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BMW・8シリーズとは
フラッグシップのラグジュアリークーペ
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1990年、BMW・6シリーズの実質的な後継モデルとして登場したのが8シリーズです。
リトラクタブルヘッドライトを装備したハードトップスタイルの2ドアクーペで、当初は最大出力300馬力を発生する5.0リットルV型12気筒SOHCエンジン(M70B50型)を搭載。1994年に最大出力381馬力を誇るS70B56型にバトンタッチしました。
同年には、4.0リットルV型8気筒DOHCエンジン(M60B40型)が追加。1996年以降のパワートレーンは、トルクアップしたM62B44型のみのラインナップとなりました。
目下のライバルはラグジュアリークーペの王者、メルセデス・ベンツSLクラス。その座を奪うべく、猛追を図りましたが、8シリーズはゴルフバッグも収まり切らないトランクルームの狭さなどがネックに。セールスが伸び悩んだ中、1999年に生産終了しました。
2003年、初代8シリーズの事実上の後継として、約14年ぶりに6シリーズが復活しました。しかし、第2世代の8シリーズは世に出ることがないまま、年月が過ぎていったのです。
第2世代は2018年に発売!
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そんな中、8シリーズクーペのコンセプトカーが発表されたのは、2017年5月にイタリアで開かれたヒストリックカーイベント、コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステでのこと。BMWはここで、2018年の8シリーズ復活を宣言したのです。
2018年3月のジュネーブモーターショーではM8グランクーペ(4ドアクーペ)のコンセプトカーを展示。2018年6月のル・マン24時間レースでは8シリーズクーペ、2018年11月のロサンゼルスモーターショーでは8シリーズカブリオレが発表されました。
日本では2018年11月、8シリーズクーペが発売されました。4.4リットルV型8気筒DOHCツインターボエンジン(N63B44D型)は、最高出力530馬力を絞り出すモンスター。トランスミッションは8速AT、駆動方式はFRから4WDへと変更されました。
ACシュニッツァー新型BMW・8シリーズのカスタムポイント
新型8シリーズ用エアロパーツ・ホイール
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ACシュニッツァーは2018年12月、チューニングカーの祭典であるタイ・バンコクでのエッセンモーターショー2018で、8シリーズクーペの専用ボディキットを世界初公開しました。
まず目を引くのは、精悍なエアロパーツ。すべてカーボンファイバー製です。フロントはスポイラーとスプリッター、サイドウィング、エアブリーザーカバー、そしてボンネットベントが備わっています。
サイドスカートに加え、リアはレーシーなウイングとディフューザーを装備。軽量設計のツイン5スポークアルミホイールはフロント20インチ、リア21インチです。インテリアも、パドルシフトやペダル、フットレストなどをアルミ製パーツに換装しています。
新型8シリーズ用サスペンションキット・ブレーキ
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専用サスペンションキットで、車高はフロントが20~25mmほど、リアが10~15mmほどダウン。低重心による走行安定性を高めています。ブレーキについては情報が公開されていませんが、強化されているのは確実でしょう。
新型8シリーズ用エンジンチューニング・カーボンスポーツマフラー
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コンピューターや吸排気系を中心にチューニングした結果、4.4リットルV型8気筒DOHCツインターボエンジンの最大出力は530馬力から600馬力へ、最大トルクも76.5kgmから86.7kgmへと大幅にアップしています。
「カーボンスポーツ」と名付けられた専用デザインのマフラーは、直径105mmの左右2本出しです。
ACシュニッツァーとは?
旧型8シリーズ(E31)もアルピナかACシュニッツァー仕様が鉄板
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BMWの名門チューナーといえば、ドイツのアルピナ、ACシュニッツァーが挙げられます。ともにアフターパーツを生産・販売しているだけでなく、BMWをベースにしたコンプリートカーの生産・販売も行っています。
エキサイティングな走りとエレガントなスタイリングを両立させているBMW。そうした特色が最も表れているのが、フラッグシップの8シリーズです。フラッグシップとしての存在感は、旧型8シリーズ(E31)も変わりません。
ノーマルの魅力を損なわずに、ハイクオリティのチューニング、ドレスアップを目指すなら、BMWを知り尽くすアルピナ、ACシュニッツァー仕様が鉄板といえるでしょう。
ACシュニッツァーの歴代コンセプトカー&コンプリートカー
ACシュニッツァー・ACS3 CLS/CLSⅡ(E36 M3)
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BMW・3シリーズをチューニングした高性能モデルがM3です。第2世代のM3は、1993年から1998年まで生産されました。そのE36型M3をベースに「公道で走れるレーシングカー」を謳ったのが、ACシュニッツァーのACS3 CLSとCLSⅡです。
CLSは1993年のドイツ・フランクフルトショーで発表されたコンセプトカーで、3.0リットル直列6気筒DOHCエンジンのBMW・M3(E36)をチューニングしたもの。何と、世界に1台しか存在しません。
CLSⅡは1995年のフランクフルトショーで登場しました。BMW・M3Bがベースで、3.2リットル直列6気筒DOHCエンジンを搭載しています。最大出力350馬力を発揮し、最高速度は290km/hを達成。ボディカラーから「グリーンモンスター」の愛称で呼ばれました。
ACシュニッツァー・ACS3 A.R.T(E46)
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1999年のフランクフルトオートショーで披露されたコンセプトカーが、ACシュニッツァー・ACS3 A.R.T(E46)です。A.R.TはAdvanced Racing Technologyの略で、ACシュニッツァーのレーシングチームの技術が投入されています。
最高出力370馬力で、最高速度は290km/hに到達。サスペンション、ブレーキのほか、アルミホイール、ボディワークはもちろん、300km/h表示のレーシーなスピードメーターと油温計などインテリアまで手が加えられています。
ACシュニッツァー・ACL2(F22)
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2017年のスイス・ジュネーブモーターショーでお披露目された、BMW・2シリーズクーペ(F22)用のチューニングキットがACL2です。ACシュニッツァーの設立30周年を記念し、世界限定30キットが発売されました。
足回りの強化やエアロパーツによる空力向上に加え、エキゾーストシステムの効率化やエンジンのパワーアップも図られています。チューニングされた3.0リットル直列6気筒DOHCターボエンジンは、最大出力400馬力を絞り出します。
まとめ
M8も開発
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19年ぶりに復活したBMW・8シリーズ。日本では4.4リットルV8ガソリンターボエンジンを搭載したM850i xDriveのみのグレード展開ですが、2019年には電動ソフトトップのカブリオレ、4ドアのラグジュアリーなグランクーペが追加導入される予定です。
さらに待ち遠しいのが、最強モデルであるM8クーペの投入です。初代8シリーズではプロトタイプまで開発されながら、市販化は幻に終わったM8。2018年11月にBMWが2代目のプロトタイプ画像を公開しました。こちらも、発売は秒読み段階に入っています。
BMWによると、最大出力600馬力をオーバーする高回転型のV型8気筒ツインターボエンジンが搭載されるもよう。もちろん、ノーマルで4.4リットルの排気量は、さらに拡大されるとみられます。
ACシュニッツァーをはじめとする世界の名だたるチューナーたちが、どんなこだわりの味付けを提示してくれるのか。期待は高まるばかりです。