「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーで、1997年より販売開始されたトヨタ・プリウス。今や街に一歩出れば見ない日はない、国産ハイブリッドカーの代名詞ともいえる存在にまで成長したクルマです。プリウスはなぜこのようにみんなから愛されるクルマになったのでしょうか? ここでは、プリウスの歴史を振り返りつつ、特に燃費などを中心にプリウスの性能に迫っていきます。
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プリウスの歴史の前にハイブリッドの歴史を紐解こう!
プリウスの歴史について語る前に、まずはハイブリット車の歴史を紐解いていきましょう。実はハイブリッド車の歴史は意外にも古く、1899年にまでさかのぼります。現在のポルシェの生みの親である、フェルディナント・ポルシェ博士が製作した「ローナーポルシェ ミクステ」が現在のハイブリッド車の元祖であるといわれています。
ローナーポルシェは、現在日産・ノートe-powerで採用されている、エンジンで発電した電気でモーターを駆動する「シリーズ式ハイブリッド車」でした。しかし、当時はバッテリーの重量や性能的な問題を克服できず、ハイブリッド車はいつしか忘れられた存在になります。
再び脚光を浴びたのは1975年、トヨタがこの年開催された東京モーターショーにセンチュリーをベースにしたガスタービン・ハイブリッド車を出展したのです。トヨタは1968年よりガスタービンエンジンの基礎研究を行っており、その後のオイルショックを機に本格的なハイブリッドシステムの開発を進める方向に舵を切りました。
その後の1977年の東京モーターショーでは、より小型のスポーツ800にガスタービン・ハイブリッドシステムを搭載し参考出品。再びハイブリッドが注目されるきっかけを作りました。ただ、この当時もモーターやバッテリーといった部品の信頼性が十分とはいえず、プリウスの開発は中断してしまいます。
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