「1人前になるまでに10年」奥深すぎる鈑金の世界を取材してきた【前編】

「1人前になるまでに10年」奥深すぎる鈑金の世界を取材してきた【前編】
     
   

編集部木どうも、編集部です。

前回は「塗装」の取材に行ってきましたが、今回は「鈑金」の取材です。
そう、私は今、鈑金工場にいます。

京南オートのみなさま
今回取材させていただいたのは関東最大級の自動車修理・鈑金工場である京南オートサービスの鈑金チームの方々。鈑金について詳しく丁寧に解説して頂きました。

公式サイト 京南オートサービス
住所 〒206-0024
東京都多摩市諏訪6-3-1
営業時間 9:00~19:00
※日曜日はフロントのみ10:00~17:00
電話番号 042-311-2600

ところで鈑金(ばんきん)ってなに?

編集部木ところでみなさん、鈑金(ばんきん)って何がご存知でしょうか??

街を歩く女子大生に聞いてみたところ
「晩勤?夜働くことでしょ!
「それ、夜勤な。」

なんか、溶接とかすることですか?
「うーん、近い。」

わかった!バーガーキングの略!
「そうだね、そう言…わねーよ!

編集部木どうやら鈑金の知名度はあまり高くないようですね。

鈑金とは、塗装の前段階

前回今回

編集部木前回の塗装勝負は写真での中の左4つの部分の作業でした。
今回の鈑金は、右4つの作業のことです。

「鈑金」には3種類の方法がある

編集部木ではさっそく鈑金について聞いてみましょう。
今回教えてくださるのは京南オートサービスの高橋さんです。
よろしくお願いします。

高橋さんはい、よろしくお願いします。

編集部木鈑金とはどういったことをするのでしょうか?

高橋さん鈑金とは塗装の前にする作業です。

交通事故などで凹んだ部分を元に戻す時にする作業になります。
鈑金は大きく分けて3種類の作業にわけられますね。

1.叩く【前編】
2.引っ張る【中編】
3.溶接する【後編】

編集部木なるほど!!
一番基本となるものはどれですか?

高橋さんそうですねぇ、叩くですかね。

編集部木ぜひやらせてください!!

人生初、金槌で車のボディを叩いてみた

道具
編集部木使うのは、この2つですね

高橋さんこうやって、ハンマーで表面を、こっちの金属の塊で裏面をおさえて下さい。
押さえる

編集部木なるほど。

高橋さんそして、凹んでいるところの周りの部分を叩きます。

編集部木周りをですか?

高橋さんそうです。
凹んでいるボディはよく見るとこんな風になっています。

衝突時の断面図

この、ふくらんでいる部分を叩くんです。

編集部木このふくらみは、あの水滴が落ちる瞬間のアレと同じですね。

水滴
Photo By Jerry Lai

高橋さんその通り。

いざ、入魂!!

編集部木では、いざ!
トンテンカンテン

完成!

編集部木みなさま、おわかりでしょうか?

写真では伝わりにくいかもしれませんが、小さなデコボコが無数にできています
つまり、より悪化してしまいました。まるで隕石が降り注いだようなできです。

高橋さん本当の修理だったらと思うとぞっとするできですね。

なぜ、こうなってしまったのでしょうか…?

編集部木これは一体、何がいけなかったのでしょうか??

高橋さんハンマーのたたく力と金属の塊を上手く利用して、鉄板を叩けなかったことですね。

正しい鈑金の叩き方

高橋さんずれていると「ガーン」と響くような音がします。
ちゃんと当たっていれば「カンッ」という硬い音がします。

編集部木これができると一人前の鈑金職人になれるわけだ!!

高橋さんふっ・・・笑
一人前の鈑金職人になるスタートラインに立つ程度ですね。

この叩く鈑金だけでも一人前になるには10年はかかると思います。

編集部木ですよねー

コツとかないんですか…?

編集部木なんか、その、コツとかないんでしょうか?

高橋さんコツはハンマーの叩く力と金属の固まりを利用してへこみを出すことですね。

編集部木なるほど。

高橋さん叩く場所は決まっています。
なら、ハンマーで叩く場所は動かす必要はないはずですよね。

編集部木たしかに。

次回予告!

今回は3部作!次は引張る鈑金の登場!叩くときとはぜんぜん違う道具が出てきた!

次回予告

で、え、これでかくね?

中編はこちら
後編はこちら

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