【日本カー・オブ・ザ・イヤー2016-17】いよいよ大詰め! 独断と偏見で今年の受賞車を予測してみた

【日本カー・オブ・ザ・イヤー2016-17】いよいよ大詰め! 独断と偏見で今年の受賞車を予測してみた
     
   

毎年、年末から年始にかけて、「カー・オブ・ザ・イヤー受賞2016-17」と誇らしげにナレーションが入るテレビCMを見ます。何やら権威ある賞のようですが、あの車もこの車も「受賞」していて、中にはどういった賞なのかちょっとよく分からないという方もいらっしゃるかもしれません。

今回はそんな方々のために「カー・オブ・ザ・イヤー2016-17」をピックアップするとともに、筆者の独断と偏見で今年の受賞車を大胆予想してみることにしてみます!

~カー・オブ・ザ・イヤーの目的・狙い・効果は?~

実は北米には「北米カー・オブ・ザ・イヤー」、欧州には「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」など、「カー・オブ・ザ・イヤー」と言われている賞は世界中にあることをご存知でしたか?

元々1950年、アメリカの自動車雑誌が企画したのが「カー・オブ・ザ・イヤー」始まりのきっかけで、現在では同じ名前を冠した賞が世界中で創設されています。しかしながら、「その国や地域で発売され、その年最も優秀な新型車に授与する」という基本ルールはどの国でも同じです。
また、2004年には、世界25か国・66人のジャーナリストによって選考される「世界カー・オブ・ザ・イヤー」が創設。こちらは毎年4月に表彰式が行われ、昨年はマツダ「ロードスター」が受賞しています。

さて、日本はというと、もちろん独自に「日本カー・オブ・ザ・イヤー」があり、毎年、優れたクルマが大賞に選出されています。実行委員会によると、
『日本カー・オブ・ザ・イヤーは、日本のモータリゼーションの発展とコンシューマーへの最新モデルおよび最新技術の周知を目的として、1980年に創設されました。』
とあります。その他、細かな受賞車選定規定がありますが、簡単に言えば「その年に国内で発売された新型車から1番を決めて、皆さんに紹介しましょう」ということですね。

「カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞する意義はなんでしょうか。実際、この賞は広く認知されており、あまりクルマに詳しくないユーザーにもそのクルマの良さを端的にアピールできます。ですから販売を促進したいメーカーは、冒頭で述べたようにテレビCMで受賞を誇らし気にアピールするわけです。受賞による販売台数増加は決して少なくないはずでしょう。
また、社会への寄与として、国内外を問わず様々なメーカーのクルマ情報を取り上げることによる高い話題性や、業界全体へ活気を与えるといった効果なども期待されます。

では、ここからの話は今年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に焦点を当てて進めていきます。

~今年のノミネート車両はどんなものか?~

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(写真は昨年の表彰式の様子)

「日本カー・オブ・ザ・イヤー」は大賞の他に、輸入車に与えられる「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」や、「イノベーション部門賞」、「スモールモビリティ部門賞」といった部門賞、さらに年によっては「特別賞」などの各賞も用意されています。

先日11月7日(月)に、実行委員会から今年の「10ベストカー」が発表されました。今年も国産・輸入車ともに魅力的な車がノミネートされています。

皆様なら、この中からどの車を各賞に選びますか?

2016-2017ノミネート車「10ベストカー」

スバル

インプレッサスポーツ/G4

トヨタ

プリウス

ホンダ

フリード/フリード+

日産

セレナ

BMW

M2クーペ

アウディ

A4シリーズ(Sedan/Avant/allroad quattro) 

ジャガー

F-PASE

アバルト

アバルト124スパイダー

メルセデスベンツ

Eクラス

ボルボ

XC90

~直近5年の受賞車はどんなものか?~

車のトレンドは世の中の情勢に左右されるものですので、やはり受賞車は世相を反映するのでしょうか? この5年間、ずっとエコカーばかり? その他の車種は? と気になりますね。では、受賞車を見てみましょう。

2015-2016シーズン

各賞

受賞車

カー・オブ・ザ・イヤー

マツダ  ロードスター

インポート・カー・オブ・ザ・イヤー

BMW 2シリーズ アクティブツアラー/グランツアラー

イノベーション部門賞

テスラ モデルS P85D

スモールモビリティ部門賞

スズキ アルト/アルト ターボRS/アルト ラパン

実行委員特別賞

ヤナセ創業100周年(株式会社ヤナセ)

トヨタ MIRAI(トヨタ自動車株式会社)

まず2015年。昨年のカー・オブ・ザ・イヤー各賞は、バラエティに富んだ結果と言えるでしょう。大賞は「世界カー・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれたマツダ「ロードスター」。妥当といえば妥当な結果であるのかもしれません。

選定基準ですが、「ロードスター」は、車の楽しさを追求した完成度の高さと継続した生産について、BMW「2シリーズ」、スズキ「アルト」は実用モデルとしての完成度の高さについて、テスラ「モデルS P85D」、トヨタ「MIRAI」は技術的な先進性についてそれぞれ評価を受けています。

2014-2015シーズン

各賞

受賞車

カー・オブ・ザ・イヤー

マツダ デミオ

インポート・カー・オブ・ザ・イヤー

メルセデスベンツ Cクラス セダン

イノベーション部門賞

BMW i3

スモールモビリティ部門賞

ホンダ N-WGN/N-WGNカスタム

実行委員特別賞

トヨタの燃料電池車への取り組み
(トヨタ自動車株式会社)

