旧車やバイクのキャブレターとは?キャブ車の調整・セッティングや清掃、オーバーホールの方法を大公開!

     
   

「キャブレター」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?少し車に詳しい方や40代以上の方は一度くらいは耳にしたことがあるかもしれません。

今回はそんなキャブレターについて、様々な観点から詳しくご紹介していきます。

キャブレターとは?

引用元:CLUB CARS

では、まず初めにそもそもキャブレターとはどのような部品で、数ある車やバイクのなかでいったいどのような仕事をしている部品なのかについてご説明します。

電子インジェクション普及前の燃料供給装置

キャブレターが仕事をしているのはエンジンルームの中、エンジンの燃焼室に燃料を送っている装置です。

車やバイクのエンジンに代表されるいわゆる「内燃機関」の多くは、燃料であるガソリンや軽油を空気と混ぜ合わせた状態で燃焼させ、その爆発の力を回転の力に変えることで動力を得ています。

その時、エンジンの内部で混ぜ合わせる空気と燃料の割合は、そのエンジンの大きさや回転数、得ようとする力の大きさによって細かく調整されます。この空気と燃料の混ざった気体を混合気と呼び、混合気をコントロールしている部品こそがキャブレターというわけです。

しかし、現在ではキャブレターを使用して混合気を作り出す内燃機関は減少しています。そんの代わりに普及が進んでいるのが「EFI(エレクトリック・フューエル・インジェクション)」と呼ばれる、電子制御式の燃料供給システムです。ではなぜキャブレター方式の内燃機関は減少してしまったのでしょうか?

キャブレターの構造

キャブレター方式の内燃機関減少の理由の一つに、キャブレターの構造が関係しています。

 

引用元:4ミニnet

キャブレターはEFIと比べると部品の数も少なく、一見すると簡単に製造できると思われがちです。

しかし、少ない部品点数ではあるものの、すべての部品が微細な隙間を作り出すために非常に高精度に加工されている他、組み立てに要する技術もある種の職人の勘に頼った部分があります。

その為、自動車やバイクのように同じ性能の機械をたくさん製造する必要のある生産現場では、電子部品の塊であるEFIの方が扱いが簡便であるため、キャブレターは徐々に搭載される機会が少なくなっていきました。

中でも走行中に活躍するニードルジェットと呼ばれる針状の部品は、その性質上極めて高い加工精度が要求されるパーツです。

季節や標高によってセッティングの調整が必要

また、キャブレターはエンジンの回転によって得られる負圧のみを利用してエンジンの内部に霧状の燃料を供給しています。その仕組みはよくある「霧吹き」と同じなのですが、一般的な霧吹きとの最大の差はその一回毎の噴霧量などが極めて正確に噴出される点です。

それを可能にしているのが、前項でも話題にした部品の加工精度です。しかし、やっかいなことにキャブレターの作動原理がエンジンの回転によって生じる負圧である事と、その発生した負圧を使い正確に噴霧量を調整するためには様々な個別の調整が必要となります。

もっともキャブレターの作動に影響があるとされているのが、「気圧」です。エンジンの発する負圧のみが動力であるキャブレターにとって、周囲の気圧の変化はそのまま噴霧量や混合気の混合割合の変化として現れます。

その為、キャブレターは使用環境によって適宜調整を行う必要があり、その点においてもそういった調整の不要なEFIがもてはやされる原因の一つとなっています。

キャブレターの魅力とは?

では、キャブレターはもう過去の遺産なのでしょうか?

実は、そうばかりとは限りません。確かに現在では新車として発売される自動車やバイクにキャブレター方式が採用されるのは非常に稀です。しかし、レースや一部の自動車好きの間では今でもEFIよりもキャブレター方式が好んで使用されているのも事実です。

中には純正ではEFI方式の車であったものを、あえてキャブレター方式に変更してしますといった、コアなユーザーも存在します。

ここからは一部ファンの間で、現在でも指示を得ているキャブレターの魅力をご紹介します。

セッティング次第でEFI以上のふけ上がり

キャブレターの魅力として最初にあげられるのは、その秘めたポテンシャルではないでしょうか?

先ほど、使用環境に応じて個々にこまやかなセッティングが必要であるために量産の世界では敬遠されがちだという説明をしました。しかし、その裏を返せば、

「キャブレターは使用環境やその他の要望に応じてどのようにでもセッティングできる」

とも言えます。実際にレースの世界なのでは今でもサーキットの標高やその日の天気・湿度などによってキャブレターを調整し、最高のパフォーマンスを得ているレーシングカーが数多く存在します。

EFIと違い、その時の環境や車のコンディションによってきめ細やかな調整のできるキャブレターは、環境によってはEFI以上に車の状態とマッチングし、結果としてEFI以上のパフォーマンスを発揮してくれます。

特に、自然吸気エンジンの場合には高回転域でのエンジンのふけ上がりはキャブレター方式の方が滑らかで、心地の良いふけ上がりだとして、多くのファンを虜にしています。

ウェーバー・ソレックス・SUとは?

引用元:みんカラ

コアなファンの多いキャブレターですが、中でも特に人気なのが「ウェーバー」や「ソレックス」といった海外の部品メーカーキャブレターです。

こんな写真を見たことがありせんか?

