皆さんは、車のエンジンに使用されているオイルエレメントの中身って、どのようになっているか気になったことはありませんか。
筆者は、非常に気になっていました。そんな折、エンジンオイルエレメントを分解する場面に偶然にも遭遇することができました。
ここでは、エンジンオイルエレメントの中身などのお話をしてみます。
エンジンオイルエレメントの役割や分解について
引用:筆者撮影画像
エンジンオイルエレメントは、エンジンの中では非常に重要な役割をしています。エンジン内部で発生したスラッジなどの不純物を取り除く役目をしているパーツです。
人に例えるならば、エンジンオイルは血液で、エンジンオイルエレメントはろ過する腎臓といったところでしょう。
エンジンオイルエレメントには、中身のカートリッジを交換するタイプとケースごと交換するタイプに分かれています。現在では排気の問題などから中身だけを交換するモデルが増加しているようです。
たまたまお邪魔させていただいたところでは、ケースごと交換するタイプを廃棄するのに分解するツールがあり、ちょうど分解の作業をしていました。せっかくなので分解を手伝いながら、いろいろお話を聞くことができました。
筆者のワンポイントアドバイス
メーカーごとにオイル交換頻度やオイルエレメント交換頻度に違いはありますが、おおむね5000㎞または6か月毎にオイル交換、オイル交換2回に一回のオイルエレメント交換を行うのが良いとされています。
ではオイルエレメントを全然交換しないとどうなるのでしょうか?オイルエレメントには、リリーフバルブが付いていて、オイルが濾過できず詰まりそうになるとリリーフバルブが開き、オイルが循環します。
要するに汚いオイルがそのままエンジンを循環することになるわけです。オイルエレメントはしっかり交換する事をおススメします。
皆さんエレメントの中身を知りたいようです!
オイルエレメントの中身はこのようになっております(`・ω・´) pic.twitter.com/liz8Dyu6JU
— ホム (@Homura_775) July 2, 2015
SNSなどを拝見していくと、自分の使用しているオイルエレメントの中身が知りたくて、分解している投稿が沢山ありました。筆者だけではないと少しホッとしました。
実際に分解してみる
引用:筆者撮影画像
今回は。2つのオイルエレメントを実際に分解してみました。トラック用の大きいエレメントですが、基本的には乗用車もトラックも目的は同じです。
一つ目は、三菱フソウ純正の4トン用オイルエレメントです。分解してみて、二段構造になっていることがわかります。大きいエレメントなので、耐久性を確保することと、二段構造でフィルター濾過能力を二段構えで行っているとのことです。
一般的にエレメントの能力は、濾紙の表面積にあると言われています。表面積が大きいほど能力が高いという事です。
プリウスオイル交換
オイルフィルターって中身だけ交換するんすね初めて知った pic.twitter.com/4rq5zhAhwR— コージ (@33kozi) May 25, 2019
上の投稿のエレメントは、中身のカートリッジを交換するタイプですが、乗用車でも2段式になっているオイルフィルターがあります。
引用:筆者撮影画像
もう一つは、2トントラックのオイルエレメントです。こちらは、いすゞさんにオーダーして入荷した社外パーツのようです。ただオーダーと言ってもオイルエレメントのそこにドレンボルトをつけてもらう仕様となっています。
濾紙は、しっかりした素材が使用され、中をくりぬいていくと、綺麗に穴があけられ、一定の圧が掛かることでオイル循環がきちんとされるような構造になっていると思います。
分解作業をしている人に聞いてみると、オイルエレメントメーカーによって濾紙を明らかにコストダウンしているだけでなく、こういった循環に必要な部分の作りがしっかりされていない場合があるとのことです。
不具合になりそうな現象も起きる可能性があり
オイルエレメントの中身変形してたし、このメーカーはや~めた pic.twitter.com/CCI98ghFaY
— 🤔アルピナℹ️🍡㋫🍢☕🐬(›´ω`‹ )(›´ω`‹ )🍜🐬💸=͟͟͞͞🚗🔩 (@9000s) June 2, 2020
ご使用しているエレメントによっては、内部を分解してみたら上記の投稿のように変形や破れが発生してしまうものもあるようです。
例えば明らかに濾紙の表面積が少ない仕様のため、使用中に濾紙が歪んだり、ろ紙の厚み強度が足りなく使用しているうちに破れたりするということでしょう。
長期間使用を続けることで、濾過されないオイルが循環した場合に、エンジンに悪影響を及ぼす可能性があると考えます。
どういったオイルエレメントであれば安心なのでしょうか?
オイル交換ついでに、オイルフィルター分解。スズキ純正(デンソー製)とピットワーク製の比較。スズキのが幅が5mmくらい広くて300mmくらい長くて2重になってました。ろ紙の質にもよるけれど、お値段の差はあるなぁ…逼迫しない限りは純正使い続けるかな、という感想 #オイルフィルター pic.twitter.com/oQtYo5UAW0
— 有機ユーキ5/15神戸かわさき展示 (@ZC33S19) April 26, 2020
中のフィルターカートリッジのみを交換するタイプは、そもそも濾紙がしっかり見える状態ですので、純正・社外問わず、濾紙などの状態を目視で確認できます。まずは確認して、この商品であれば大丈夫と思えればそれを使い続けると良いでしょう。
ケースごと交換のタイプでは、中身が見えません。こういった場合ではどのようにエレメントをチョイスすればよいのでしょうか。
- 純正及び純正セカンドブランド製は、安心であるといえます。例えばトヨタ純正やドライブジョイなどの製品です。
- 社外でも有名メーカーの商品は、安心できるでしょう。例えばユニオン産業、エクセル、ボッシュ、PIAAなどの製品は、一定の品質は保証されていると考えてよいと感じます。
- 激安エンジンオイルエレメントというのが巷にあります。一般的なエレメント価格の1/3くらいで販売されているものです。こちらの場合は、確実にという安心感は大分少なくなるといえます。筆者も経験したことがありますが、製品が×という事よりは、製品の製造国などによって、精度に差があったりしていたという体験があります。 それは、商品名(品番)が同じであっても突然生産国が変わっていたりするケースでした。中身を分解しなくても、覗いて違いがわかるほどで、中身が不安ですぐに交換しました。
激安商品が濾紙の表面積が少なかったり、構造が少し雑であったりしたとしても、機能が働いていれば基本的な濾過をしっかりしてくれています。不安であれば、毎回交換するというのも〇と考えます。
もちろん激安商品でも非常に良い製品は沢山あります。心配な時は、周りの方のお話や評判などを聞いたり、分解してみたりすると良し悪し判断が付きやすいのではと考えます。
まとめ
車のオイルエレメントを分解してみた!オイルエレメントのアレコレ!をまとめると
- 沢山の人が、自分の使用しているオイルエレメントがどうなのか気になっていることがうかがえます
- 純正や純正セカンドブランド製、大手のオイルエレメントメーカーであれば安心でしょう
- 激安商品は、バラツキがあると考えます。
ここでは、オイルエレメントを実際分解してみて、中身をいろいろ考察した結果などをお話ししてみました。まずは、きちんとしたスパンでオイルとエレメントを交換する事が大事であると考えます。