そのほかの部門賞受賞車を考察!
スモールモビリティ部門賞:ホンダ・N-BOX
実質的な日本車ナンバーワンはホンダ・N-BOXとトヨタ・プリウスPHV」。どっちかと言われれば、よりインパクトと話題が大きく、多くのユーザーが実際に購入したという事実を考えればホンダ・N-BOXこそがナンバーワンといえるでしょう。
カーオブザイヤーに選ばれなかった今回は、スモールモビリティ部門賞という、イヤーカーに選ばれなかった軽自動車の賞です。N-BOX以外でこの賞に該当する車種としては、フルモデルチェンジされたダイハツ・ミライース、もしくはスズキ・ワゴンRだったでしょう。
どちらも日本が誇る最新の軽自動車。 今年はN-BOXを含めて、日本を代表する軽自動車の多くがフルモデルチェンジし、どれもが普通車を凌ぐ安全装備と質感を身に着けていました。次年度は残るクラスの、軽SUVと軽商用車が注目されるはずです。
イノベーション部門賞:トヨタ・プリウスPHV
イノベーション部門賞のトヨタ・プリウスPHVは、PHVのメリットを最大限に実現し,2モーターを採用することで、低燃費を維持。さらにソーラー充電の本格的な実用化などもイノベーティブであると判断したものですが、ソーラー充電の本格的な実用化はプリウスPHVに始まったことでもなく、ソーラー充電も、コストパフォーマンスが悪く評価する人も少ないのです。
ですが、実際にトヨタ・プリウスPHVが受賞したのは、いわば不戦勝なのでした。
ホンダ・N-BOXがイヤーカーとなっていたら日産・リーフが該当するはず。イノベーションという賞に相応しいのはPHVではなく、EVであるはずなのです。この技術も決して独創的というものではありませんが、近い将来EVだけが生き残るということが鮮明になった2018年の世相において、性能アップされたEV以上に「イノベーション」の称号が合う車種はないでしょう。
しかし、そんなリーフからイヤーカーやイノベーションのタイトルを奪い去ったのは、日産自身。もし、「バッドカンパニー部門賞」があったなら間違いなく受賞したでしょう。
エモーショナル部門賞:レクサス・LC
受賞理由として、ダイナミックで美しく独創的なスタイリングと、ドライビングの楽しさに満ちあふれている点など、レクサスブランドを牽引するにふさわしい、もっともエモーショナルなモデルであることが評価されました。
たしかにカッコ良く、ダイナミックなスタイリングですが、海外での評価は高くなく、価格や大きさ、メインの市場が海外であってもいのなら、もっと官能的な車種があったはず。例えばアルファロメオ・ジュリア、アウディ・A5シリーズ、レンジローバーヴェラールはなぜ選ばれなかったのか。イヤーカーは輸入車でも、エモーショナル部門はあくまで日本車でなくてはいけなかったのでしょうか。
委員会特別賞:トヨタ自動車と 佐藤琢磨
ハイブリッド車の累計販売台数が1000万台に達した「トヨタ自動車」と、インディ500マイルレースで日本人初の優勝を成し遂げたレーシングドライバーの「佐藤琢磨」選手に関しては特に問題なし。
特に、佐藤琢磨選手に関しては車ではなく、メーカーでもない一個人としての受賞ですが、選考委員もこの偉業に対して、我々も何か表彰したいと思ったのか、あるいは単純にタクマ自身とそのトロフィーを間近に見たかったのかもしれませんが。