新型コロナの影響で各自動車メーカーは、部品調達に遅れが出たり、製造ラインが止まったりと大変な状況になっています。そんな中リコール・改善対策届出も多くなっています。
ここでは、筆者が「これは重要と思われる届出」を紹介して、皆様にリコール情報を周知していきたいと考えます。
①三菱のリコール届出
引用:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001404152.pdf
届出者の氏名又は名称 三菱自動車工業株式会社
不具合の部位(部品名) 電気装置(コラムスイッチ)
基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因は、コラムスイッチ部分にて、内部配線を繋ぐコネクター端子のかしめが不適切なため、端子と配線の隙間に絶縁物が生成され、導通不良となる可能性がある。
前照灯、車幅灯、前部霧灯、尾灯、番号灯および当該スイッチ連動の車室内照明が不灯、または点滅、さらには方向指示器が不灯となる場合があります。
改善措置の内容は、全車両、コラムスイッチの内部配線を対策品と交換。現時点で不具合件数は266件発生しています。
製作期間の全体の範囲は、平成21年6月1日~平成31年1月25日で、デリカで合計129,469となっています。相手に知らせる方向指示器やヘッドライトなどが不点灯になるという事は、事故に直結する可能性があるので早めに対策してもらうのが良いでしょう。
②三菱の改善対策情報
引用:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001404164.pdf
届出者の氏名又は名称 三菱自動車工業株式会社
不具合の部位(部品名) 制動装置(衝突被害軽減ブレーキシステム)
不具合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因は、衝突被害軽減ブレーキシステム部分で、コントロールユニットの制御プログラムに不備があるため、前方の物体や影を歩行者と誤検知してしまい、警告表示とともに警報ブレーキ(運転者に衝突回避操作を促すやや強めのブレーキ)が作動してしまうことがある。
そのため、運転者の不要な制動操作による急制動も誘発させてしまう可能性がある。
改善対策の内容は、全車両、カメラのみで歩行者検知した際の警報ブレーキが作動することのないように、衝突被害軽減ブレーキシステムコントロールユニットの制御プログラムを対策仕様に上書きしていきます。
製作期間の全体の範囲は、平成29年2月7日~令和3年4月14日となっていて、合計96,451台が対象です。デリカ、アウトランダー(PHEV)、エクリプスクロス、RVRで発生しています。
114件の不具合報告だけでなく、物損事故が1件起きていますので、早めに点検してもらうのが良いでしょう。
③スズキのリコール情報
引用:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001403948.pdf
届出者の氏名又は名称 スズキ株式会社
不具合の部位(部品名) 電気装置(ワイヤハーネス)
基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因は、運転席ドアおよび助手席ドアのワイヤハーネス部分にて設計不備があり、ドア開閉の繰り返しによって配線が断線する可能性がある。そのため、サイドエアバッグやカーテンエアバッグ、ドアミラーの補助方向指示器等が必要時に作動しない恐れが出てきます。
改善措置の内容は、全車両、運転席ドアおよび助手席ドアのワイヤハーネスを対策品に交換する。不具合件数は13件となっています。
製作期間の全体の範囲は、平成30年5月11日~令和2年12月3日で、合計111,611台のジムニーが対象です。現段階では、対象台数は多いのですが、事故などに発展したケースはなさそうです。
④ホンダ改善対策情報
引用:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001405107.pdf
届出者の氏名又は名称 本田技研工業株式会社
不具合の部位(部品名) 車体(テールゲートオープンステーボールジョイント)
不具合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因は、テールゲートオープンステーパーツにて、下側ボールジョイントと車体側ボールスタッドの取付部構造が合っていないことから、ボールジョイントとボールスタッドを固定するクリップが変形してしまい浮き上がることがある。
そのままの状態で使用を続けると、テールゲート開閉の繰返しにより、ボールジョイントが車体から外れ、テールゲートが突然降下する危険性が出てきます。
改善対策の内容は、全車両、テールゲートオープンステー及びボールジョイント外れ防止カバーを新品に交換する。改善対策部品の供給に時間がかかることから、暫定措置として、下側ボールジョイントと車体側ボールスタッドの取付部を結束バンドで固定して対応する。
製作期間の全体の範囲は、平成28年11月14日~平成30年8月22日で合計88,865台となっています。ステップワゴン特有の改善対策です。29件の不具合発生と一件の継承事故が起きています。補修用パーツとして、約5300個のパーツ供給も行われています。ケガする前に対策してもらうのが良いでしょう。
⑤ダイハツのリコール情報
引用:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001410574.pdf
届出者の氏名又は名称 ダイハツ工業株式会社
不具合の部位( 部品名 ) 燃料装置(燃料ポンプ)
基準不適合状態にあると認める構造 、装置又は性能の状況及びその原因は、燃料ポンプのインペラ(樹脂製羽根車)部分で成形条件が不適切なため、樹脂密度が低くなってしまい、燃料膨潤にて変形する可能性があります。
インペラがポンプケースと接触して燃料ポンプが作動不良となり、走行中にエンストしてしまうことがあり得ます。
改善措置の内容は、全車両、燃料ポンプを対策品と交換する
製作期間の全体の範囲は、平成29年7月3日~令和元年5月8日で、合計956,221台というかなりの台数になっています。ダイハツモデルだけでなく、OEM供給しているモデルにまで波及しています。
584件という不具合も発生しています。事故は現時点で発生していません。車種も21車種と豊富になっていますので、対称の車を所有している方は、早めに点検してもらいましょう。
⑥ダイハツのリコール情報
引用:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001410559.pdf
届出者の氏名又は名称 ダイハツ工業株式会社
不具合の部位( 部品名 ) かじ取り装置(ステアリングギヤ)
基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因は、ステアリングギヤパーツにて、ブーツ取付け部のシールが不適切でありエアコンドレンホースが直上にあるため、エアコン凝縮水が当該取付け部に滴下してしまいギヤ内部に浸入するものが出てくる。
その状態でそのまま使用を続けると、ギヤ内部に錆が生じて異音が発生し、最悪の場合ベアリングが破損し操舵ができなくなる可能性があります。
改善措置の内容は、全車両、エアコンドレンホースに延長用ホースを追加するとともにステアリングギヤのブーツ内を点検し、水の浸入が認められたものはステアリングギヤを新品と交換する。水の浸入が認められないものはブーツを適正に取付ける。
製作期間の全体の範囲は、平成29年10月31日~令和元年7月31日となっていて、合計160,435台の届出です。ダイハツだけでなくOEM供給モデルにも波及しています。69件の不具合報告があり、事故発生は起きていません。
「ステアリングがきかない」とならないうちに、点検してもらいましょう。
まとめ
カーリコール情報!多くのリコール・改善対策情報が届け出に!?をまとめると
- カーリコールは、製造した車に不備があった際に、メーカーが届け出をすることで無償修理対応する制度です。
- ここでは、事故の発生しているリコールや改善対策も届け出されています。
ここでは、筆者が特筆すべきと思ったリコール、改善対策届出の情報を発信してみました。5月から7月までの間で、かなり多くの届け出が行われています。一度所有車がリコール対象になっているか確認することも大切でしょう。