2014年は車としての完成度という面にクローズアップされた傾向がうかがえます。

受賞したマツダ「デミオ」、メルセデスベンツ「Cクラス」、ホンダ 「N-WGN」は、それぞれエコロジー性能やクラスを超えた完成度などについて高い性能をもっているクルマです。

一方、BMW 「i3」は、車両廃棄まで考慮した本質的なエコロジー車としての作り込みを評価されたといえるでしょう。

2013-2014シーズン

各賞

受賞車

カー・オブ・ザ・イヤー

フォルクスワーゲン ゴルフ

イノベーション部門賞

三菱 アウトランダーPHEV

エモーショナル部門賞

マツダ アテンザ

スモールモビリティ部門賞

スズキ/マツダ
スペーシア&スペーシアカスタム/フレアワゴン

実行委員特別賞

ダイハツ ムーヴ
フロントリフト(福祉車両)

2013年の受賞車は、それぞれ評価点がバラバラで、とてもバラエティに富んでいます。また、大賞受賞が史上初の輸入車というのも注目すべきポイント。この年は深みのあった年と言えるかもしれません。

フォルクスワーゲン「ゴルフ」はセグメントの見本となる完成度。三菱「アウトランダーPHEV」はプラグインハイブリッドSUVという新たなジャンルを構築したこと。マツダ「アテンザ」は、日本車離れしたデザイン性の高さや車としての完成度の高さ。スズキ「スペーシア」は、軽自動車に求められる難易度の高い要求をうまくまとめあげたことが評価されました。

2012-2013シーズン

各賞

受賞車

カー・オブ・ザ・イヤー

マツダ CX-5

インポート・カー・オブ・ザ・イヤー

BMW 3シリーズ(セダン/ツーリング)

日本カー・オブ・ザ・イヤー特別賞

トヨタ 86/スバル BRZ

2012年は前年の流れを受けた「環境性能」に加え、「運転の楽しみ」に着目された年と言えます。ラインアップを見てみても、スタイリッシュなSUVや次世代スポーツカーなど、クルマを操る人の喜びに寄り添った傾向が強く見て取れます。その中でもマツダ「CX-5」は、デザイン性の高さを持ちながら高い環境性能を両立している点で評価も一歩抜きん出ています。

また、BMW「3シリーズ」は、従来からの運転の楽しさを、トヨタ「86」、スバル「BRZ」は、メーカーの枠を超えて生まれた新時代のスポーツカーとして評価されました。

2011-2012シーズン

各賞

受賞車

カー・オブ・ザ・イヤー

日産 リーフ

インポート・カー・オブ・ザ・イヤー

メルセデス ・ベンツ Cクラス

日本カー・オブ・ザ・イヤー特別賞

マツダ デミオ スカイアクティブ

2011年は、「環境性能」。これに尽きる1年であると言えるでしょう。

日産「 リーフ」、メルセデス・ベンツ「Cクラス」、マツダ「デミオ」と名前が並んでいますが、どれもその年の環境性能の面で高クオリティを実現したクルマです。特に「リーフ」は世界初の量産型電気自動車(EV)として実用性でも認められたということは特筆すべき点です。

「リーフ」に限らず、この年の受賞車は環境性能+αで評価を受けています。メルセデス・ベンツ「Cクラス」は、高い位置でまとまったクルマそのものの基本性能を、マツダ「デミオ」は、環境性能に加え、「運転の楽しさ」という点がポイントだったと言えるでしょう。

~近年の受賞車からトレンドを探る~

直近5年間の受賞車を見てみると、やはりどうしても外せないのは環境性能です。各メーカーがあらゆる技術を駆使して環境性能を高めていますが、その上で、運転の楽しさを備えていたり、安全性やデザイン性、使いやすさなど、車としての高い性能を持っていたりしていることが評価されるポイントだと思います。

では、これらトレンドを踏まえた上で、今年のエントリー車両からはどの車が受賞するでしょうか。大胆にも予想してみます。

~今年の受賞車予測~

今年の10ノミネート車を見ると、とても多彩で魅力的な顔触れになっていると感じられます。環境性能は勿論ですが、スポーツ性やユーティリティ性、実用性などをしっかりと兼ね備えた車が選出された印象です。これまで各メーカーが環境性能を高める技術を着実に積み上げ、その方向性と性能が安定してきたため、車としての総合バランスが一気に高まってきた結果だと言えるでしょう。

注目の今年の受賞車予測ですが、環境性能の高い車という点で、まず新型「プリウス」は最有力候補になりそうです。

また、環境性能とユーティリティ性の高さという点では「セレナ」、「フリード」も受賞の可能性は高いのではないでしょうか。

インポートカー部門では、スポーツ性が非常に高いBMW「M2クーペ」アバルト「124スパイダー」に注目すべきでしょう。同じインポートカー部門では、ジャガー初のクロスオーバーSUVの「F-PASE」ボルボの「XC90」も気になるところですね。

新型「インプレッサ」アウディ「A4」も、評価の高い4WDシステムからくる走行性能の高さと環境性能のバランスという点で、高評価が予想されます。

さて、注目の最終選考会・表彰式は12月9日(金)。皆さんは、どの車が受賞すると思いますか? 今からとても楽しみです!

2016年ノミネート「10ベストカー」

スバル

インプレッサスポーツ/G4

トヨタ

プリウス

ホンダ

フリード/フリード+

日産

セレナ

BMW

M2クーペ

アウディ

A4シリーズ(Sedan/Avant/allroad quattro) 

ジャガー

F-PASE

アバルト

アバルト124スパイダー

メルセデスベンツ

Eクラス

ボルボ

XC90

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