もうすぐ春。この記事を読んでいる学生さんの中には、すでに春休みに入って自動車教習所に通っているという方もいらっしゃると思います。運転をするという行為自体が初めての経験で、どうすればスムーズに運転ができるのかわからないということはありませんか?ここでは運転歴約20年のドライバーである筆者が、ビギナー向けにアドバイスをしていきます。「昔はクルマを運転していたんだけど…」というペーパードライバーの方も、是非復習の意味を込めて基本を見直してみるといいでしょう。
まずは何ごとも形から。服装はOK?
まずは運転を始める前に、服装の確認からです。「クルマを運転するのに、服装なんて関係あるの?」と思われる方も多いかもしれませんね。スポーツをされる方はよく分かっていると思いますが、運動には運動の、運転には運転の、それぞれ適したスタイルというものがあります。要するに「動きやすい恰好をする」ということです。もっとも気を付けるべきは「靴」と「上着」。特に女性の方は、ブーツやヒールのある靴は運転する時は避けましょう。正確なペダル操作ができなくなります。またサンダルも危険ですので、スニーカーのような靴を履くようにしましょう。そして上着ですが、これが厚すぎると腕の自由を奪って確実なハンドル操作に支障をきたします。車内の温度調節はエアコンに任せ、なるべく身軽な服装で運転するようにしてください。
運転姿勢はもっとも大切な要素。詰め過ぎず、開け過ぎずが大事
さぁ、それでは実際にクルマに乗り込んでみましょう。ドアを開ける際は、前後左右の確認を忘れずに。まずシートに座ったら腰深くかけて、フットレストに左足を乗せて踏ん張ってみたときに膝が曲がるくらいになるように調整します。次にハンドルと背もたれの調節をしましょう。楽な姿勢で背中を背もたれにつけ、ハンドルを「9時15分」の位置で握ります。そしてそのまま肩の位置を動かさずに「12時」の位置でハンドルを握りましょう。このとき肘が少し曲がるくらいがちょうどいいポジションです。ビギナーの方にありがちなのが、ハンドルとシートの位置が近いこと。怖い気持ちはわかりますが、詰め過ぎると腕が思うように動かなくなり、かえって危険です。正しい姿勢で、リラックスして運転することが大切になります。
実際に運転してみよう!道に出る前から危険がいっぱい?
それではミラーの角度を確認し、シートベルトを締めたらエンジンをかけて、駐車場から道に出てみましょう。しっかり左右を確認して道に出たと思ったら、クルマから「ゴリッ!」と変な音がした…こんな経験はありませんか?車道と歩道を仕切る縁石などに引っかかってしまうトラブルは、初心者の方にありがちです。「内輪差」という言葉を教習所で習ったかと思いますが、クルマは前輪と後輪で描く軌跡が違います。慣れないうちはドアミラーなどでしっかり確認し、ゆっくりとハンドルを切っていきましょう。これはたとえば交差点の左折時に、自転車などを巻き込まないようにするためにも役立ちます。
最初から流れに乗ろうなどと思わなくてもいい
さて、あなたは道路に無事出てきました。しかし、周りは明らかに自分よりスピードが速いクルマばかり…こんな時でも落ち着いていきましょう。法定速度さえ守っていればいいのです。よく運転が上手いベテランになると、ビギナーに「流れに乗らないとダメだよ」と教えることがありますが、これは無視してかまいません。無理はせず、くれぐれも自分のペースを守るように心がけてください。そういった意味では、追い越し車線は走らないようにするのがいいでしょう。
車線変更は、必ず目視の確認も行おう
ミラーでしっかり斜め後方を確認したはずなのにほかのクルマがいて、とてもヒヤッとした経験がある…こんなことから車線変更が苦手という方も多いのではないでしょうか。ミラーには死角があり、後方すべての情報を映せるとは限りません。あくまでも補助する目的で付けられているということを忘れずに、必ず後ろを目で見たうえで車線変更を行うようにしましょう。
じゃあ、どうすれば運転が上手くなるの?
ここまで読んできた方は、おそらくそう思われることでしょう。実は運転の練習に適した時間帯というものがあり、それは早朝(5:00~6:30)になります。交通量も歩行者も少ないので、自分のペースで運転ができる早朝は絶好の練習時間ということなのです。あとは普段よく使うであろう道を練習ルートに入れておきましょう。運転時間は10~15分くらいで構いませんので、とにかく毎日練習することが大切です。忙しくて運転できないという時でも、1日5分くらいは運転席に座ってイメージトレーニングをするだけで効果があります。
ほかにもこんな点に注意!初心者の「あるある」話
免許は取ったけど、自分のクルマはまだ持ってない。こんな方は、レンタカーを使うこともあるでしょう。乗り慣れないクルマに乗る時ほど、ドライビングポジションやハザードなどのスイッチ類の位置をしっかり確認するようにしてください。分からない時は、お店の人に何でも遠慮せず聞きましょう。よくあるトラブルが、給油時に関するものです。これはレンタカーに限ったことではありませんが、給油口の位置は左右どちらか、乗っているクルマの燃料の種類はどれか、事前にチェックしておきましょう(軽自動車だから軽油、というミスも初心者はやりがちです。気を付けてくださいね)。
とにかく経験すること。乗れば乗るほど身につく!
ここまでベテランの視点からビギナー向けに書いてきましたが、筆者も決して最初から運転がスムーズだったわけではありません。しかし、練習量は普通の人の誰よりも多かったと自負しています。そのためにも、まずはクルマを好きになってください。経験を積み重ねていけば、必ずクルマはあなたの手となり足となってくれます。そして、身近な人で「運転の師匠」を見つけましょう。その人の運転を真似ることから始めれば、上達は早いと思います。
それでは、楽しいカーライフの始まりとなることを祈ります!