https://pixabay.com
タイヤのパンクとは?修理できるパンクとできないパンクの違いは?
出典:https://www.photo-ac.com
車のタイヤのパンク、出来れば起こってほしくないアクシデント。パンクなら修理できるからと安堵するのはちょっと早いかも⁈パンクの状態によっては修理が不可能でタイやを交換しなくてはならない場合があるのをご存知ですか?
万が一のパンクで混乱しないために、修理できるパンクとできないパンクの見分け方をご紹介します。
スローパンク
スローパンクとはスローパンクチャーの省略で、タイヤの空気が徐々に抜ける状態のことです。
スローパンクが起こるのは、釘のような尖ったものがタイヤに刺さっていたり、エアのバルブのムシ(バルブコア)が破損、劣化したり、タイヤの組付け状態が悪いなど、様々な原因が考えられます。
スローパンクは見た目では判断が難しいのが特徴です。タイヤの空気圧は1ヶ月で10~20kPaの低下は平常ですが、それ以上の減少が見られる場合はスローパンクの疑いがあります。
タイヤの空気圧の異常に気付いたら、タイヤの専門店で速やかに点検をしてもらいましょう。スローパンクの原因が異物によるものであれば「裏貼り」という内面修理が可能です。
スローパンクは放置すると、タイヤ交換を余儀なくされる破損を招きかねません。ドライバーの心得としてタイヤの点検は月に1回は必ず行うようにしましょう。
バースト
バーストとは、タイヤが破裂して車の走行が不可能になる状態のことを指します。
バーストの原因で最も多いのが、タイヤの空気圧がアンバランスのまま走行を続けること。タイヤの空気圧が低いままで走行すると、タイヤのゴムに負担がかかり摩擦によってある日突然破裂を起こしてしまいます。
他にはタイヤの劣化によって表面が硬直し、ひび割れや劣化部分からバーストすることも原因の一つ。
タイヤがバーストしてしまうと、基本的に修理はできません。走行中の応急処置としては直ちに走行を止め、スペアタイヤに交換します。スペアタイヤの搭載がない場合は、ロードサービスに連絡をしましょう。
バーストによるタイヤの破損は、タイヤその物の交換が必要です。タイヤの交換は高額な費用が伴います。バーストを起こさないためには、日ごろからのタイヤの空気圧点検を怠らないようにしたいものです。
タイヤのこぶ、ピンチカットとは?
タイヤの異常を見つけるために、タイヤの状態を日ごろから確認しておく必要があります。タイヤのこぶと言われる「ピンチカット」という状況を見つけたら、すぐにタイヤ専門店かディーラーで交換してください。
ピンチカットは、何らかの衝撃でタイヤの内部にあるカーカスコードが切れて突起状態になる症状。ピンチカットは修理が不可能で、長く放置するとバーストの恐れがある危険な状態です。直ちにタイヤの交換を行ってください。
トレッド面で規定内であれば修理可能
タイヤには、「トレッド面」と呼ばれる、路面に接地するタイヤ溝がある部分があります。パンクはこのトレッド面に釘や異物が刺さり、空気が徐々に抜けるスローパンクが一般的です。この部分の修理が修理が可能なのは次の範囲。
- 損傷の直径が6㎜以下の場合
- 損傷個所が2か所以内の場合
- 損傷の周上間隔が40㎝以上あること
トレッド面に起こった損傷は、上記の範囲であれば修理は可能ですがあくまでも応急処置にすぎませんので、出来るだけ早い内に交換することをお勧めします。
サイドウォールの傷やコード切れ、セパレーションしているタイヤは修理不可
タイヤのサイドウォールの損傷やセパレーションしているタイヤは修理が不可能なことを留意しておきましょう。サイドウォールとは、タイヤ面からみてホイールの周りの部分で、トレッド面の外側を指します。
サイドウォールに損傷をきたす原因として、縁石や路面との段差に擦り付けたり、タイヤに適合しないホイールによって傷が付くことが考えられます。このようなサイドウォールの損傷は、放置によってバーストを起こす危険性があり、直ちにタイヤの交換が必要です。
セパレーションを起こしているタイヤとは、ゴムの劣化によりタイヤ溝の間にひびが入りタイヤの骨格まで達するとタイヤが変形している状態。セパレーションはやがてバーストを引き起こします。
常時車を駐車したままの状態で放置しているとセパレーションを起こしやすくなりますので、こまめにタイヤの状態をチェックしましょう。
パンクした時の応急処置方法は?
