【第3回】もしもの時も安心! 事故車の定義 から廃車の手続きまで徹底解説!~中古車購入時の見分け方~

【第3回】もしもの時も安心! 事故車の定義 から廃車の手続きまで徹底解説!~中古車購入時の見分け方~
     
   

「第2回・事故車・廃車に関する具体的な手続きについて」でお話ししたように、 事故車 ・修復歴車であるにもかかわらず無事故車として販売されている車もある昨今、中古車 購入 時に 事故車 かどうかを見分けることは重要です。第3回となる今回は、そんな時に役立つ「 事故車 購入 時のノウハウ」について解説します。

事故車 の 定義 をおさらい

事故車の見分け方を解説する前に第1回のおさらいをしておきましょう。事故車というのは広い意味で事故歴のある車のことですが、事故歴を記録する書類や義務はなく、走行距離を重ねた車だと事故歴を完璧に把握することは難しいとお伝えしました。中古車を購入する時に参考にするのは、事故歴ではなく修復歴です。自動車の骨格・シャシーに当たる部分に損傷を受けたり、損傷後修正・交換を行った場合には修復歴がつき、その記録を販売したり下取りに出す場合は開示する義務がありましたよね。

では、この修復歴さえ見れば事故車かどうか見分けられるのかというと、残念ながら一概にそうとは言い切れません。シャシー以外に受けた損傷、例えばバンパー・フェンダー・ホイールなど外装パーツが破損しているだけなら、過去に事故を起こした車でも修復歴なしと表示できてしまいます。

重要なのは以下の3ポイントを押さえることです。

  • 信用できる中古車販売点で購入する
  • 整備記録の残っている車両を購入する
  • 実際に試乗し、事故車かどうか見分ける

今回は事故車の見分け方がメインテーマですので、実際に試乗する時にクルマのどこを見れば事故車かどうか見分けられるのか、そのポイントを今からお伝えします。

外装から見る 事故車 の見分け方

まずは外装からいきましょう。バンパーやフェンダー、トランクやボンネットなど外装パーツは事故で交換したとしても修復歴がつきません。しかしながら外装には、事故や修理を行った痕跡が残っているものなのです。

第一印象で車両から違和感を感じ取る

不思議なもので、フレームの修正や修理を行った車両だと、全体を見ているだけで違和感を覚えることがあります。見るべきポイントがつかめれば、自ずと違和感の理由に自分で当たりをつることができるようになるので、違和感があれば、納得できるまで違和感の理由を探すように心掛けましょう。

ボディからつなぎ目を見る

通常ボンネットやトランクなど車を構成するパーツの継ぎ目は隙間が小さく一定です。しかし事故歴のある車だとこの隙間が一部だけ極端に大きかったり、他の継ぎ目とは隙間の大きさが異なったりする場合があります。ボディの一部を修理・交換している可能性がある訳です。

塗装を見分ける

車の塗装というのは車の保管場所やコーティングの有無、洗車のやり方などにより全ての車が異なります。そのため、バンパーなどを新品に交換する場合には、完璧に行おうとすると現車に合わせて塗装色を調合することになります。それでも完璧に同じ色を作るのは難しく、どうしても若干違う色になってしまいます。一見同じ色に見えても、見る角度を変えていくと光の反射の具合で色が違う部分が見えてくることもあります。つまり、光の当たる確度を考えながら、いろいろな角度から車を観察し、色が異なる場所があれば、そこは修理を行った可能性があるということです。

ボルトを見る

ボンネットを開けると、通常の車なら車体のつなぎ目にあるボルトには塗装がされています。こうしたボルトは通常のメンテナンスであれば外すことはありません、あるとすればアフターパーツへの交換か修理で交換したかのどちらかです。

修復歴のつく部分を把握しておく

シャシーとは、細かく分類するとフレーム、ラジエーターコアサポート、クロスメンバー、インサイドパネル、ピラー、ダッシュパネル、ルーフパネル、フロア、トランクフロアという9つのパーツに分類されます。ピラーやトランクなど外観からダメージの有無を判別できる場所も多いので、試乗時には外観から上記の部分をできるだけ確認するのもポイントです。

内装から見る 事故車 の見分け方

シート・ハンドルなど手が触れる部分のへたり具合を見る

シートやハンドル、スイッチ類などは運転すれば必ず触る部分なので、使用すればするほどへたってきます。走行距離や年式の割にこの部分がへたっている場合は、メーターの改ざんが疑われます。逆に、古い車両なのにこういった部分がキレイすぎる場合は、何らかの理由でパーツを交換している可能性があるということです。

ドアヒンジや接合部分のシーラーとボルトを確認する

ボディを溶接している継ぎ目は水漏れなどを防ぐためシーラー(シーラント)と呼ばれる樹脂が塗布されています。修理などを行うとこのシーラーが一部だけ新しくなっているなど痕跡が残ります。ドアやトランクを開けると根元に取り付けのボルトなどがありますが、こちらもドアの交換などをしていればボルトに何らかの痕跡が残っています。

フロアマットをめくる

フロアマットをめくってみると、シーラーに異常があったり、ボディにサビがあったりします。心ない業者だと冠水車のフロアマットなど目に見る部分だけを交換し販売することもあるので、中古車を見る時は通常見ないような場所まで細かく確認するようにしましょう。

事故車 購入 時の見分け方についてまとめ

良心的な中古車屋さんを見つけるポイントは、今まで紹介したポイントをいっしょに確認し、疑問にきちんと答えてくれる業者かどうかです。気になったポイントについて整備記録を見てみると、修理した履歴が見つかることもあります。疑問に感じたことはそのままにせず、積極的に業者さんに質問していきましょう。

次回はついに最終回です。事故車の修理の仕方についてお届けします。できれば最後までお付き合いください。

(その4に続く)

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