2016年12月中旬、ランボルギーニ・アヴェンダドールSの日本での発売が発表されました。
ランボルギーニ・アヴェンタドールの後継にあたるランボルギーニ・アヴェンタドールSですが、その性能に試乗した方々は、相当に驚いたと語ります。
皆さんは「ランボルギーニ」と聞いてどのようなイメージをされますでしょうか。大抵の方は超高級なスーパーカーを作るメーカーという印象を持っているかと思われますが、中にはどんなクルマを作っているのか詳しく知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はランボルギーニ・アヴェンタドールとはどんなクルマなのか、詳しく迫ってみましょう。
日本のスーパーカーブームで隆盛したランボルギーニ
photo by Mangan2002(CC 表示-継承 3.0)
ランボルギーニ社は、第二次世界大戦が終わった1962年にイタリアのカーメーカーとして設立。創業当時はトラクターやトラックを製造・販売していました。
経営者であったフェルッチオ氏は優秀な技術者でもありました。事業が順調に進み、彼はフェラーリのオーナーになりましたが、フェラーリはクラッチにひどい欠陥があり、それを研究、改良。それにより、ランボルギーニはフェラーリと大きな差をつけたと言われています。
日本で有名になったのは、1970年頃の「スーパーカーブーム」のころです。カウンタックをはじめ、ミウラ、イオタ、ディアブロなど、数々の名車を世に送り出し、ポルシェやフェラーリといったスーパーカーは、ベンツやBMWなどの高級車とは違う客層に人気が出ました。
現在、50歳前後の男性はかなりの確率で夢中になったハズです。「スーパーカー消しゴム」や池沢さとし氏のマンガ「サーキットの狼」と聞いて懐かしいと思われる方も多いのではないでしょうか。
ランボルギーニは当時から超高級車ばかりで、今回発売されるランボルギーニ・アヴェンタドールSも新車価格が4000 万円を超えるという、一軒家よりも高いというクルマです。
ランボルギーニ・アヴェンタドールSの基本的なスペックとデザイン
エンジン:6.5L V型12気筒DOHC
駆動方式:4WD
最高出力:740PS/8,250rpm
最大トルク:75.4kgm/5,500rpm
トランスミッション:7速DCT
価格:4490万4433円
ランボルギーニ・アヴェンタドールは2010年をもって生産が終了したムルシエラゴの後継として、2011年より発売されました。今回のアヴェンタドールSは、新世代のアヴェンタドールモデルとして発表され、先代よりも最大出力、最大トルクを上回る驚異のクルマです。
デザインはシャープさを強調し、かなり攻撃的な印象です。各パーツに変更を施しており、デザインのシャープさもさることながら、空力性能も向上していて、性能もアップしています。
こんなクルマが日本で走る光景をみる機会があるのでしょうか。
試乗会で絶賛を受けたアヴェンタドールS
2017年1月、スペイン・バレンシアにて、ランボルギーニ・アヴェンタドールSの試乗会が開催されました。その試乗会で新型アヴェンタドールのハンドルを握った関係者は、一様に興奮し、驚愕したと言います。
まず、あれだけのパワーを持ちながらも、抜群の安定性。そして、強烈なブレーキの効き具合やアクセルを踏み込んだ時の恐ろしいほどの加速。サーキットの直線が、まるで以前より短くなったように思えてしまうほどだったとのことです。
「まるでクルマが自分の意思を理解しているのではないか。もしかしたらSFの世界のクルマではないのか?」などと、冗談混じりにコメントした人もいたという話もありました。
制動能力は前モデルであるランボルギーニ・アヴェンタドールもほぼ同じですが、スタートからわずか3秒足らずで100キロに達してしまう加速や最高速度350キロ以上での安心感は、他のクルマではあり得ないというコメントが多く聞かれました。
もし普通のクルマを運転している人が、このクルマに乗ったらどう感じるのか。試してみたい気もします。おそらくは、自動車ではない、何か別の乗り物に感じるかもしれません。
称賛される最新技術、4輪操舵システム
最新技術である4輪操舵システムはかなりの高い評価を受けています。これは低速時、高速時、それぞれの状況に応じて、安定した走りができるシステムです。
低速では後輪がステアリングと逆向きになり小回りが効き、逆に高速の場合は4輪ともに同じ方向を向き、しっかりと安定するということです。
2016年に発売されたランボルギーニ・チェンテナリオ(イタリア語で100周年という意味)にも同じシステムが使われていますが、今回、アヴェンタドールSに採用されたことに驚いた人が多かったようです。
4種類のドライブモード
このシステムは状況や好みにより、ハンドルを握るドライバーが自由に選べるモードです。
ノーマルモードは「ストラーダ」、スポーティーな走りは「スポルト」、サーキットでは「コルサ」と呼ばれます。ランボルギーニ・アヴェンタドールSには3つのドライブモードに加えてさらに「エゴ」という新しいモードが加わりました。
「エゴ」モードは、ドライバーがその他のモードを自分の思うようにカスタマイズすることができます。これにより、ドライバーのテクニックや天候、その他の状況に応じて、それぞれに合わせたクルマにできるというわけです。
アヴェンタドールSを超えるクルマは現れるのか?
近年のダウンサイジングの流れの逆で、これでもかと言わんばかりの大排気量V12型エンジンをさらにパワーアップさせるという発想は、ランボルギーニ社の強烈なメッセージを感じ取ることができます。まさにランボルギーニ・アヴェンタドールSはスーパーカーの頂点に立ったといえるでしょう。
全てのカーマニアにとってあこがれの的であるランボルギーニ・アヴェンタドールS。今後、このクルマを超えるようなスーパーカーは出てくるのでしょうか?
今の時点は想像が全くつきません。
【関連項目】
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