一気に7台のトラックタイヤ交換で全身がカクカク(笑)。すごく勉強になる作業!

一気に7台のトラックタイヤ交換で全身がカクカク(笑)。すごく勉強になる作業!
     
   

筆者在住のところは、「豪雪地帯」です。そろそろ平地でも雪が降り始めるころです。雪が降る地域では、スタッドレスタイヤは必要不可欠となっています。

今回「トラックのタイヤ交換」を初めてお手伝いすることになりました。さらにタイヤ交換の方法を何台もやって、覚えてしまおうというお話です。ちなみに「5台の4トン車+2台の2トン車=42本」のタイヤ交換を行い、全身カクカクになりました。

ここでは、トラックならではのタイヤ交換手順やトラックと乗用車の違いなどをレポートしてみます。なお、作業の合間に写真撮影していますので、いろいろなトラックの画像になっています事を予めご了承ください。

トラックのタイヤ交換手順 前タイヤ編

引用:筆者撮影画像

まずは、前輪のタイヤ交換を行います。とその前に、、、トラックのタイヤってどのくらいの重さがあるのでしょうか?

あくまでも参考としての一般的なタイヤ+ホイールの重さになりますが、50㎏~60㎏と言われています。これは、一般的な乗用タイヤの約3倍となります。➡全身カクカクになった理由がわかります。

ということで、タイヤ交換作業に戻ります。

まずは、ジャッキアップしてフロントタイヤを外していきます。

トラックのタイヤは、乗用と違うハブボルトを採用

引用:筆者撮影画像

運転席側(リア同様)は、通常の乗用車と同じく右に回せば締まり、左に回せば緩みます。41㎜のソケットで緩めていきます。とにかく力を使わなくても緩められたり、締めたりする工具がないと非常につらい作業であることを認識した瞬間でした。

引用:筆者撮影画像

助手席側(リア同様)は、逆ネジになっています。ということは、時計回りに回すと緩み、半時計回しをすると締まっていきます。

トラックは、乗用車とは違い、非常に自重も重く、さらに荷物を積んで運ぶ車です。ホイールナットのゆるみなどを防ぐために、左側は回転方向に併せて締まっていくように、逆ネジになっている構造です。この違いに注意しないと緩めていると思ったら締めていた、さらにホイールやハブボルトを破損してしまった、という結果になりえます。

引用:筆者撮影画像

上記がフロントスタッドレスタイヤが外れた状態です。交換の際にはハブボルトの破損やその他の破損がないか点検していきます。ハブボルトがサビている場合は、ワイヤーブラシなどできれいに掃除してあげます。

トラックのタイヤ交換手順 後タイヤ編

引用:筆者撮影画像

リアデフのところにジャッキをかけて、上げていきます。なるべく平らな所に輪止めをして作業しましょう。少し傾斜があると車体が重い分、左右どちらかに傾いて上がってしまいます。

引用:筆者撮影画像

ジャッキアップしていくと、やはり若干傾きます。そのまま上げていけば、左右のタイヤが持ち上がるのですが、片方のタイヤがかなり高い位置になり、交換が大変になります。

先ほどお話ししたように、トラックのタイヤは50㎏~60㎏になります、それもリアは2本づつ・・・。作業性や安全のためにもタイヤを持ち上げる高さは、2cm位がいいです。傾きを抑えるために、補助のジャッキを使用して平行に上げていきます。これが、上記の画像です。

引用:筆者撮影画像

リアタイヤは、ダブルタイヤになっています。外側タイヤは、フロントと同じように外していきます。内側のタイヤは、袋ナットと言われるトラック用のナットで止まっています20㎜角で外していきます。

外側のタイヤを外す際に非常にきつかったのですが、袋ナットの外ネジがやはりナメテイルことがわかりました。これは、ネジを切りなおすか、それとも新品に交換です。

引用:筆者撮影画像

リア側のスタッドレスタイヤが外れました。ハブボルトのチェックなどを行います。

トラックのリアタイヤ取り付け状況

ボディ側からみると

  1. リアブレーキシューからハブボルトが出ている
  2. 内側のタイヤが入る
  3. 内側のタイヤを止めるのに、袋ナットを使用する
  4. 外側のタイヤが入る
  5. ホイールナットを締める

引用:筆者撮影画像

今回渋くなって、ナメテイタ袋ナットは、新品と全交換しました。袋ナットやナット、ハブボルトは、正ネジ、逆ネジがあるので、必ず部品に、RやLの表示があります。間違えないようにしましょう。

トラックのホイールの締め付けトルクって?

                                  締付トルク:kgf・m(N・m)     

メーカー名 ねじサイズ 主要車型〔通常名等〕 規定の締付けトルク
いすゞ 前側
M24×1.5
後側
M20/M30×1.5
〔フォワード〕
FR、FS、GSなど
45~50
(440~490)
日産ディーゼル 前側
M20×1.5
後側
M20/M30×1.5
〔コンドル、ビッグサム〕
MK、LK、PW、CW、CX、CGなど
38~43
(370~420)
日野 前側
M20×1.5または
M24×1.5
後側
M20/M30×1.5
〔レンジャー〕
FC、FD、GC、GDなど
40~48
(390~470)
三菱ふそう 前側
M20×1.5または M24×1.5
後側
M20/M30×1.5
〔ファイター〕
FH、FK、FL、FNなど
38~42
(370~410)

乗用車の3倍から5倍の力で締め付けられていることがわかります。ただ、締め付けすぎになるとハブボルトが折れたり、タイヤが脱落したりしてしまうので非常に注意が必要な作業でもあります。

トラック用のトルクレンチを使用して締め付け確認を行うのが良いでしょう。

プロの方もトラックのタイヤ作業は、大変のようですね。筆者は、7台の交換で足が「カクカク」してしまいました。

今回交換にメインで使用した工具

引用:筆者撮影画像

  • ナットや袋ナットを外すときは、左側の赤黒のインパクトレンチで外します。
  • 長い棒状のレバーは、タイヤを装着する際に使用します。
  • 締め付けるときは、右側のエアインパクトで締め付けていきます。

エアインパクトには、ダイヤルが1-2-3-4と付いています。今回お手伝いしていた会社では、1で締め付けし、2で本締めをすればほぼ上記表のようなトルクになるということで、その作業手順に併せて行ってます。

まとめ

一気に7台のトラックタイヤ交換で全身がカクカク(笑)。すごく勉強になる作業!をまとめると

  • 右側・左側でネジが正ネジと逆ネジがあることに注意しましょう。
  • トラックタイヤは、50㎏以上あります。ケガをしないような作業が大事です。
  • 既定トルクで締めることが重要です。

筆者の個人的な見解ですが、トラックのタイヤ交換は非常に大変な作業です。7台で42本の交換を行いましたが、気持ち的には、一日で20台の乗用車を交換した気分です。➡タイヤの重さを考えれば、当たっているような気もします。

タイヤは、トラックも乗用車も唯一路面に接しているパーツです。ミスのないように作業しましょう。

ニュース・コラムカテゴリの最新記事