、水素、冷却、電力制御などのそれぞれのFCシステム関連パーツを一つのモジュールにして販売することとしました。

二種類のパッケージ商品が、用意されています。縦型と横型となっています。下記にモジュール規格を表にしました。

サイズ 長さ890×幅630×高さ690mm 長さ1,270×幅630×高さ410mm
質量 約250kg 約240kg
定格出力 60kW/80kWの2種 60kW/80kWの2種
電圧 400~750V

縦・横のパッケージがあり、二種類の定格出力が用意されています。

電圧(400~750V)が広範囲で、FC専用の昇圧コンバーターを内蔵しています。これによって、モーター・インバーター・バッテリーなどのある既存電気機器と直接接続可能です。このシステムが、パッケージ(モジュール)化されたことで、利便性がお幅にアップしています。

目的に併せて4タイプのモジュールをチョイスできることで、搭載スペースを省スペース化することが可能になります。このモジュールによって、FCシステム関連部品が不要になるだけでなく、周辺機器との接続箇所自体を少数で構成できます。

引用:https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/34975967.html?_ga=2.149593653.209935946.1617624356-39815958.1614989059

近頃では、台風・豪雨などの自然災害が多くなっています。こういった災害が起こると、避難所や近隣住居に電気が届かない事案が発生し、医療活動の必要性もでてきます。トヨタは、2020年夏頃から熊本赤十字病院と協議していました。

その結果、平常時では医療活動をFC医療車で行い、災害発生時では被災地に電力供給を行いながら、災害支援活動をサポートするバスということです。

この支援車は、小型バス コースターをベースモデルにしています。燃料電池自動車MIRAIに搭載されているトヨタフューエルセルシステムを搭載することで、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能と、低騒音・低振動を可能にしています。

カーボンニュートラルに向けて「FC」モジュールの重要性

引用:https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/34799387.html

トヨタが開発したモジュール化したことで、多業種がこの商品を使用し簡易的にカーボンニュートラルの世界に飛び込むことができるようになります。

これがトヨタの狙いでもあります。多種多様な産業において、このモジュールを利用してもらうことでカーボンニュートラルを体感でき、そして世界環境にもエコになることを世界の人が体感できる仕組みを作ることです。

このサイクルを世界的に作り上げることで、カーボンニュートラルを継続しさらにトヨタの業績も上がっていくという計画です。

日産のカーボンニュートラルの概要など

引用:https://global.nissannews.com/en/releases/release-18e8181d3a7c563be5e62225a70c61b2-nissan-sets-carbon-neutral-goal-for-2050?

日産は、2017年に環境哲学「人と車と自然の共生」を発表しています。日産グリーンプログラムとなった中期環境行動計画はがカーボンニュートラルへの扉を開いています。

具体的には、2050年までに日産の製品と関連商品でカーボンニュートラルを完了することです。この目的を敢行するために、2030年には主要都市での自動車供給を電化することにしています。

カーボンニュートラルサイクルを構築するために

引用:https://global.nissannews.com/en/releases/release-18e8181d3a7c563be5e62225a70c61b2-nissan-sets-carbon-neutral-goal-for-2050?

日産は、中・長期的にカーボンニュートラルサークルを完成させるために今後取り組んでいかなければならないことは多くあるようです。以下に日産がとらえている必要概要を記載します。

  1. 世界を相手にコスト競争力のある電気自動車を開発するためのソリッドステートを開発する事、それに関連した技術を含むバッテリーの革新の重要性と早期開発が必要です。
  2. より走行距離を伸ばし、パワフルな日産e-POWER電動パワートレインを開発する必要性がある。
  3. 建物のために、再生可能エネルギーとなる分散型オンサイト発電できるバッテリーシステムの早期作成の必要性。日産は、今後エネルギー部門をになう電力関連業者との連携が必要になると考えています。
  4. 日産インテリジェントファクトリーイニシアティブとして、車両組立の生産性向上をサポートする製造プロセスの変革と大幅なアップデートの急務。長期的なカーボンニュートラルを達成していくために、エネルギーと材料の効率向上が必須となっています。

トヨタと日産は、それぞれの手法で同時期にカーボンニュートラルに向けた開発や指針を発表しました。双方でのカーボンニュートラルへの取り組みは、違う手法がとられそうですが、向かっている方向は一緒であるといえます。

まとめ

トヨタ&日産が、カーボンニュートラルに向けてそれぞれ始動!をまとめると

  • トヨタは、水素を使用しすでにモジュール化できているパッケージ商品を展開することでカーボンニュートラルの世界を広げていくでしょう。
  • 日産は、車を中心に自社製品を2050年までにカーボンニュートラルにすることを目的にしています。

ここでは、世界的に注目されているカーボンニュートラルのお話をしました。グローバル展開しているトヨタと日産で、カーボンニュートラルに向けた取り組みが発表されたのも現代では当然なのかもしれませんね。

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