出典:https://www.photo-ac.com
とっさに起こるパンクのアクシデント。まずは慌てずに速やかに対処をしたいものです。ここでは急なパンクに備えて、パニックにならない為の応急処置方法をご紹介します。
安全な場所に停車
走行中にハンドルが急に取られたり、地面を引きずるような異音がしたりする場合はパンクの可能性があります。
タイヤのバーストでない限り走行可能であれば、路肩に停止するのではなく、なるべく広い駐車スペースが確保できる場所まで、ゆっくり走行し停車しましょう。
高速道路を走行中、サービスエリアまで走行が不可能な場合は次のことを注意して安全の確保をしましょう。
- ハザードランプや発煙筒、停止表示機材を設置し後方の車に合図を送る
- 車内に残らず、車の周りは避けて待機
- 移動はガードレールの外側など安全な場所
スペアタイヤの交換方法
安全な場所に車を停車したら、破損したタイヤをスペアタイヤに交換します。タイヤ交換の前にまずは、エンジン停止を確認しパーキングブレーキを引き、マニュアル車は1速、オートマチック車はパーキング位置へ。
ハザードランプを点灯させ、停止表示板を設置しておきます。交換するタイヤの対角に輪止めをし、ホイールキャップを外したら、タイヤ交換の準備完了。スペアタイヤ交換は次の手順で。
- ジャッキアップの前に、ホイールナットレンチでナットを締める
- ジャッキでジャッキセット位置まで上げ、ハンドルを接続しタイヤが地面から離れるくらいまで持ち上げる
- ナットをすべて外し、タイヤを取り外す
- スペアタイヤを取り付け、手でナットを仮止めしてから車を降ろし、ナットレンチでしっかり締める
テンパータイヤはどれぐらい走行可能?
タンパータイヤ、一般にスペアタイヤと呼ばれるものは通常のタイヤより軽く空気圧の設定も高いため、平均的寿命は100km程度と言われています。スペアタイヤの交換は義務付けられてはいませんが、念のため車検の際などに問題がないことを確認しておきましょう。
パンク修理剤/修理キットの使用方法
出典:https://www.rakuten.co.jp
パンク修理キッドには、コンプレッサーとパンク修理剤が入っています。それらを使用したパンクの修理方法をご紹介します。
- タイヤが軽く持ち上がるまでジャッキで上げ、タイヤのバルブコアを外す
- 薬剤を流し入れ、タイヤを2,3回転させ薬剤を全体に広げる
- シガーソケットから電源をとり、コンプレッサーで空気を入れて完了
パンク修理剤/修理キット使用後はどれぐらい走行可能?
パンク修理キットでパンクを修理したら、基本の制限は最高速度80km/h、走行距離80kmです。パンク修理剤はタイヤの樹脂を溶かして破損個所の応急処置をする方法です。
修理剤でコーティングされたタイヤは速やかに新しいものと交換が必要です。応急処置を行ったからと言って修理を後回しにするのはやめましょう。
また一度使用したパンク修理剤も再度使用はできませんので、予備となるものを購入しておきましょう。
自走可能なら近くの修理工場やカー用品店でパンク修理依頼
スローパンクの対処なら、車が走行可能な状態であれば、近隣の修理工場やカー用品店まで車を持ち込み早急に処置をすることが賢明です。タイヤの損傷状況によって交換が必要な場合は、その場ですぐに交換が出来ますので、改めて足を運ぶ手間が省けて便利です。
ランフラットタイヤの場合
ランフラットタイヤとは、万が一パンクをしても80km/hで80km程度の距離なら走行が可能なタイヤです。ランフラットタイヤを装着の車はスペアタイヤ搭載の必要がなく車のスペースを有効活用することができる特徴があります。
ランフラットタイヤなら、パンクした状態で十分に安全な場所までの移動も可能なうえロードサービスを呼ぶこともなく修理工場まで走行するメリットがあります。一般的にランフラットタイヤのパンクは修理不可能と言われていますが、一定の条件を満たしていれば修理も可能です。
修理可能条件は以下の3つ
- 空気圧が70KPA 以下で走行していないこと
- 修理可能なトレッド面の損傷であり、修理基準を満たしていること
- プラグ、パッチタイプ、修理剤による修繕
JAFや保険のロードサービス
自動車任意保険にはほとんどの会社がロードサービスを付帯しています。パンクで困ったときは、便利なロードサービスを活用しましょう。ロードサービスが無料で行っているサービスは、スペアタイヤ交換もしくは修理キットでの応急処置。レッカー移動が必要な場合も一定の距離や指定工場まで無料のサービスが受けられます。
JAFに加入済の方は、もちろんロードサービスは無料ですが、任意保険のロードサービスと比較するとレッカーサービスの無料期間が15kmまでの制限があり、もちろん会員以外はタイヤ交換の代金も別途かかります。
ロードサービス救援コール:0570-00-8139
短縮ダイアル:#8139
出典:http://www.jaf.or.jp
ご自身でタイヤパンクの応急処置ができない場合は、便利なロードサービスを活用して対処をしてもらいましょう。
まとめ
出典:https://www.photo-ac.com
突然のパンクアクシデントに見舞われたら、とにかく焦らず冷静に対処をしましょう。安全な場所に停車し、ご自身で対処不能の場合は、ロードサービスを活用します。また日ごろからタイヤの定期的な点検と交換を行い、パンクを起こさないように管理をすることもドライバーとしてのマナーではないでしょうか。