この種の海外メーカーのチューンナップ用キャブレターの多くは、その性能もさることながら装着した際の見た目も相まって、現在でも多くのファンが存在します。各メーカー毎に特色のあるセッティングも魅力で、こだわり派のユーザーからは「○○が一番」などといった意見も多く聞かれます。

各メーカーの特色としてはざっくりと次のようなことがあげられます。

「ウェーバー」

イタリアの部品メーカーで、国内ではスカイライン200GTに採用された実績がある。固定ベンチュリー方式の為部品交換やそもそもの構造が簡易で、セッティングのしやすさには定評がある。

ただ、固定ベンチュリー方式であるため高回転ではその威力を最大限実感できるが、低回転特にアイドリングの際の調整に難しさがある。

「ソレックス」

フランスの部品メーカーだが、日本国内でもOEM生産がおこなわれていた影響で日本国内でもなじみの深いキャブレター。基本構造はウェーバーのそれと大きくは変わらないが、ピカピカに磨かれたファンネルが特徴的でその見た目の美しさにほれ込んだユーザーも多い。

「SU」

ソレックスやウェーバーとは違い、可変ベンチュリー方式を採用したキャブレター。固定ベンチュリー方式が高回転域での性能に特化したのとは逆に、街乗りでも神経質になる必要のないセッティングで多くの国産車に純正キャブレターとして採用された。

キャブレターのオーバーフローとは?

引用元:グーピット

さて、そんなキャブレターですが純正での採用が少なくなった背景には、ある程度こまめな手入れが必要であることも大きく起因しています。その中でも代表的なトラブルがいわゆる「オーバーフロー」と呼ばれる症状です。ここではキャブレター最大の敵「オバーフロー」について、対処法も合わせて詳しくご説明します。

オーバーフロー(ガソリン漏れ)の症状

では、オーバーフローとはどのような現象なのでしょうか?

キャブレターはその構造上、一定の量の燃料を常にその機内にためている状態にあります。その流入量はフロートと呼ばれる部品によって通常は自動で調整されています。しかし、何らかの原因で流入する燃料の量が吐出される燃料の量を上回ってしまった場合に、キャブレターから燃料が漏れだしてしまうことがあります。

この状態が「オーバーフロー」と呼ばれる状態です。このオーバーフローが発生してしまうと、エンジン内部の燃料と空気の比率が大きく変わってしまい、エンジンは不調を訴えます。症状としてはいわゆる「被った」ような状態となり、エンジンがふけ上がらなくなったり、場合によっては停止してしまいます。

オーバーフロー(ガソリン漏れ)の原因

では、オーバーフローの原因は何なのでしょうか?

その原因としては先ほどもあったフロートの故障(割れ)や各ジェットのつまりによる吐出量の不足などが考えられます。「キャブレターの構造」の際にもお話しましたが、キャブレターは非常に繊細且つ高精度な部品によって校正されており、埃の混入やニードルやフロートといった構成部品についてしまった小さな傷でも、大きなトラブルの原因となる可能性を秘めています。

では、そのようなトラブルを未然に防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?

オーバーフロー(ガソリン漏れ)の対処法

オーバーフローの起こってしまったキャブレターは、まずは分解しオーバーフローを引き起こした原因を見つけなくてはいけません。

見つかった原因によって対応は変化しますが、壊れたり傷のついた部品があれば基本的には交換が必要です。また、不純物の混入などによるつまりが原因の場合は、キャブレター内部の清掃で症状が改善する場合もあります。

では、そういったキャブレターのオーバーホールにはどのような注意点があるのでしょうか?次項ではキャブレターのオーバーホールについてご紹介します。

キャブレターの清掃・オーバーホールのやり方は?

トラブルの発生したキャブレターを修理したり清掃したりすることを「オーバーホール」と呼びます。一言にオバーホールと言っても分解して清掃するだけの場合や、部品をすべて交換して対応する場合など内容は様々です。

今回は最も一般的なキャブレターのオーバーホールである清掃についてご紹介します。

キャブレターの清掃方法、おすすめのクリーナーは?

レースなどの過酷な使用条件以外で、もっとも多く発生するオーバーフローの原因が異物の混入や堆積による内部のつまりです。そんな場合はキャブレターを分解し、各部品をきれいに清掃する必要があります。

キャブレターの清掃には専用の「キャブレタークリーナー」を使用するのが一般的です。各メーカー非常に多くの種類のクリーナーが発売となっています。その中でも作者おすすめのクリーナーはこちら

出典元:yahooショッピング

ムースタイプの為しっかりと密着して汚れを根こそぎ落としてくれます。価格も820円とお手頃です。

キャブレターのオーバーホールのやり方は?

では、実際のオーバーホールについてご説明します。

①まずは車体からキャブレターを取り外します。この時ガソリンが溢れてくるので注意が必要です

②次にキャブレター本体を分解します。精密部品ですので小さな傷もつけないように慎重に作業してください

③清掃です。先ほどのキャブレタークリーナーで清掃しています。汚れが取れにくい場合はクリーナーをしっかりと吹き付けて眼鏡クロスなどの柔らかい布でふき取っていきます。

④元通りに組み立てれば完成です

オバーホール後のセッティングは?

最後にオーバーホール後のセッティングについてです。

キャブレターをオーバーホールするとエンジンの調子が変化してしまうことはよくあることです。部品の交換無しで清掃だけしか行わなかった場合でも、ほんの少しの違いがエンジンの調子として顕著に表れるのがキャブレターです。

各バルブの調整で落ち着けばよいのですが、難しい場合には専門のメカニックに相談してみましょう。素人調整で無理のかかった状態での走行は最悪の場合、キャブレターそのものを壊してしまう可能性もあります。

キャブレターを分解する場合は、常に元通りに組み立てることを念頭に傷やごみの混入に細心の注意が必要です。

 

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