ロータリーチューニングの老舗、RE雨宮のコンプリートカーGREDDYシリーズや最近のデモカーの歴史を振り返る!【前編】

     
   

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ロータリーチューニングの老舗、RE雨宮とは?

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RE雨宮とは千葉県・富里に本拠地を置く自動車チューニングメーカー。設立は軍艦島が閉山した1974年に遡り、コンパクトなロータリーエンジンで注目を集めました。当時は日本の炭鉱が次々に閉山され、燃料の転換期にも当たります。

現在のガソリン自動車から電気自動車へとシフトしている現代と似たような風潮が日本社会を覆っていたのです。RE雨宮は富里の他、東京・江東区の荒川沿いにも支店を有しています。2019年現在も活発に営業しており、東京オートサロンへの出展も行うチューニングメーカーです。

富里にはレーシングカー好きのファンが海外からも訪れ、今もその人気は衰えていません。

メーカーではマツダ車のチューニングを数多く取り扱い、1995年の東京オートサロンでドレスアップカー・グランプリを獲得した”GREDDY V”が特に有名です。

RE雨宮のコンプリートカーGREDDYシリーズの歴史を振り返る

公認車検をクリアした記念すべき初代GREDDY(FC3S RX-7)

エンジンに三菱製のTD05-14Bタービンを搭載した初代GREDDYは1989年のオートサロンに出展され、コンプリートカー部門で優秀賞を得ました。よくあるサイドスカートをつけたカスタムではなく、車体全体を下げたチューニングで地を這うコブラのようなフォルムをしています。

エクステリアと足回りに至っては全てRE雨宮オリジナルのパーツを使用しています。タイヤは16インチのダンロップD40M2を使用。なお、F1のタイヤは13インチです。

ポップアップライトが特徴のGREDDY II(FC3S RX-7)

初代よりスタイリッシュなデザインとなったGREDDY II。エンジン回りにオリジナルパーツを多数、追加しました。車の仕組みが多様化を表す設計でしょう。3層のインタークーラーkitやラジエターが装備されています。リアスポイラーのタイプ4を設置し、よりレース向けの外観へと変化してきました。

超ワイドボディ&ディヘドラルドアを採用したGREDDY III(FC3S RX-7)

ドアを左右から上下への開閉式(ディヘドラルドア)にしたGREDDY III はスポーツカーの代名詞ともいえるコンプリートカーとなりました。現在でもBMW i8 などでも同じ開閉方法が採用されていることから、レーシングカーといえば”ディヘドラルドア”という潮流を作ったのはRE雨宮かもしれません。

1991年の東京オートサロンでは純白の車体が展示されました。エンジンは初代と変わらぬ三菱製を使用。トランスミッションに7M-Gのトヨタ製が選ばれています。

出展を重ねるごとに消費者のニーズに応えている様子が伺えますね。

左ハンドル・カブリオレ仕様のGREDDY IV(FC3S RX-7)

GREDDY III をスリムしたようなデザインがGREDDY IV です。ここでRE雨宮はエンジンを三菱から”ユーノスコスモ”へと切り替えています。ユーノスコスモはマツダ系のエンジンで世界初のロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツの流れを組んでいます。

また、インテリアにAT仕様を設け、MTとATの両側面からアプローチを行っています。90年代は免許取得時にAT限定を選択するドライバーが増加してきた頃です。

さらにGREDDY IV は93年の東京オートサロンに出品し、「印象に残った展示車両」で三年連続の総合1位を獲得しています。

電動ガルウィング(シザー)ドア化に成功したGREDDY V(FD3S RX-7)

出典元:https://www.hagerty.com/articles-videos/articles/2018/05/08/fd-mazda-rx-7-buyers-guide

いよいよ佳境に入ってきた1995年の東京オートサロン。RE雨宮はGREDDY V でドレスアップカー部門の”グランプリ”を受賞します。見た目はGREDDY IV と似ていますが、一目で洗練されたデザインであることが分かるスポーツカーです。そして、エンジン系統でも大きく進化したのが、GREDDY V。

14個のエンジン回りの部品の12個をRE雨宮のオリジナルで製造しています。例えば、GREDDY IV までオリジナルのエンジンパーツは半数ほどでした。

外観だけでなく、RE雨宮オリジナルが存分に発揮された一台です。GREDDY V は数多の車好きの脳裏に焼き付いていることでしょう。また、タイヤはアドバン グランプリを採用、ホイールはRE雨宮オリジナルのAW-7です。

インテリアにはカロッツェリアのナビゲーションとオーディオシステムを導入し、運転時の快適性も高めたオートモービルです。1995年はRE雨宮が大きく花開いた時期でもありました。

AZ-1にポルシェCカーのパーツを移植したGREDDY VI(AZ-1)

インテリアよりエクステリアに大きな変化が見られたのはGREDDY VI です。外装はRE雨宮の特注品でエンジンや足回りにはポルシェCカーのパーツが使われています。

バンパー、サイドスカートはともに地面ギリギリまで車体を覆い、空力を考慮した流れるようなボディへと進化。タイヤを18インチと少し大きめにし、大胆なデザインへと生まれ変わったのがGREDDY VI です。

20Bエンジンと4WDを組み合わせたGREDDY VII(FC3S RX-7)

レーシングカー路線から4WDへとタフなボディになったGREDDY VII。ワイズマン製のシーケンシャル5MTの4WDシステムを採用し、四輪駆動へと変わりました。そのため外観もすっきりしたイメージになり、低重心だった前作に比べ動きやすいフォルムを形成しています。

13B改20Bエンジン、そして三菱のT88-33Bタービンによって動き出すGREDDY VII は過去のRE雨宮とは一線を画すデザインとなりました。

FDをオープン化したGREDDY VIII(FD3S RX-7)

1999年の東京オートサロン・コンプリートカー部門で優秀賞を得たGREDDY VIII はレーシングタイプへと回帰しました。いわゆるオープンカーでマツダのFDを基本にしたフォルムが特徴です。長めのボンネットに短めのリア、丸みを帯びたデザインはGREDDY VIII のシンボルです。

RE雨宮ファンは再度、あのレーシングカーが見られると歓喜したことでしょう。やはりRE雨宮はレーシングカーが強みなのです。

GREDDY V と似た方法でオリジナルのエンジンや内装、外装を多く盛り込んだことでRE雨宮らしさが最大限に引き出され、素敵なデザインを生み出しました。

GTマシン同様に空力性能を追求したGREDDY IX(FD3S RX-7)

GREDDY VIII で個性を復活させたRE雨宮は21世紀の大阪オートメッセに出展。GTスポーツA部門の人気車両スポーツ部門でグランプリを獲得しました。最大パワーは430ps、エンジンにトラスト製のタービンキット・TD07-25Gを採用しました。

一般的にいう”GTマシン”でタイヤはアドバンのA048の17インチを装備、2層R・SPLインタークーラー(トラスト製)を設置することでエンジンの冷却機能を強化した一台です。

フォルムだけでなく、エンジン内部の冷却にも力を入れたGREDDY IX。GTマシンの真骨頂ともいえる仕上がりになりました。

最終完成形のGREDDY ファイナル7(FD3S RX-7)

徐々に若者の車離れが進んできた2003年。福岡オートサロンのチューニング部門でグランプリを獲得したのが”GREDDY ファイナル7”です。ドアはGREDDY III と同じディヘドラルドアを採用、マツダのFD3S RX-7をベースにチューニングを施しました。

GREDDY IX に比べるとやや膨らみのある外観にRE雨宮のリビルトエンジンを載せています。電動ガルウィングは限定生産となりファンの耳目を集めました。

 

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